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翌日、レミリアに呼び出された。
昨日は夜のドタバタでとか言いたいがそうも言ってられない事情だろう。
部屋へと入ると、既にさとりさん達は居た。
「何かあったかって話だけど……まああったなあ」
昨日の今日で呼ぶのは珍しいが、そりゃなあ……
ただ実際俺から話せる事はないわけで。
「フランの事では無いわ」
「ん?そうかい?」
てっきりそうだとしか思ってなかったが……
「そっちはこちらでやるから問題は無い。問題はそっちよ」
そう言うレミリアはさとりさん達を指す。
察しはしたが……
「数日だけどうぞと言った気がしたけど」
「パチェがだいぶ怒っていたわ」
「あっそれはすみません……」
うん……一番困ってそうだったしな。
「だからとっとと出て行きなさいって話よ」
「……俺も?」
「当然でしょ」
「……」
「私を騙してそれで済むんだから感謝しなさい裏切者」
まあ仕方ない。こいしさんを放ってはおけないとやった事は事実だし……
しかしこうもレミリアに言われると辛いな……
「何か未練でもお有りで?」
「さとりさん?」
「いや、貴方の心がそう言っているような気がしたので」
「まあ……あるはあるけどさ」
「ちなみにですがレミリアさんは言ってる事は全部本心では有りませんので」
「……え?」
「ちょっと狡くないかしら!?」
「いえ……小野寺さんには本音をぶつけ合えって私達に対してのアドバイスをした癖に、そこで逃げる方が狡いのでは?」
「逃げるって……?」
「本音を言わず誤魔化して、その方がカッコいいとでも思ってるんですかね?」
「……だからさとり妖怪って嫌いなのよ」
「私はレミリアさん結構好きですけど?」
「……そう」
「チョロいですね」
「……殺す」
槍を構えるレミリアを宥める。
正直危なかったかもしれない……
「と言うわけで理由を言ってあげたらいかがですか?」
「いいわよ、どうせ出て行ってもらう事には変わりないし」
「ほうほう、大好きな小野寺さんですが種族の違いにより……」
「適当なデマ流さないでくれない?」
「つまらないですね。少しは焦ってくれてもいいのに」
いつの間にか話から置いてかれている気がする。
「えっと……つまりは?」
「これからフランに色々とさせる事にしたの」
「それはいいと思うな確かに」
ずっと幽閉されていたし。新しい事に次々挑戦したいだろう。
「楽しいこともあれば、辛いこともある。その時に小野寺蓮司って逃げ道を作らせないようにね」
「逃げ道にはならなそうだが……」
ただ……俺は甘やかしそうか?
「そう言う事よ。異変まで居てもらうことが出来なかったけど」
「まあ俺もフランちゃんが良くなってくれる方がいいし」
フランちゃんには今後も困難が多いだろうし頑張って欲しい。
流石にレミリアも非道な事まではやらないと思うけど。
「いずれはフランも外に出れるようにしたいわね」
「そうなる事を願ってる」
それに関しては本当に、彼女も外に出られればいいしな。
「それなら蓮司以外の人間にも慣れてもらわないとならないけどね……先が長いわ」
「応援しか出来ないけど」
「それでいいわ」
レミリアはそう言いつつ二人の方も見る。
「それじゃあまたいつか。今度は改めて友達として迎え入れるわ」
「じゃあ明日来ていいの?」
「ダメに決まってるじゃない」
こいしさんのボケによりレミリアのキメ顔が台無しになってしまった気がするが……まあ仕方ないね。
「お兄さん行こっかー」
「うん」
こいしさんに引き摺られるように紅魔館を出て来る。
改めてお世話になったなと思い知らされるばかりだった。
またいつか
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「で、さお兄さんはどうするの?」
彼女達を地底の入り口まで送りつつ尋ねられる。
これからか……
「まずは人里に行こうかなと」
バイト代を貰ったわけだし一時的に人里に泊まりながら今後を考えるのが一番か?
「小野寺さん、少しよろしいでしょうか?」
「どうしました?さとりさん」
「地霊殿に来ませんか?」
「え……」
確か前は追い返された筈だが……
「お姉ちゃん、どうしたの?」
予想外なのかこいしさんも驚いたような顔をする。
「今回お世話になったのは事実ですし」
「だからって地霊殿に来てもお姉ちゃんが迷惑かけるだけじゃん」
「こいし……?」
散々な言われ方をしたせいか少し悲しい表情をしている。
「そうと決まったわけじゃ」
「いや事実かなって」
「……まあこちらでも出来る事をしますよって事です」
一瞬顔を強張らせたがすぐに元に戻る。
どうやら妹の悪態には負けなかったらしい。
「小野寺さん、地底には貴方が探している妖怪が居ると思います」
「……本当ですか?」
自分でそんな事考えたかと疑問に思いはするが、どうにかなるなら有難い話だな……
「合っているか分かりませんが、可能性はあります」
「分かりました」
「気難しい性格なので、とり合って貰えるか分かりませんが一応話してみますね」
「わざわざすみません」
「それが私が出来る事ですから」
地底に俺の探している妖怪がいる、到底信じられない。
だってその場合は俺が過去に地底に来た可能性がある……記憶がないより前にはあまり考えられない。
それでもさとりさんが言う以上は嘘を言っているようには思えないが……
「まずは行ってからだな」
二度目の地底、そして地霊殿よりも奥深く。
そこに何があるのか……期待と不安だらけだった。
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