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「ねえマイー、今音しなかった?」
ナズーリンとの戦闘が始まったのを聞き取っていたものたちがいた。
「音くらい、するものでしょ」
「えー、でも気になるんじゃ無い?」
「一々気にしてる時間は無いでしょ?」
「それはそうだけどさあ……」
他のメンバーは気にしてはいない事をユキだけは異様に気にしていた。
「今は優先すべきことが……すみませんがお願いします」
「分かったよお……」
ユキは渋々納得しようとするが……
「また……爆発音じゃない?」
「どうだろうなあ、流石に誰かいるのは分かるけど……さっきまで居た場所な上船の音じゃないしなあ」
「ちょっと見てくる!!」
「ちょっとユキ!?」
マイの言葉も聞かずに走り去って行く。
「急いで追いませんと」
「……いい」
「ユキさん……?」
「このまま行く」
「それで大丈夫なんですか?」
「……足手まといが消えたから」
「足手まといって……」
「実際そうでしょ?言ったところで話を聞かないし」
「……」
どうしよう、この場で消えてしまった以上は否定は出来ない。
「早苗、気にしないで行こうぜ」
「分かりました……」
時間がない上にぬえさんの後押しもあり渋々従う事にした。
せめてユキさんの無事を祈りながら。
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「……少しはマシになって来たが」
魅魔さんが少し空から探索すると言って離れていった。
そのため動くに動けず現在岩にもたれて休んでいる。
「こっちを気遣ってくれたかな……」
アリスさんと夢子さんは神綺さんの近くにいるようだ。
多分近くには居るだろうけど。
「さて、準備しないとな」
そろそろ帰ってくるだろうしと。
立ち上がり軽くストレッチをする。
これ以上奥に入れば更にキツいだろうし気の持ちようだ。
「ははーん。今準備って言ったね」
「え?」
目の前を見る、あれ?この姿は?
「魔理沙さん?いつの間に魔界へ?」
「ふむふむ。そこの人間!」
「え?なんですか?」
てっきり魅魔さんだけじゃなくて助けに来てくれたのかと思っていたが……
なんだか様子がおかしい。
「やーっと見つけた!」
「えっと……有難うございます?」
しかし魔理沙さんじゃなければ誰だと言うんだ……?
いや、変に考えても混乱するだけだ。
「それじゃ終わらせちゃおうか」
「終わらせってえ?」
突如弾幕を放ってくる。
流石に対処出来ない……それどころか何が起きてるのかさえ理解出来ない……
「当たっ……」
至近距離の弾幕を避け切れるはずもない……そう思っていた。
「……あれ?」
「大丈夫ですか?」
「はい……大丈夫です」
アリスさん、神綺さん達どころか魅魔さんですらない……
誰なんだこの人?
「弱いものイジメはいけませんよ」
茶色に紫混じりな髪に白黒の服を来た女性だ。
……服の色だけ見ると二人とも似てるな。
「なんだ?そいつの仲間か?」
「仲間ではありませんが……弱い者の味方ですよ」
「なにをー!お前が封印を解きに来た奴か?」
封印を解きに来た?いやそれは違うが。
まさかこの魔理沙さんに似てる人は危惧したフリをして変装して封印を解きに来たのか?
「仕方ありませんね……力を使うのは避けたかったのですが」
「纏めてやってやるー」
先程以上に広範囲の弾幕を放ってくる。
避けるのは到底不可能だが……
「南無三」
弾幕の中を通り抜けて敵へと近づき掌底を決めた。
あれ……?弾幕勝負?
「ぐわー。そんなのありなの?」
「いじめっ子にはいい仕置です」
「ちくしょー覚えてろよー!」
そう言って負け惜しみを放ちながら……
「神綺様に言いつけてやるからなー」
「え?」
逃げて行った少女が最後に放った言葉に驚く。
慌てて追いかけ……られるわけもない。
「もしかして神綺さんの関係者?」
「どうかしましたか?」
「いや……大丈夫です。助けていただき有難うございました」
見知らぬ女性にお礼を言う。
もしかしてさっき話していたユキさんだかマイさんだかだろうか?
「いえいえ、困っている人がいれば助けるのは当然です」
「それが本当に出来る人は珍しいと思うんですけどね……」
「そうかもしれませんね。ですが誰であれ助けられるものは助けるべきでしょう」
「はぁ……凄いですね」
流石にそこまで言い切る人は幻想郷内でもほぼいないだろう。
「しかしそうだと化け物とかでも対象ですか?」
「流石にその人のせいで他の多くの人に害になるとか言うならば残せませんが。罪もないなら魔族も人間も同じです」
「……成程」
本当に聖人と呼ばれるタイプの人なのだろうなと思わされる。
こう言う人だらけなら幻想郷も危険が減るのだろうか?
「そう言えば貴方は一人ですか?それならばあの子達に言って……」
「いえ、大丈夫です。皆で来てるので」
「分かりました。では貴方にご武運を」
彼女がそう言うと後ろから声がする。
焦ってアリスさん達が駆けて来た。
「小野寺君大丈夫!?」
「アリスさん」
「ごめんなさい遅れたわ。大丈夫だったの?」
「はい、なんとか」
「心配かけさせないでね。貴方が死ぬとアリスちゃんが……」
「誰のせいで気付くの遅れたと思ってるの?」
「……ごめんなさい」
「いや、自分も助けてもらったわけでして……」
「え?何処にいるのかしら?」
「恐らくマイさんかユキさんに……」
後ろを向くが先程の人が居なくなっている。
いつの間に消えたんだろうか?
「あらあの二人が?何処に行ったのかしら?」
「神綺様!?ここですよ!!」
そうするとさっきの黒服の少女が……え?
「あらユキ。マイは?」
「マイは待たせているので今行きましょう……ってああああああ!!」
「どっどうしたのよ」
「神綺様!そいつですそいつが封印から出てきて」
「……は?」
「……」
「あっあのまさか神綺様……?」
「もしかしてだけどユキ。まさか貴女……」
「ごめんなさいいいいいいい」
その後叱られながらマイさん達の方向へと向かった。
そこにもおらずにまた叱られていた。
「急いで合流しないとね」
「……そうですね」
「小野寺君どうしたの?」
「いえ……」
無事にユキさんと合流出来たと思いつつ一つの疑問が残った。
さっきの人は本当に誰だったんだ?
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to be continued