幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百六十二話 地底の底に潜むもの〜underground beast.

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「暗いな……」

 

 

地底は、地霊殿よりも暗くて危ないとこだらけだった。

足元もぐらついていて気を張りながら進む。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「はい、なんとか」

 

 

「落ちたら運が悪いと助けられないので……」

 

 

「なんでそんな危険な場所なんですかね……」

 

 

「それは彼女に聞いてください。と言うか……普段なら飛んで行きますので」

 

 

「それを言われるとそうですが……」

 

 

そうは言ったって人間には限界がある。

だからこそ気を付けて降りている。

 

 

「地霊殿が最下層だと思っていましたが……」

 

 

「ええ、まだまだありますよ」

 

 

「マジか……」

 

 

「恐らく前の私は言う必要がなかったからだと思いますけど」

 

 

「……そうでしょうね」

 

 

少なくとも地底の奥底に行くことなんて想像つかなかったしな……

 

 

「兎に角まだまだありますので向かいましょう」

 

 

「はい……」

 

 

そのまま徐々に降りていきさとりさんがもう近いと言っていた。

こう言う時こそ油断せずに……

 

 

「歩く事を禁止する」

 

 

「え?今さとりさん何か?」

 

 

慌てて確認しようとするとするが足が動かない。

 

 

「え?」

 

 

当然動かそうとしたせいでバランスを崩す。

狭い道だったこともありそのまま落下する。

 

 

「わあああああああああああ!?」

 

 

「小野寺さん!?」

 

 

慌ててさとりさんの方へと手を伸ばすが届かない。

そのまま底へと落ちて行く。

 

 

「落ちろ」

 

 

さとりさん以外の声が聞こえそちらへと向く。

 

 

「にとりさん……?」

 

 

色は違う目に映った少女は赤色だ。それでもにとりさんの面影が残る少女が見えた気がした。

 

 

「どうなって……」

 

 

確認しようとするもどんどん下へと落ちて行く。

そのまま確認出来ずに底まで辿り着いた。

 

 

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「彼に何をしたんですかみとり」

 

 

さとりの前に先程の少女が現れる。

 

 

「何ってこっちが聞きたいんだけど」

 

 

みとりと呼ばれた少女は不機嫌だった。

 

 

「死なない高さとはいえ、いきなり落とすなんてあんまりでしょう」

 

 

「一応、能力は同じ人間には使えないから暗示程度なのだけどね」

 

 

「それでもよ」

 

 

「第一、あの男を連れてきて言われたくないわ」

 

 

「あの男……彼に何か?」

 

 

「別に……」

 

 

「貴女の心を読むのを“禁止”されてて分からないのよ」

 

 

「今言ったように気にしなくていいわ」

 

 

「……一つ聞かせて」

 

 

「何?」

 

 

「彼の記憶を奪ったのは貴女?」

 

 

「奪ったって言い方は癪だけど。思い出す事を禁止はしているわ」

 

 

「どうして」

 

 

「……私が言うのはここまで。予想は付いてるけど彼が悪い」

 

 

「……記憶にないのだけどね」

 

 

みとりが関係していると言うことは彼が一度ここに来ていると言うことだ。

思い出せないし……何かするような人物とも思えない。

それでもみとりは絶対に地底から出ないから……そうなのだろう。

 

 

「……はあ、出来れば解除して欲しいのだけど」

 

 

「断るわ」

 

 

「……せめて会うだけでもしてくださいね」

 

 

そのまま地下へと向かおうとする。

その直後何かが隣を通り過ぎた。

 

 

「……え?」

 

 

「やっぱり、予想通りじゃない」

 

 

みとりは溜息を吐くのであった。

 

 

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「痛い……」

 

 

地の底へと強打する、大した高さは無かったがそれでも痛いものは痛い。

 

 

「さっきは何が……」

 

 

一瞬歩けなくなった気がする。足が棒のように動かなくなって……

 

 

「まるで記憶のように禁止されて……いやまさかな」

 

 

冗談だろと思いつつ周囲を見渡す、正直見辛い。

 

 

「懐中電灯とか有れば少しは変わったんだろうけどな」

 

 

当然そんなものは存在せず、暗闇を歩くしかない。

周囲の状況もわからない絶望的な状況だ。

 

 

「さとりさん……さとりさん何処ですか?」

 

 

もしかしたら降りて来ているんじゃないかと祈りながら歩き続ける。

何度も返答が無い中呼び続けたり、頭をぶつけたりしながらも探し続ける。

 

 

「さとりさー……ん?」

 

 

誰か居る?気配がするって言うか何か感じる。

 

 

「さとりさんですか?」

 

 

「……どうしました?」

 

 

「!?」

 

 

さとりさんの声がする。やっぱり来てくれていたんだ。

 

 

「さとりさん、どうしました?」

 

 

「いえ、問題無いです」

 

 

やっと見える位置まで来れた……少しぼやけているがさとりさんだ……

 

 

「出口が分からなくて……どっちが上ですか?」

 

 

「飛べばいいでしょう」

 

 

「飛べないですってば、兎に角どこかから行きましょう」

 

 

まあ……最悪出口が無ければさとりさんに運んでもらうか。

 

 

「ああ、少し待って下さい」

 

 

「何かありました?」

 

 

「少し足元が……退かしてもらってもいいですか?」

 

 

「足元……?」

 

 

少し大きな石がある。たださとりさんでも動かせそうだが……

もしかして怪我したか?

 

 

「本当に、大丈夫なんですか?足とか何もありません?」

 

 

「ええ、なので動かしてもらえればいいです」

 

 

「……分かりました」

 

 

なんだか違和感があるが、さとりさんを困らせてもだしな……

言われた通り動かす。

 

 

「これでいいですか?」

 

 

「ああいいよ、ありがとう」

 

 

「……ん?」

 

 

今さとりさんの声じゃなかった様な……?

 

 

「それじゃあさとりさん行きましょ……さとりさん!?」

 

 

さとりさんの身体が崩れて行く。

え?一体何が起こっているんだ?

唐突な事に呆気に取られる。

 

 

「いやあ、助かったよ人間。お陰でやっと出れた」

 

 

そこにいたのはさとりさんではなく、黒い服にまるで翼の様に赤と青の羽に似たものが生えた少女だった。

 

 

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to be continued

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