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「小野寺君ちょっといいかし……」
アリスさんが部屋にやって来たかと思うと言葉を失う。
そのまま隣の幽霊を睨みつけた。
「なんのつもり?」
「あ?何がだい?」
「あんたが魔界に来るって何があったのよ」
「知り合いですか?」
「ええ。だけどこんな悪霊の事を覚えなくていいわ」
「酷い酷い。酷過ぎて泣いちゃうよ?」
「勝手に泣けばいいわ。魔界でまた何かする気?」
「何かって……ああ、あんたが小さい頃に虐めた時の様な事かい?」
「……犠牲」
「ちょっと待ったアリスさん!?」
部屋の中でスペカを使おうとしたのを慌てて止める。
しかも多分これやばい奴だし……
「止めないで小野寺君。今始末しないとロクな事にならないから」
「だからって建物内でスペカはまずいですって」
「だったら外に出ればいいかい?」
「……好きにしてください」
なんでスペカ打たれかけた側がそんな事言ってるんだ?
「なんか冷めちゃったねえ。まあいいさ敵対しに来たわけじゃないよ」
「ふん、どーだか」
「魔理沙に頼まれたわけだし流石にしっかりとやるさ」
「魔理沙さんに?」
「ああ。さっき頼まれたのさ」
魔理沙さん、そこまで気にしてくれていたのか。
「ってわけで分かったかいアリスちゃん」
「うぐぐぐ……」
凄く悔しそうな顔で見ている……
確かにいじめっ子を好きになるケースなんてほぼないしなあ。
「えっと魅魔さんでしたっけ?」
「そうだね。で、どうするんだい?」
「流石にアリスさんが嫌がると言うなら……」
「でも人手が足りないんだろう?」
「……」
「さっきまでそう言う話していたじゃないか。どうしても足りないから探していたんだろう?」
「……ですね」
これから起こる事が分かっていない。不安でしかない。
だからこそ彼女達二人だけよりも多ければ多い程良いと思っているしな……
「だったら分かっているだろう?」
「……アリスさん」
「はいはい。分かったわよ」
本当に申し訳無いな……出来れば頼りたく無いだろうに……
絶対に失敗したく無いのも事実だしな。
「それじゃ決まりって事だねえ」
「一ついいかしら?」
「なんだい?」
「何が目的?」
「目的ねえ」
「それが分からない以上協力したく無いのだけど」
「簡単な話だよ」
「簡単な話?」
「楽しそうだから。分かりやすいだろう?」
「……」
思った以上に破天荒な人……いや幽霊だなと感じるばかりだった。
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「さて、それじゃあアリスちゃんの話を聞きましょうかねえ」
「何の話よ?」
「これからどうするのかって話だねえ。まさかアレだけ言って何も考えて無いとは言わせないけど」
「勿論と言っても現状状況が読めてないのよね」
「なんだいそりゃ。それでどうにかするって気だったのかい?」
「あの人に会いに行くわ」
「あの人って?」
「神綺。魔界の創造主よ」
「……ああ。前に会った事あるねえ」
「あんたの場合は塩撒いて追い出されそうだけどね」
「私の場合成仏しそうだから辞めて欲しいんだけど」
「いいじゃないの」
また喧嘩が始まってしまった……
「とにかく、神綺さんに会いに行けばいいんですね」
「封印された人間。その存在を間違い無く知ってるでしょうし」
「そうですね。確かにその方がいいかもしれません」
少しでも情報を得れるならいいし。何より場所を分かっていないからな。
「あんたもそれでいいでしょ?」
「それは構わないけどさ」
「何よ?」
「そいつはどうするんだい?」
そう言って俺の方を……え?俺?
「どうするって……?俺をですか?」
「ああ。まさか連れて行くのかい?」
「……そうね。確かに連れて行くのか悩ましいところね」
「え?ダメなんです?」
「さっきまでの話を聞いてた?」
「聞いていましたが……無茶をしない程度には何かをしたいです」
何が出来るか分からなくても、夢の様に何もしないせいでとか嫌だから。
「……分かったわよ。一応あの人に連れて来いと言われてたし」
「え?連れて来いって?」
なんで俺の事知られているんだ?
流石に全てを見通してるとかじゃ無さそう……無いよな?自信無くなってきた。
「ほーへーふーん」
「どうしました魅魔さん?」
「いや。彼女も親なんだなと思ってねえ」
「親?言ってる意味が分かりませんが」
「そこの嬢ちゃんがよく分かってるよ」
呼び方色々変わってる気がするが……
アリスさんなら分かるのか。
「アリスさんどう言う事です?」
「……何でもない」
「え?」
「何でもないわ」
「……分かりました」
深く聞かない方がいいらしい。やめておくとしよう。
「それじゃ向かうとしましょうかねえ」
「あんたは追い出されても知らないわよ」
「えー助けておくれよ」
「そのまま成仏出来る様に祈っているわ」
ほんと仲悪いな……どうにかなってくれるよう祈るばかりだ。
神綺さんのとこで少しはマシになります様に。
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to be continued