幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百六十七話 邪魔をする者〜strict and friendly.

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「博麗神社の裏の洞窟ですか……」

 

 

勿論そんな物があった事は知らない。

更に山といった以上は広いだろうし……

ただ文さんがここで嘘を吐く意味は無いしなあ……

 

 

「はい。そこに魔界へ行ける方法があります」

 

 

「凄い行きたくない」

 

 

ぬえは否定気味だが、行くしか残されていない。

 

 

「そうは言っても他に方法はないんだろ?」

 

 

「でもさーでもさー……巫女怖くない?」

 

 

「あのー……私も巫女なのですが……」

 

 

早苗さんが悲しそうな顔で告げる。

 

 

「でも、博麗の巫女じゃないじゃん」

 

 

「博麗の巫女ってそれ程なんですか……?」

 

 

「妖怪退治の巫女。妖怪にとっちゃこれ程に怖い相手はいないね……今の巫女は知らないけど」

 

 

「ぬえの時代にも居たのか……?」

 

 

「さあね。私は幻想郷出身じゃないし。ただ幻想郷に流れ着いた時にはもう居たよ。おっかないのが」

 

 

「おっかないって……まあ確かに分からなくもないような」

 

 

「それじゃあ幻想郷で信仰を得るには難しいんですかね……」

 

 

「いや、そうでもないですね」

 

 

「射命丸さん……でしたっけ?どう言う事ですか?」

 

 

「博麗神社は信仰をそこまで集めていませんので」

 

 

「……え?」

 

 

「……そう言われるとそうですね」

 

 

明らかに信仰を集めて無いってのは見て分かる。

と言うか……それ程に由緒ある神社なのに何故か人が居なかったな……

 

 

「人間ですら少ないのに、妖怪なんてもっての外ですし」

 

 

「ああ……退治の対象ですもんね」

 

 

「えっと……それじゃあ妖怪の信仰を集めれば良いのでしょうか?」

 

 

「妖怪の山ですし十分にありかと」

 

 

「分かりました。後で神奈子様に相談します」

 

 

「そうしてくださいな。こちらとしましても山に建った以上は妖怪に都合が良い方がいいので」

 

 

「はい!」

 

 

「んじゃ、後は元気がいい奴らに……」

 

 

「逃がさんよ」

 

 

「やる気がー……」

 

 

文さんと別れつつ、テンションが下がるぬえを引っ張りながら博麗神社へと向かった……のだが。

 

 

「封獣ぬえか……ムラサが言っていた」

 

 

「ナズーリンさん?」

 

 

「おや?私を知っているのかい?」

 

 

「通してください」

 

 

「悪いがそれは出来ないね。ご主人が目覚めたんだ」

 

 

「それは良かったですね……」

 

 

一体……どう言う理由なんだ?

 

 

「……それでご主人とムラサが言うには封獣ぬえを通すなと」

 

 

「……ぬえじゃないよー」

 

 

「残念だが特徴も聞いてるんだ」

 

 

「そんなー」

 

 

「……」

 

 

正直ナズーリンさんがあの船と関わりあるなんて予想外なんだが……

どうするべきか……戦闘を出来れば避けたいし逃げるのはもっと避けたい。

 

 

「さて、勝たせてもらおうか」

 

 

ナズーリンさんがスペカを用意する。

まずい、こちらもスペカを用意しないと……

 

 

「あれって地下の小娘が持ってた奴か?」

 

 

「こいしさんの事ならそうですが……」

 

 

「結局あれって何だったんだ?」

 

 

「さっき話した気がするんですが……」

 

 

「まああまり必要そうに思わなかったしな……」

 

 

「いや……絶対必要だと思いますが……」

 

 

「そうなんです?」

 

 

「……そう言えば早苗さんはそりゃ知らないですよね」

 

 

……文さんに残ってもらうべきだったなあ。

 

 

「スペカバトルが出来ないだと?」

 

 

「なんというかそうですねはい……」

 

 

この場合ってどうすればいいんだろうな……

 

 

「……仕方ない。教えよう」

 

 

「いいんですか?」

 

 

「いいも何も……スペカが使えなければどうしようもないだろう……」

 

 

「確かにそうですね……」

 

 

この世界はあらゆる物事をスペカ勝負で決めてた筈だし……覚えなきゃダメな事は事実か……

 

 

「私も時間がないんだ……すぐに覚えてくれよ」

 

 

「えー」

 

 

「えーじゃない、本来であればお前にまでは教えたくないんだからな」

 

 

「分かったっての」

 

 

ぬえも渋々従う。

しかし……本当にこれでいいんだろうか?

 

 

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「つまりはこう言うわけだ。分かったか?」

 

 

「まあ一応ね。なんで人間が作ったこんな面倒な事に従わなきゃならないんだか」

 

 

「必要だからだよ。全く大妖怪言う癖に常識は無いんだな」

 

 

「獣が吠えるな」

 

 

「教えてもらったろうに……」

 

 

「うっさい、私は天才だから元から心配なかったんだよ」

 

 

「……早苗さんは?」

 

 

「無視するなー!」

 

 

後ろから何か聞こえるが気にしない。

 

 

「そうですね……私らしいスペカは出来たと思います」

 

 

「それなら良かったですが」

 

 

「これで、幻想郷でもなんとかやっていけそうです。ありがとうございました!」

 

 

「ああ。そう言ってくれるなら嬉しい限りさ」

 

 

「それじゃあ、この御恩はいつか返しますので今度守矢神社に寄ってください」

 

 

「何処だい?」

 

 

「妖怪の山の頂上です。すぐには来れないでしょうけど、いずれは舗装とかしますので」

 

 

「そっか、楽しみにしてるよ」

 

 

「ええ、楽しみにしてください」

 

 

そのまま前を通り過ぎて行く……あれ?

……いいのだろうか?まあいいか。

 

 

「ふーん」

 

 

ぬえも察したようで着いてくる。

そのまま通り抜けていった。

 

 

「中々教え甲斐のある子だったな……ぬえは正直教えたくなかったが……覚える気があっただけまだマシか」

 

 

これで安心してスペカ勝負を……

 

 

「……ん?」

 

 

後ろを振り向く。既に彼らはいない。

 

 

「やられた……」

 

 

教えるだけ教えて逃げられた最悪なパターンだ。

後悔しつつ追えるだけ追う事に決めたのだった。

一行は博麗神社へとどんどん進む。

 

 

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to be continued

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