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「失礼します」
香霖堂へと入る。
その途端怒声が聞こえて来る。
「あり得なくねえか!おう聞いてんのか!?」
「やれやれ……相変わらず君は無茶振りしかしないな」
どうやら揉めているのか?
「あの……」
「魔理沙、お客様だ。帰ってくれ」
「これで帰れるかっての」
「何があったんです?」
「あん?まあいいかちょっとトラブルがあったんだよ」
「トラブル?」
「魔導書を仕入れていなかっただけだ」
「ほんとにさ……頼んだじゃないか」
「……それはちゃんと代金を払ってからにしてくれないか?」
「だって借りてるだけだしな」
「……だから用意してないんだ」
「なんでだよ!」
「誰も買いもしないものを仕入れたって仕方ないだろう?」
「ぐぬぬ……」
どうしよう……どう見ても霖之助さんが正しいようにしか見えない。
「なっ分かるだろ?」
「……答えかねます」
「それが賢明だろうね。さてお客様何か御用は?」
「ああすみません。魔理沙さんに用があってきました」
「私か?」
「邪魔なら奥に行くが?」
「いや、霖之助さんも居ていただいて大丈夫です。むしろ居ていただいた方がいいかもしれないですし」
「そうかい。それなら了解だ」
「で?何の用だ?」
「力を貸して欲しくてお願いに来ました」
「何かあったか?」
「異変が起きまして」
「……それは私よりも霊夢に頼んだ方がいいと思うが」
「それで問題が起きたんです」
「問題だと?」
「……少しいいかい?その前に異変が起きてるなんて初耳なんだが?」
霖之助さんが口を挟む。
そういえば今回の異変は神社はともかく船の方も目撃情報が無いな。
「今、異変が二つ起きています」
「二つ……あり得るのかい?」
「実際に起きているんです」
「信じ難いが……霊夢が片方に向かって対処し切れないと言うことか?」
「そうでは無いんです」
「だったらなんだ?」
「解決して欲しい異変と違う異変に向かいまして……」
「んー?話が読めないぞ?」
「異変って言われている片方が私達なんです」
早苗さんが説明を始める。
「ん?あんた誰だ?いやこの男も誰だか分からないけど」
「東風谷早苗と申します。妖怪の山の頂上の守矢神社の風祝です」
「あそこの頂上……?人が住める場所じゃ無いだろ」
「それが何故か許されたらしくて……幻想入りして今そこに住んでいます」
「それだけか?」
「それだけです」
「何かしたりとかは?」
「何をしろって言うんですか?そもそも幻想郷に来たばかりで異変とかも理解して無いです」
「本当にこれ異変……異変ではあるか……でも……あー」
魔理沙さんも理解してくれたようだ。
「あの馬鹿……さっきの言い方的にもう一つの異変は不味いんだよな?」
「はい。魔界に封印された人間を復活させようとしています」
「魔界に……?」
「何したか分かってはいませんが、魔界に封じられる程の人間って事は」
「不味いな……了解した。ならそれを解決すればいいか?」
「いえ、霊夢さんを止めてもらってもいいでしょうか?」
「なんでだ?危険なんだろ?」
「だからこそ霊夢さんの力も借りたいですし……何より無害であろう守矢の皆さんのピンチですし」
「ん?お前は守矢の人間じゃ無いのか?」
「違いますね。縁あって手伝う事になりましたが」
「ふーん。まあそこを気にしても仕方ないか……で、霊夢と戦えか」
「やっぱり厳しいですか?」
「何というか……やる気も出ないのもある」
「え?」
「異変解決ならまあ仕方ないかとは思うが。一応異変を解決しようとしてる霊夢に歯向かうのもなあ……」
「そこをなんとか」
「うーん」
「えーおほん」
霖之助さんが咳払いをする。
「大丈夫ですか?」
「君、注文でよかったね?」
「え?何を……」
「魔導書の注文承ったよ」
「え……?」
魔導書なんて買っても読めない……あー理解した。
「注文お願いしてもいいですか」
「ああ了解した。良かったじゃないか魔理沙。魔導書がこの店に入るようだ」
「本当か!?」
「さあね。彼が注文を続けるならだが」
「何が望みだ?」
目を輝かせながら尋ねてくる。
「先程のお願いを……助けて欲しいですね」
「成程了解!霊夢をボコボコにすればいいんだろ?」
「そこまでしろとは言いませんが……」
「大丈夫大丈夫、普段の鬱憤を晴らしたいのもあるしな」
ああ……仲良いとは思ったけど因縁もやっぱあるのね。
「さて、良かったでいいかな?」
「霖之助さんありがとうございました」
「いや。この程度で役に立てたならこちらとしても嬉しい限りだ」
そのまま魔理沙さんを連れて妖怪の山へと向かう。
間に合ったかは分からない。ただ出来るだけ早く呼べたから何とかなって欲しい。そう思うばかりだった。
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to be continued