幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百五十八話 募る苛立ち、探す最適〜dependence girl.

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「概ね、やってきた事は理解出来ました……正直予想外だらけですが」

 

 

やっと腰を下ろし会話が出来た。

今日の事も含めて彼女が関係しそうな過去の事も全部。

そうは言っても殆ど覗かれた気もするが。

 

 

「まあ、こいしさんと会ったのは驚きですが……」

 

 

「凄いでしょー!」

 

 

「どうして紅魔館に居たとか疑問があるんですけどね……」

 

 

「ふっふーん、覚えてない!」

 

 

「……でしょうね」

 

 

まあそこは散々言われてるしな……

 

 

「小野寺さん、こいしの確保有難うございます」

 

 

「いや……本当に見つけられて良かったです」

 

 

少しでも目を逸らせばこいしさんは見つからなくなる。

本当に運も良かったわけだ。

 

 

「それで……これからですが……」

 

 

さとりさんが話す途中に扉がバンと開いた。

慌てて振り向くと苛立ち混じりのフランちゃんがいた。

 

 

「お兄さん」

 

 

「どうしたの……?」

 

 

理由は分かるが念のため聞く。

違ったら良いなと思いながら。

 

 

「何で来ないの?」

 

 

「今帰って来たばかりなんだけどさ……」

 

 

やはりその件だよな……会いに行けと言われていたが、先に共有とかだけは済ませておきたかったから。

まあ流石にそれは後にするか……

 

 

「ごめん、こっち切り上げてそっちへ行くから」

 

 

待たせてしまうが仕方ない。先にフランちゃんと全力で……

 

 

「ふーんだ」

 

 

「フランちゃん落ち着いて」

 

 

「どうせ私より仕事の方が大事なんでしょ?」

 

 

……そんな言葉、何処で覚えた?

予想以上に染まって来ているな。

 

 

「……小野寺さん、早く行ってあげてください」

 

 

「え?ああ了解です」

 

 

さとりさんから急かされた事に驚きつつ部屋の外へと出る。

その後をフランちゃんが追いかけて来る。

 

 

「お姉ちゃん?」

 

 

「こいし、どうしたの?」

 

 

「お姉ちゃん、何か心配そうだけど……」

 

 

二人が去った後、こいしがさとりへと尋ねる。

 

 

「あの子……だいぶ心が荒れていたもの」

 

 

「……それお兄さんに伝えなくて良かったの?」

 

 

「どうして?」

 

 

「あっこれ……お姉ちゃんもお姉ちゃんで面倒な奴だ」

 

 

「?」

 

 

「……まあ、どうしようもないのが事実かー」

 

 

流石にここで自分が行ったらフランが何するか分からない。

だからこそお兄さんが頑張ってくれることをただ祈る事にした。

 

 

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「最近お兄さん私に対して冷たくない?」

 

 

「そんな事は無いと思うけど」

 

 

「だって今日も朝から勝手に出掛けちゃうしさー」

 

 

「用事があったからね」

 

 

「連れてってくれれば良かったじゃん」

 

 

「いや……外出れないよね?」

 

 

「ぶー」

 

 

「ぶーと言われても……」

 

 

「その後もすぐに来ないしさあ」

 

 

「忙しかったからね……」

 

 

「あんま扱い酷いとどうなっちゃうか分からないよ?」

 

 

「……勘弁してくれ」

 

 

そのまま、部屋へと向かう予定だったが……

 

 

「蓮司、少し良いかしら?」

 

 

「レミリア、今は明らかにまずいと思う」

 

 

まさかのレミリアが乱入して来た。

フランが云々言ってたの貴女では?

 

 

「ダメに決まってるでしょお姉様」

 

 

「……フラン我慢しなさい」

 

 

「お姉様……?」

 

 

「蓮司」

 

 

「しかし……」

 

 

「蓮司、早くしなさい」

 

 

フランちゃんの方を見ると俯いている。

正直それで行くのはどうかと思うが……

 

 

「行って」

 

 

「……分かった、早めに戻って来るから」

 

 

一体このタイミングに何が目的だ?

正直フランちゃんが可哀想だが……

 

 

「どうして……?」

 

 

その声は誰にも聞こえずに……

 

 

「……」

 

 

多少の苛立ちを持ちながらレミリアの部屋へと辿り着く。

 

 

「さて、どうしようかしら……」

 

 

「いや、何か用があってじゃ?」

 

 

「正直言うと無いのよね」

 

 

「……帰ります」

 

 

「待ちなさい。予想以上に深刻な問題が起きてるから」

 

 

「問題?それは俺が関係してるのか?」

 

 

「完全にしてるわ」

 

 

「……は?」

 

 

「正直な話……フランがここまでだと思ってなかったの」

 

 

「ここまでって?」

 

 

「進行度と言うか……蓮司への依存度と言うか……確かに今まで幽閉していたとは言え予想以上過ぎたわ」

 

 

「そこまで……か?」

 

 

「なんでアンタが自覚無いのよ。一日居ないだけでもアレよ?」

 

 

「アレよと言う言い方はあんまりだと思うが……」

 

 

ただ確かに……一日だと言うのは異常なのだろうか?正直分からん。

 

 

「蓮司が永久にフランの元で世話係するって言うならそれでも良いかもだけど……」

 

 

「無理だな……」

 

 

今は紅魔館にて異変を待っている最中だが、恐らく起きれば関わりに行く。そうしないと先に進めないしな……

そうすれば紅魔館から離れる必要があるし、死ねばまた巻き戻って此処じゃなくなる。

 

 

「万が一残るとしても寿命の問題があるものね」

 

 

「……そうだな」

 

 

俺は後100年すら生きれるか不安だしな。

まあ流石に110歳超えとか無理そうだが……

 

 

「親離れとは違うけど、徐々に慣れさせないといけない。そうでもしないともしかしたらフランに唐突に眷属にさせられるかもしれないし」

 

 

「眷属……」

 

 

吸血鬼の眷属にさせられるわけにはいかないな。

全てが台無しになる可能性だってあるしな。

 

 

「だから、蓮司以外の人間も雇って色々と慣れさせようとも考えたけど……人間は紅魔館に来ないし」

 

 

「……まあ来たくないだろうな」

 

 

どう考えても危険だし。

今こそ知っているが、最初は自分も命懸けだと思っていたし。

 

 

「少し蓮司には窮屈かもしれないけど、慣らしていくしかないわ。前はやってちょうだい言ったのにごめんなさいね」

 

 

「……本当にフランちゃんが可哀想としか」

 

 

「ほんと、苦しませてばかりね」

 

 

妹の事を本気で思っているのは分かっている。

こちらでも出来る事を考えて動くしか無いか……出来るだけ彼女が楽しめるように。

 

 

「……ああやってやる。やってやるよ」

 

 

一生を添い遂げる事は出来ない、だからこそ今出来ることは何か……

レミリアの理想通りにするのは難しいと思うが、自分が紅魔館を去った後のフランちゃんを考えるとそうするしか無いのかと。

とりあえず明日から考えようと今は悔いのないようにめいいっぱい遊ぶこととしたのだった。

 

 

一度染まった狂気はそう簡単には消えはしない。

 

 

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to be continued

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