幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百六十六話 見知らぬ少女〜I miss you.

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「楽になったのは助かったが、改めてこれ凄いな」

 

 

妖怪の山を登りながらボソッと呟く。

文さんでは厳しいのだが、ぬえは何故か俺を運べるお陰で山を登らずにすんだ。

どうしてもこの山は苦労するし助かった……

 

 

「ほら、頂上ですよ」

 

 

「……何が起きているんだ?」

 

 

頂上に近い筈なのに声がする。

ここら辺には誰も近付かなかった筈なのに。

参拝客が居てマジで神社が建っている可能性がある?

 

 

「疑ってるわけではない……うーん」

 

 

真実だとは思っているが、見ないとと思う感情もある。

 

 

 

「着けば分かりますよ」

 

 

「そうですね……」

 

 

「何騒いでるんだよ」

 

 

ぬえが少しだけ不満そうにしているが気にしない。と言うか分からないだろうし……

考えても見ない限り意味が無いと考えながら頂上へと連れて行かれる。

 

 

「……え?」

 

 

確かに規模が大きいとは聞いていた……けどここまでか?

博麗神社以上な気も……いや、やめておこう。

 

 

「凄いですよね」

 

 

「……神様、どんな神様を祀ってるんですかね?」

 

 

「そこはまだ分かりませんね……私達も警戒してるので」

 

 

「警戒ですか?」

 

 

「ええ、妖怪達も何が起きてるか分かってないので」

 

 

「分かってない?」

 

 

「今回、天魔様が独自に決めたようで……皆も周囲までは来ますが神社へと入り込みません。一応妖怪でもありますし」

 

 

「……だからさっき声が」

 

 

参拝客じゃなくて周囲を見張ってた者達か……

 

 

「だったら私達も来た意味無いんじゃないの?私だって妖怪だぞ?」

 

 

「だって、用があるの小野寺さんにでしたし」

 

 

「おいおいおい、あんまりじゃ無いか」

 

 

「そもそも誰ですかってレベルですしね」

 

 

こちらを見るが……答え辛い。

 

 

「まあいいです。小野寺さん行きましょうか」

 

 

「俺行っていいんですかね?」

 

 

「むしろ小野寺さんの力が必要なんですけどね」

 

 

「……怖いからこそって利用されても」

 

 

「それだけじゃないんですよね」

 

 

「まだ何か?」

 

 

「人間がいるらしいです」

 

 

「……え?」

 

 

いや……妖怪の山だよな?

 

 

「正直、天魔様の考えが読めません。何故人間が、神がいるのか」

 

 

「……神様も居たのか」

 

 

幻想郷では良くあるのかもしれないけど……まさか神様自体も居たのか。

 

 

「頼みました」

 

 

「え?俺一人?」

 

 

「流石に行きますよ」

 

 

「良かった」

 

 

神社の中に入って行く。何故かそこは懐かしい気がした……

 

 

「あっ参拝客の方ですか?」

 

 

緑髪の女性……確かに人間っぽいな……

しかし何故妖怪の山に?

 

 

「え?」

 

 

「……どうしました?」

 

 

いきなり驚いた表情を見せる。

一体何が……?

 

 

「小野寺……君?」

 

 

「……え?」

 

 

何故ここで呼ばれた?

何も分からなかった。

 

 

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「小野寺君!やっぱり小野寺君ですよね!」

 

 

「えっと……」

 

 

正直理解が出来ずに戸惑う。

目の前の少女は一体?

 

 

「忘れてしまったのですか?」

 

 

「いや……」

 

 

思い出そうとすると頭が痛い……

一体……本当に何が?

 

 

「早苗です。東風谷早苗です。覚えないですか?」

 

 

「……ごめん。恐らくは一部記憶が欠けてるんだ」

 

 

確かに初めて会った気はしないし時折見たあの子に似ている気がする……ただ詳しくは思い出せない。

 

 

「そうですか……それは現状はなんとも言えませんね……」

 

 

親身になって話を聞いてくれる。

妖怪の山を拠点にするくらいだし、それも罠かとも考えるが何故か信じたくなる。

 

 

「とりあえずはまだ私達は幻想郷の事すら分かっていませんし、今すぐにとは言いませんが……」

 

 

「それでも有難いです」

 

 

正直、仲間が増えるだけでも有難い。

あまり良いものでは無いと言われたが……諦めきれない。

 

 

「それで、今回は守矢神社に何の御用ですか?」

 

 

「それは、なんで急にこの神社が建ったかですね」

 

 

文さんが話に割り込んでくる。

元々そう言う予定だったしな。

 

 

「本来であれば貴女達の仲も気になりますが……今はそれどころではありませんので」

 

 

「神社が建った理由ですか……」

 

 

早苗と名乗った少女は少し悩みながら……

 

 

「すみません、神奈子様に聞いてもらっても良いですか?」

 

 

「それは構いませんが、聞いていないので?」

 

 

「ええ。幻想郷に行くとだけ聞きましたので」

 

 

「それで良いんですね……」

 

 

「早苗は良い子だからね。理由なんて聞かないのさ」

 

 

「あっ神奈子様」

 

 

鳥居の奥から誰かが出て来る。

一見すると年上の女性に見えたが……威厳というか威圧と言うか……人間離れした何かを感じた。

麓の神様達とは違う、この感じもまた神様なのだろうと。

 

 

「ふむ、妖怪と……懐かしい少年が居たものだ」

 

 

「……」

 

 

そしてやはり知られていると、正直分からなくなって来た。

 

 

「神奈子様、小野寺君は記憶喪失だそうです」

 

 

「おや……そうだったか。済まないねえ」

 

 

「いえ……大丈夫です」

 

 

「しかしそうか、記憶がなかったからしてなかったのか」

 

 

「?」

 

 

「いつも通り再会のキスの一つでもしてると思ったんだがね」

 

 

「!?」

 

 

なんて事をしてるんだ俺……

そんな羨ましい?いや訳の分からない?……兎に角そんな事してたのか?

 

 

「神奈子様……そんな」

 

 

「なんで早苗の方が先にテンパっちまうのさ面白く無いねえ」

 

 

「???」

 

 

なんかもう分からなくなって来た。

 

 

「あの時のアンタは叩けば伸びるようなタイプだったんだけどねえ……こりゃなんかあったようだね」

 

 

完全に置いてかれています。はい。

 

 

「結局今のは?」

 

 

「冗談だけど?」

 

 

「……大丈夫です早苗さん?」

 

 

「はい、なんとか……」

 

 

この神様もまた……自由奔放だなあ。

 

 

「ってラブコメは良いんですよ。八坂神奈子さん。何故妖怪の山に神社が?」

 

 

「ああ、そう言えばそう言う話だったね」

 

 

「答えてください」

 

 

「嫌だと言ったら?」

 

 

「は?」

 

 

「ここのトップと話は付いてるよ。だから言う必要はないね」

 

 

「それで納得しろとでも?」

 

 

「するしか無いだろう?」

 

 

「うぐぐ……」

 

 

答えられずに悔しい顔をしている。

ただ、トップがって言われれば逆らえないよなあ……

 

 

「でしたら独自に調べるまでです。小野寺さんも」

 

 

「いえ……こっちばっかり気にかけていられません」

 

 

向こうが手遅れになってしまっては困る。

明らかに復活させてはならなそうなのに。

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

「異変が、起きてまして」

 

 

「異変?」

 

 

「放っておくと大変な事ですよ。ちなみに妖怪の山に唐突に生えた貴女達も異変ですからね?」

 

 

「放っておくと大変ねえ……」

 

 

神奈子……様?は少し悩んだ後。

 

 

「よし早苗、手伝って来な」

 

 

「え?良いんですか?」

 

 

「ああ。私達は新参だし少しでも良い印象持って貰って信仰集めたいからねえ」

 

 

「なるほど、分かりました!」

 

 

本当にさっきから置いて行かれている気がする。

それに手伝って貰えるのは有難いが……

 

 

「申し訳ないけど、普通の人間が異変解決は無理だし危険だ。俺だって出来ないし」

 

 

ただの少女であろう彼女を巻き込むのは危険だと思った。

しかし彼女は……

 

 

「大丈夫です、なんたって私もただの最強の人間ですから」

 

 

と記憶には無いいつものように、覚えてない筈なのに……

その言葉に納得して安堵したのだった。

 

 

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to be continued

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