幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百四十五話 事件中断〜half-hearted reconciliation.

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見逃さないように手を掴む。こいしさんは驚いたような表情をしていた。

 

 

「えっと……」

 

 

こいしさんが唐突な事で戸惑っているようにも思える。

ただし……こっちは探していたのだ。

 

 

「やっと見付けた……」

 

 

「お兄さん何をしているの?」

 

 

「フランちゃん、見えないかい?」

 

 

「見えないって何が……?」

 

 

「ここにいるんだけど……」

 

 

「え?」

 

 

「やっぱお兄さんには見えてるんだ」

 

 

「そうだね……見えてるよ」

 

 

「うーん、うん?」

 

 

そのままフランちゃんはこちらを凝視して……

 

 

「誰!?」

 

 

存在に気付いたようだ。

 

 

「あれ?バレちゃった?」

 

 

「誰なのよー!」

 

 

「フランちゃん落ち着いて……」

 

 

「落ち着いてじゃないわよ。急に居たのよ?」

 

 

「彼女は元から居たから……」

 

 

「居たって何処によ?」

 

 

「……そこにですよ。彼女は見えないんです」

 

 

「見えないって……?」

 

 

「無意識だから」

 

 

こいしさんが答える……だが。

 

 

「……?」

 

 

予想は付いていたが、理解出来ないよなあ……

 

 

「こいしさんは、そう言う能力なんです……」

 

 

「え?どう言う事?」

 

 

「なんで本人が疑問に思ってるんですか……」

 

 

「えー?」

 

 

「……まあとにかく周りが皆見えなくなるんです」

 

 

「そうなんだ……」

 

 

「多分そうだと思うよー」

 

 

もう本人が曖昧なのは気にしない事にしよう。

 

 

「ってことは……犯人はコイツ?」

 

 

「なんのことー?」

 

 

「ケーキ!食べたでしょ!!」

 

 

「食べたっけ?」

 

 

「アンタねえ!!」

 

 

「フランちゃんストップストップ!!」

 

 

「何よ?」

 

 

だいぶ苛立っているが、ここで暴れさせるわけにはいかないし……

何よりこいしさんに怪我させるのも申し訳なくなる。

 

 

「彼女がやったかも……いやまず犯人な気もしますけど無意識の可能性が」

 

 

「無意識?だったら許されるとでも?」

 

 

「それはそうですが……」

 

 

「なんでお兄さんが庇うのか分からないけど、食べ物の恨みは……」

 

 

「フラン、何をしているの?」

 

 

「お姉様!?」

 

 

レミリアと咲夜さんも騒ぎを聞いて駆けつけて来たようだ。

そして現状を見て……

 

 

「蓮司」

 

 

「……なんでしょう?」

 

 

「フランに何をしたの?」

 

 

「え?」

 

 

「今蓮司しか居ないでしょう?」

 

 

「あー……」

 

 

皆が現状を把握するために一度話し合う事にした。

 

 

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「あれ?私もいいの?」

 

 

「一応お客様と言う扱いにしろと言われたので」

 

 

「じゃあいっかー、有難う!」

 

 

こいしさんは出されたクッキーを食べ始めた。

フランちゃんが恨めしい目で見てるんだが……

 

 

「それで、貴女は?」

 

 

「古明地こいしだよ」

 

 

「そう、ではこいし。貴女はいつここに入ったの?」

 

 

「いつだっけ?」

 

 

「え?」

 

 

「覚えてないんだ」

 

 

「覚えてないって……」

 

 

「お姉様、その子なんだか分からないけど無意識らしいよ」

 

 

「無意識って……また面倒なのが来たわね」

 

 

「後はお兄さんが知り合いらしいね」

 

 

「へぇ」

 

 

「……前に少し縁があっただけですよ」

 

 

「まあそこも後にしましょうか……」

 

 

俺の方へ向いていた視線を逸らしこいしさんの方へと向く。

まあ本題はそっちだろうしな……

 

 

「貴女は何者?」

 

 

「んーとね、妖怪!」

 

 

「どんな妖怪?」

 

 

「下っ端妖怪!」

 

 

「……」

 

 

下っ端妖怪?さとりじゃ?

いやでも目の閉じたさとりはさとりと言うか怪しいし、ある意味下っ端なのか……?

 

 

「まあ……下っ端でもおかしくないか……何処に住んでいるの?」

 

 

「楽しい所!」

 

 

「えぇ……それじゃあこの子返せないんだけど」

 

 

レミリアは戸惑っているようだ……確かに迷子が帰り道分からないのは困るよな……

 

 

「蓮司」

 

 

「自分が何か?」

 

 

「この子何処の子だか知っているかしら?」

 

 

そりゃ知っているが……確かにこいしさんも迷子なら送り届けた方がいいか。

 

 

「内緒にして」

 

 

「え?」

 

 

「何よ?」

 

 

「いや……」

 

 

今こいしさんが喋ったよな?周りは一切気付いていなそうだが……

しかし内緒にしてか……言うべきだと思ったが……

 

 

「ちょっと前にあったのが外だったので分かりませんね」

 

 

「そう……」

 

 

理由は分からないが黙る事にした。

何を考えているか分からないが、致命的な物だとまずいし……

 

 

「じゃあ暫くはここにいなさい」

 

 

「お姉様!!」

 

 

「フランだって友達欲しいでしょう?」

 

 

「でもそいつ……フランのケーキを……」

 

 

「また買って来てあげるから我慢しなさい。友達の方が大事よ」

 

 

「ぶー」

 

 

「こいしはそれで構わないわよね?」

 

 

「うんいいよー」

 

 

「それじゃあ決まりってことで」

 

 

フランちゃんが文句を言いつつもこいしさんも居候と化したらしい。

気付けばどんどん住人が増えていきそうだな。

 

 

「蓮司」

 

 

「はい」

 

 

「フラン同様、彼女の見張りもよろしくね」

 

 

「……」

 

 

「返事は?」

 

 

「……はい」

 

 

「咲夜も念のためね」

 

 

問題児の保護者じゃないんだぞ……なんで大変なメンツばかり集まるんだ。

正直自信は全く無いが、やるしか無いと腹を括った。

 

 

「しかし、お嬢様面倒ならば追い出せばいいのでは?」

 

 

「いや、フランにだって友達は欲しいしね」

 

 

「なるほど」

 

 

若干不安に思いつつもやる事が増えた。

ついでと言うべきだとは思わないが、聞きたい事をこいしさんから聞き出すのを忘れないように考えながら……

四百九十五年苦しんで来たフランちゃんを手助け出来ると信じて。

 

 

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to be continued

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