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「こいしさん」
「なぁに?」
「聞きたいことがあるんだけど」
翌日すぐに話をする事にした。
流石に放置は出来ないし……
「ちょっと話したい事があるんだけど」
「フランを放っておいて良いの?」
「少し怖いけど……この話もしておきたいし」
「ふぅん、速急なんだ……いいよー」
一応周りを見て……誰も居ない事を確認する。
よし大丈夫そうか。
「それで、わざわざ何が聞きたいのさ」
「こいしさんは、さとりの能力はもう使えないって認識でいいんですよね?」
「その話はしたくないんだけど……」
「出来るか出来ないかだけでいいので」
「出来ないし、する気もないよ」
「良かった……分かりました」
流石に出来ないなら文句は言われないだろう。
言われないよな……?
「じゃあ次はこっちから質問」
「はい、何かありました?」
「今の質問の意味って何?」
「あぁ、能力があるかどうかだけど」
「なんでしたの?」
「まあ色々と……」
「答えて」
気付けば目の前へと詰め寄って来ている。
顔を見ると瞳に吸い込まれそうだ。
「紅魔館でちょっと……」
「さとりが居たら不味かったって事?」
「まあ、気にはして居ました程度ですが……」
「出てけって事?」
「いや、そう言うわけではありません」
「でもそれは能力を持ってないからでしょ?」
「能力を持って居ても事情を話してどうにか出来るならしたかったですが」
「なんで?」
「なんでって、こいしさんもここに居続けてるし出て行かないならその方が良さそうでしたし」
「いや、なんでそこまでしようとしたのかなって」
「え?」
「かつて面識があったって言ったけどさ。私の方は覚えてないし、目を閉じて居てもさとり妖怪なんだよ?なのに怖がらないし」
「それは……」
「私からしたらお兄さんの方が不気味なんだけど?」
「え?」
「自覚なかったの?」
「ありませんでしたが……」
「そっか、ならちゃんと言おっか」
「……」
「お兄さんはさ、ただの人間の皮を被ったなんなの?」
「なんなのって……?」
「何もかも歪、正直そこらの妖怪の方がまだ可愛いんじゃない?」
「そこまでですか……?」
「うん、さっき言ったこと全部納得出来てないよ」
「さっき言ってたこいしさんを庇う理由は」
「嘘でしょ?」
「え?」
「地上で面識がある?そんなの嘘でしょ?」
「何故です?」
「だってお兄さんが嘘つく時の癖が出てるもん」
「え?」
そんな癖あったのか?
と言うかそんな致命的な失態をしてたなんて相手には不快だったんじゃ?
慌てて探そうとするが……流石に自分で分かるわけないし今じゃ無いな。
「いや、癖なんて無いのでは?」
「うん分から無いよ」
「え?」
すぐさま無いと返答される。一体何がしたかったんだ?
「でもさっきのお兄さんの反応はそう言うことでしょ?」
「いや……それは違うでしょ」
「違わないよ、だってお兄さん本当に嘘吐いてなゃさっきみたいな確認しないもん」
「……」
うっかりして居たのは今だったと言うわけか。
やらかしたな……話すのはいいんだけど……この子の場合本当に何が起こるか分からない。
他のメンツだって疑いを向けられたく無いしレミリアしか話してないのに。
「そう言われると否定出来ませんが……」
「じゃあ、どう言うことなの?」
「到底信じられないと思いますが……」
事情を話した……ってか本当にこの子無意識か……?
「……嘘っぽい」
「癖分かるんですよね?」
「いや分からないって言ったけど」
「そうでしたね……」
「でも、そう言うって事は本当かぁ……」
「ですね、過去にあった事です」
「それで、地霊殿に戻ったの?」
「一度だけ……追い出されましたが」
「ふーん」
「あの……と言うわけでして」
「そっか、同じだからか」
「同じですか……?」
何がだろうか?まさか地霊殿を追い出されたと思わないし。
「うん、お姉ちゃんに必要とされてないもの同士」
「必要とされてない?そんな事あるわけ」
絶対に無い筈だ。探して居たし、見つけて喜んでいたし。
「だってそうでしょう?」
「いや、さとりさんは」
「だってお姉ちゃんは私より建前の方が大事なんでしょ?」
「何を言って……?」
「お姉ちゃんが探しに来た事なんて無いよ?」
「え……?」
いや、心配しているし探していた……
あれ……心配はしていたし、喜んでいたが……探していたか?
「お姉ちゃんは自分の立場を理解しているから、それ以上の事はしないよ。妹よりも他の人と会いたく無いから探さない」
「……」
「居ればいいもどうせ体面だけ、本当に必要なら探しに来るもん」
「でも彼女は、さとりで他の人の事を……」
「だから、それが私以上なんでしょ?必要とされてないよ」
「大切に思っていますよ」
「別にいいよそう思うなら。私は地霊殿に帰らないから」
「いや、一度帰って話し合った方が」
「それなら迎えに来てってね」
「だったら俺が……」
「行けるの?」
「場所は覚えてますし」
「違う違う。その頃みたいにお姉ちゃんはバックに居ないのに地底を通り抜けられるの?」
「……」
正直キツいだろうな……本当に地底で歩き回れたのは彼女のお陰だったし。
「じゃそう言う事で、お姉ちゃん待ってよーっと」
そのままこいしさんは行ってしまった。
追い掛けようとしたが追い掛けられずに。
「何が正しいんだろうな……」
この件の正解は、頭に浮かばなかった。
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