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地底をさらに進んでいく。
橋姫に妬まれながら、土蜘蛛に襲われそうになっていたのをこいしさんに助けられたりした。
「やっぱ私いないとダメじゃん」
「いや、居なくならないかって不安なだけで、こいしさんいないと詰むのは分かってるからね?」
「ふふーん、崇めてくれていいんだよー」
「ははー」
崇める様なポーズをする、そして態度を切り替える。
「さて、地上だよ」
「そうですね」
駆け上がって地上を見る、久々の地じょ……
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
痛い痛い痛い、焼ける……焼けてしまう。
「ダメだよお兄さん、久々の地上なんだから太陽なんてすぐに見ちゃ」
「気を付けます……」
日陰に案内してもらって休む。
焼けた様な痛みがあった目も次第に収まってくる。
「もう大丈夫なの?」
「はい大丈夫です」
そして買い物を終わらせ帰還する準備をする。
途中こいしさんが盗もうとしていたのを叱りながら……見えないから俺が不審者に見えるかもだし放置しても良かったんだが。
「それじゃあ帰りましょうか」
「そう……だね」
「どうしました?こいしさん?」
「ねえちょっといい?」
「構いませんが」
「あのさ、このまま地上で暮らす気ない?」
「どう言うことです?」
「そのままの意味だよ、地底に帰らずに地上で暮らさない?食糧はあるし」
「こいしさん……何が言いたいんです?」
邪魔ってことなのかな?
そうは思われてないだろうけど。
「貴方は何がしたいの?」
「何がって……」
何がしたいかと言うと……正直分からない。
どうでもいいと言う気持ちは無くなったが……だからって明確な目的がない。
「地霊殿にずっといるの?」
「仕事を頼まれる様になれればいいですが、それが一番かなって」
「いいよ」
いいのか……?何が言いたいのだろうか?
「それじゃあいつまで?」
「いつまでって……。そんなこと言われてもまだ分からないかな」
「そっか、じゃあそれでいいよ」
「さっきから……
「じゃあ死ぬまで居るとするね!」
「それは分からないけd ……」
「お姉ちゃんを悲しませるの?」
「……は?」
言葉を遮ってきたかと思えばいきなり何を……?
さとりさんを悲しませる気はないのだが。
「俺はそんな気はないんですが」
「妖怪ってさ、やっぱり人よりも寿命が長いんだ」
「むしろ魔の物とかも含めて、逆に人が短いとまで聞きますね」
「お姉ちゃんは心が読めちゃうから、友達や仲間は増やさない……家族だって地霊殿だけ」
「……確かにさとりさんは積極的に増やしたりはしないでしょうね」
「それでも貴方はいいって言われてる、これはいい事なんだけどさ」
あっいい事なんだ……てっきり姉が云々で文句だと思ったが。
「ただたった100“しか”生きられない癖に」
「耳が痛いですね……。ただどうしようもないんだよそれは」
人の寿命は増やす事はできない。
吸血鬼は眷属を増やすとか聞くけど、今は関係ないし。
「しかしそれじゃあ、結局今去っても悲しいんじゃ?」
「わかるでしょ?毒の様に長く居れば居るほど苦しくなる」
「出て行けって事ですか?」
「別に……別れってものはどうしても存在するし」
「……」
「一つだけ約束して」
「……何ですか?」
「ここで地底に戻るなら、お姉ちゃんを見捨てないで。裏切らないで」
「……」
「別れは仕方なくても、裏切りはそうじゃないよね?長く信じていた人に裏切られるほど劇毒になる」
「……」
裏切りはしたくないしする気もない。
ただ今後それを断言できるかってわけか。
「……少なくとも俺はさとりさんに助けられたしその恩返しを出来た記憶もない」
「別にお姉ちゃんは気にしないと思うよ?」
「俺が気にしますってば……それに……嫌味を言われながらも受け入れてくれましたから」
逆に俺の心を知っているからこそあの人は一番分かってくれる。
帰りたい気持ちもあるが……それ以上にここの世界も外も悪意だらけだ
ただの逃げ腰かもしれないが……もう何度も死んだんだから。
「じゃあどうする?」
「断言しますよ、裏切らないって」
「そっかー、じゃあ改めてお帰りなさいってことで」
「……まあそうですね」
「裏切ったら生きていられないと思ってね」
「今去ってた場合は……?」
「うーん分からない、何も考えてないし」
場合によっちゃ今刺されてたんじゃ?
そう考えると正解だったのでは?
「それじゃあ帰ろうか」
「はい」
しかし改めて認められたと考えると嬉しいな。
人間だとアウトな見た目だし何かしたりはしないけど……可愛いし。
「お兄さん、自惚れたってそう言ったのはないよ」
「今読んだ……?」
「顔に出てたかなー」
これからも平和が続いてくれないかと願いながら帰っていく。
「良かったお兄さんが残ってくれるって言って」
先に行った蓮司に聞こえないようにボソリと呟く。
「貴方が地底に落ちてきて“何年も怪我で目覚めなかったのに”それでもお姉ちゃんは見込みのない重傷を懸命に治療し続けてくれた。……今はもう既にお姉ちゃんにとって大切な家族になってるだろうしさ」
そう言って後を追う、ただ今戻ろうとする穴から出て行く存在の多さに違和感を覚えながら。
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「悪霊……ですか?」
「ああ、管理ちゃんとしてるのか?」
「気を付けているはずですが……」
「ただ気を付けろよ、こんなこと今まで無かったんだからな」
旧都にて鬼とさとりが話し合う。
その内容は旧都でも悪霊を見かける様になったと言うことだ。
「さとりがそんな杜撰なことはしてなさそうだが」
「ええ、帰ってみたら確認してみます」
「そうも行かないだろうけどな」
「何故ですか勇儀?」
「旧都を抜けて地上に出て行った奴らも居るらしいんだ……だから察していると思うぜ?」
「……面倒ですね」
「私は喧嘩出来れば歓迎なんだがね」
…
「おい霊夢聞いたか?」
「何の話よ」
「地底から間欠泉が出たのと一緒に悪霊がドバーッと溢れてきたらしいぜ」
「紫から聞いたわ、ヘルプも受けたけど」
「それじゃあ霊夢もやるのか?」
「どうしようかしらね」
「おっと……それじゃあ私が先に異変解決だな!」
「それはなんか納得出来ないわね……」
「だったら競争か?」
「それもいいかもしれないわね」
「それじゃあアリスを呼んでくるか!流石に地底はサポート欲しいしな」
「私は……紫でいいか」
二人の少女が地底へ向かう準備をする。
これから……始まってしまった異変を解決するために。
「春雪異変からもう“四年”以上か……あの異変以降霊夢に異変解決勝ってないから今日こそは勝たせてもらうぜ!」
彼女達の言葉に謎の違和感を残しながら。
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to be continued