幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

180 / 238
百七十八話 魔界の主〜doting parent.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「まさかすぐに戻ってくる事になるとは思わなかったわ」

 

 

「別にいいでしょ。さあ行きましょ行きましょ」

 

 

館に辿り着いたが、魅魔さんが先陣を切って行ってしまった……早いな。

 

 

「私達も行きましょうか」

 

 

「そうですね……」

 

 

紅魔館すらも上回る巨大な館に気後れする。

流石は創造主と言ったところだなとしか言いようがない。

 

 

「別に取って食ったりはしないわよ」

 

 

「それはそうですが……なんか無事に済まなそうで……」

 

 

「大丈夫何も起きない……」

 

 

アリスさんが話している最中に館内の方で爆発が起きる。

……え?何があったんだ?

 

 

「……起きたわね」

 

 

「向かいましょう!!」

 

 

流石に爆発が起きてのんびりはしてられないと慌てて駆け込む。

玄関に入ると既にそこで戦闘が始まっていた。

 

 

「お客様にあんまりじゃないかい?」

 

 

「不届き者は摘み出すだけです」

 

 

魅魔さんと金髪のメイドさんが戦っている。

これは……魅魔さんがいきなり何かやらかしたのか?

 

 

「……あー」

 

 

「アリスさん何か分かったんですか?」

 

 

「分かったけど……止められるかしら?」

 

 

「止めなきゃまずいのでは?」

 

 

「そうね……夢子」

 

 

「アリス様帰って来ていたのですね。待っていて下さい」

 

 

様?アリスさん一体何が……?

 

 

「残念だけど待つのは貴女なの夢子。非常に気に入らないけどそいつはお客様よ」

 

 

「は?」

 

 

「抑えて。分かるけどさ」

 

 

「幾らアリス様でもその冗談は笑えませんが?」

 

 

「冗談じゃないってことさ」

 

 

「……過去にやらかした事をお忘れですか?」

 

 

「なんのことだい?私はやらかした記憶はないんだけど」

 

 

「……やっぱりコイツを」

 

 

「ダメよ」

 

 

「……」

 

 

「分かるわ。分かるけどダメなの」

 

 

「……っち。お通り下さい」

 

 

今このメイドさん舌打ちした!?

 

 

「それじゃあ遠慮なく通してもらおうかねえ」

 

 

「さっさと神綺様にやられて下さいな」

 

 

「くすっそうだといいねえ」

 

 

そう笑いながら魅魔さんは奥へと進んで行った。

 

 

「アリス様どう言うつもりですか?」

 

 

「緊急事態なのよ。アイツの手は借りたく無かったけど借りる必要が出来たレベルのね」

 

 

「数日前までここにいたのに……そこまでの事が唐突にですか?」

 

 

「ええ。彼から聞いたの」

 

 

「彼……」

 

 

確認するかの様に此方を向いてジロジロとしてくる。

いつも通り怪しまれているのか?

 

 

「ああ。神綺様が言っていたあの人でいいのでしょうか?」

 

 

「あんたが思ってるような関係じゃないわよ」

 

 

「?」

 

 

何を思っているんだろうか……?

まあ俺が気にする事でも無さそうか。

 

 

「本当ですか?」

 

 

「そもそも思い込みが激しいのよ」

 

 

「確かに……神綺様はそう言う所がありますね」

 

 

とりあえず理解した事は、メイドさんにまで裏切られたらしい。神綺様が可哀想だなとは思った。

 

 

「……アリスさん向かいましょうか。魅魔さんが先に突っ込んで行きましたし」

 

 

「いえ、今行くと巻き込まれるし……」

 

 

「巻き込まれる?」

 

 

その直後爆発が……また?

家の修理相当必要なんじゃ無いだろうか?

 

 

「そこ危ないわよ」

 

 

「え?」

 

 

家具が物凄い勢いで飛んでくる危な……

 

 

「気を付けてください」

 

 

「有難うございます」

 

 

メイドさんに助けられていた。

油断してたわけでは無いが一瞬で死にかけたな今。

 

 

「まあ気を付けるのはどっちかと言うとこの惨状を起こした二人でしょうけどね」

 

 

「二人とは?」

 

 

「一人はこれ」

 

 

アリスさんが言う方向を見ると魅魔さんが倒れている……いつの間に……

 

 

「もう一人は……」

 

 

「さてもう一度聞かせてもらえるかしら?なんでこの館に入って来たの?」

 

 

第一印象は小柄な少女。しかし威圧や殺意なの重圧に立ちくらみを起こしかける。

ほんと……幻想郷では人間が弱い立場なのも分かるがそれでも桁違いなの多過ぎだろ……

 

 

「全く……次勝手に館に入って来たら……あら?」

 

 

不思議そうな顔をしながら此方の方を見てくる。

何か用なのか?魅魔さんの様にはなりたく無いが……俺達も勝手に入った扱いになる?

 

 

「アリスちゃん帰って来てたのね。暫くは来ないと思ってたけど」

 

 

「……神綺さんお邪魔してます」

 

 

「もう神綺さんじゃ無いでしょ」

 

 

先程までの重圧が一気に消えた……変わり過ぎじゃあ?

 

 

「……まず神綺さん。魅魔を連れて来てごめんなさい」

 

 

「アリスちゃんだったの?虐められたりした?」

 

 

「いえ……今回協力する事になりまして」

 

 

「……もしかしてやらかした?」

 

 

「調子乗ってたしいいと思いますけど」

 

 

一方のアリスさんは余所余所しいと言うか距離を取っていると言うかそう言う風に見える。

 

 

「アリスちゃんが冷たいー」

 

 

「神綺様……客人の前ですよ?」

 

 

「え……客?アイツなんて塩撒いておけば」

 

 

「いえそっちでは無いです」

 

 

そのままメイドさんが俺を前に出す。

もしかしてこっち見てたけど気付いてなかった?

 

 

「……人間か、何用だ?」

 

 

「神綺さん……もう無駄だと思いますけど……」

 

 

アリスさんが溜息を吐いている。

ただ言いたいことは分かる。怖くもあるが怖く無い部分も見えてしまった。

 

 

「……」

 

 

「神綺様、対応してあげて下さい」

 

 

「え?あっうん。君、何か用かしら?」

 

 

色々と諦めた様である。

 

 

「すみません。封印された人間についてここに来れば聞けるかもと話があって」

 

 

「アリスちゃんからかしら?」

 

 

「そうですね。魔界の創造主なら分かるだろうと」

 

 

「ふむふむ。アリスちゃん彼って何者なの?魔界に普通に来てるし」

 

 

「何って言われても……」

 

 

「神綺様。恐らく彼が前にアリス様が言っていた人間かと」

 

 

「あーーーーーー!!アリスちゃんが言ってたあの子ね!!」

 

 

「……そうだけど、改めて神綺さんが思ってるようなのじゃ無いわよ?」

 

 

「大丈夫よ。分かってるから」

 

 

「だったら少しは話を聞く気を見せて欲しいのだけど……」

 

 

「あの……俺はどうすれば?」

 

 

「いいのいいの。気にしないでね」

 

 

「えぇ……」

 

 

気になることだらけなのだが……これも全部放置しろと?

 

 

「神綺さんでよろしいでしょうか?」

 

 

「ええ。お姉ちゃんでもなんでも自由に呼んでね」

 

 

「……神綺さんで」

 

 

「えー」

 

 

創造主という割には本当にノリ軽いぞこの人!?

いや、その方がいいのか?危険は減るし。

 

 

「……そう言えばアリスさんとはどういう関係で?」

 

 

「え?アリスちゃんと?」

 

 

なんとか話題をずらす。気になってもいたしちょうどいいだろう。

 

 

「保護者に近いかしらね?お母さんって呼んでくれればいいのだけど」

 

 

「呼びません」

 

 

「ぶー」

 

 

仲が良いのか悪いのか……多分良いんだろうな。

 

 

「じゃあ此方からも」

 

 

「これ以上巫山戯なくていいからね?」

 

 

「分かってるわよ。後で聞くけど」

 

 

「……何もないからね?」

 

 

だから何が……後で聞いてくるならいいか。

 

 

「困ってるからこの館へと来たのだろうけど。何も聞かないとどうしようもないわ。聞かせてね」

 

 

どうしよう……今まで相対した人達の中ではかなり安心出来ると……そんな気がした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

to be continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。