幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百五十五話 妖怪探し〜where did you go?

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「さとりさ……」

 

 

人混みの中に今にも溶けそうなさとりさんを追う、それと同時に鈴の音が鳴る。

 

 

「こいしさんも追いましょう……」

 

 

声を掛けるが、鈴の音が遠くなる一方だ。

慌てて振り向くとそこには居なかった。

 

 

「……え?」

 

 

鈴の音が小さくなる。

見失ってはいるが……これ以上離れると不味そうだ。

 

 

「一体何が……」

 

 

こいしさんも心配だけど……今はさとりさんの方へ……

 

 

「まだ近くに居るはず……」

 

 

人混みを掻き分けながら人里の中へと戻って行った。

だが、見当たらない。

 

 

「気のせい……なわけないよな」

 

 

最初に反応していたのは俺じゃなくてこいしさんだし。

しかし……だったら何処へ?

 

 

「もしかしたらこいしさんが先行して……?」

 

 

姉妹だから行く場所が分かっていたり?

だったら完全に失敗だが……今更仕方ない切り替えよう。

 

 

「すみません」

 

 

「なんだい?」

 

 

「紫髪の少し背の低い女の子見ませんでしたか?」

 

 

「見てないねえ」

 

 

「有難うございます」

 

 

「あの……」

 

 

「……」

 

 

一部の人達には無視されたがそれでも聞き回った。

 

 

「だけどさ……」

 

 

ここら辺に居た筈なのに何人に聞いても見ていないと言う……どう言う事だ?

分からない……他人に聞いても仕方ないのか?

 

 

「らっしゃい兄ちゃん」

 

 

「え?いや買い物じゃないです」

 

 

「なんでい、店の前でウロウロしてるんじゃねえっての」

 

 

「すみません……」

 

 

確かに行ったり来たりしていたが、店の前で邪魔してしまっていたのは悪いな……

 

 

「まあいいけどよ……また売れねえかねえ……」

 

 

「すぐに退きます」

 

 

「まあ急がなくてもいいけどよ」

 

 

「でも邪魔みたいですし」

 

 

「まっそりゃねえ。さっきの嬢ちゃんもウロウロしてたけど結局買わなかったしよ」

 

 

「嬢ちゃん?」

 

 

「紫っぽい珍しい髪した寺子屋行くくらいの見た目のな」

 

 

「っ!?何処ですか!?」

 

 

「おわっと!?どうしたよ」

 

 

「その子何処へ行きました……?」

 

 

「何処って……店の前に来ただけだぞ?」

 

 

「それでもどっち方面に行ったかなとは」

 

 

やっぱり見た人が居たんだ。ここに居たのは事実なんだな。

 

 

「恐らくとかだけでもいいので……」

 

 

そう話すと店主が多少震えた手で真っ直ぐ差す。

真っ直ぐはまた別の店の筈だが……怖がらせてしまった……は無さそうなんだが一体……

 

 

「あの……後ろは店では……?」

 

 

「真後ろって事ですよ」

 

 

「え?」

 

 

後ろから声がして振り向く。

そこには彼女が居た。

 

 

「さとりさ……」

 

 

「私に何用か分かりませんが……少し場所を変えましょうか」

 

 

そのまま彼女に連れられて行った。

 

 

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人里から少し離れた場所。

もう完全に他の人は居ない。

 

 

「ここなら、良さそうでしょうか」

 

 

「あの……さとりさん?」

 

 

「ああすみません。聞いてませんでした」

 

 

聞いてなかった……彼女にしては珍しいと思うが……

 

 

「人里は騒がしいんです。聞き流さないととてもじゃ無いですが耐えきれません」

 

 

「ああ……成る程」

 

 

だから心を一切読んでなかったようだし、人里離れたのか。

 

 

「概ねそう言う事です。何故貴方が知っているのか分かりませんが」

 

 

「……」

 

 

「まあ先どうぞ」

 

 

「先ですか?」

 

 

「聞きたい事があるのでしょう?」

 

 

「ありますね」

 

 

正直聞きたい事だらけなんだが……

 

 

「何故人里に?」

 

 

「少し用がありましてね」

 

 

「さとりさんが……人里にですか?」

 

 

正直驚きでしか無い。まずもって来たがらない人だ。

地上にいるだけでも驚きだと言うのに。

 

 

「逆に貴方が私を見つけたのも驚きですけどね」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「一応気配を消していましたので」

 

 

「気配を消す?」

 

 

そんなこいしさんみたいな事が出来るのか?

 

 

「妖怪なら出来ますよ。通り過ぎる人たちは周りを気にしませんし。気付かれない事くらいなんて」

 

 

「……だからか」

 

 

だから店の兄さんは気付いていたのか。

完全に店の前にいる彼女に集中していたから。

 

 

「分かりました。有難うございます」

 

 

それでも、何故来たのかが不思議でしか無いんだが。

 

 

「……探してる子が居まして」

 

 

「探している子……」

 

 

こいしさんだろうな……そうでもないと彼女が出て来る理由が分からないし……

 

 

「やはり……」

 

 

「どうしました?」

 

 

「こいしの事知っていますね」

 

 

「……知っています」

 

 

本当なら、こいしさんと一緒に来る筈だったのだが……

 

 

「こいしは何処に?」

 

 

「分かりません」

 

 

「分からないって……成る程」

 

 

すぐに心を読んでくれるためスムーズに進むな。

 

 

「……」

 

 

「さとりさんどうしました?」

 

 

「心が覗かれているのが分かっていて、不快じゃないんですか?」

 

 

「特には……元から知っていますし」

 

 

「……変な人。でも今は貴方を探っている暇はありませんね」

 

 

「ですね……こいしさん……何処へ行ったんだ?」

 

 

「ご迷惑をお掛けします」

 

 

「……不思議な人」

 

 

何故逆になってしまったかは謎でしか無いが、先程とは変わって、さとりさんと共にこいしさんを探すこととなったのだ。

 

 

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to be continued

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