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「流石に簡単にはいかないか」
こちらの五人と対等に戦っている姿を見て驚かされる。
本当にこれで万全じゃないのか?
「ちょっと神様。なんてものを封じてるんだい?」
「私だって知らないわよ」
法界にここまでの人間が封じられているだなんて思ってもいなかった。
千年も前にこのような人間が居たのか……しかも寿命などで死なずに。
「普通千年も生きてたら気にするもんだと思うけどねえ」
「口動かす暇あったら戦いなさい」
「分かってるっての」
「おっと、そうはさせない」
さっきまで満身創痍だったムラサも復帰して来る。
魅魔さんが慌てて対応したが、更に厳しい状況となった。
「夢子、まだ行ける?」
「大丈夫ですが……決め手に欠けます」
「そうなのよね……」
人間を逸脱したようなその能力はこちらのスペカを全部捌いて来る。
「ほんっと面倒。こうなるならゆっくり話し合いで解決した方が楽だわ」
「話し合い?」
その言葉に相手は手を止める。
「え?通じるの?」
「通じると言うか……こちらとしても聞きたいことがありましたので」
「聞きたいことねえ」
「どうして妖怪がこんな事をしてるのですか?」
「妖怪?私は神だけど?」
その質問にあっさりと返す。
「私も妖怪と言うよりは亡霊かねえ」
魅魔さんの扱いは困るかもしれない……
ただ魅魔さんが妖怪じゃないとなると……
「私は神綺様に作られた魔界人です」
「えっと……私が魔法使いで」
「私が巫女で……あれ?妖怪なんて居なくないですか?」
正確には妖怪はぬえがいるが、今は居ないしなあ……
「魔法使いに人間は仕方ないとは言え、貴女達は妖怪でしょう?」
「はぁ?何言ってるのよ。私は神よ神」
魅魔さんは気にしていなそうだが、神綺さんが猛反発する。
妖怪扱いされるのがそこまで嫌だったのか。
「神と妖怪、どこが違うんですか?」
「神と妖怪……?」
遠くで聞いていた自分の耳にも入る。
だが何を言っているのかを理解出来ていない。何が同じなんだ……?
「逆に何処が同じだと思ったのよ」
「差があるとでも?」
「当然でしょ。例えばここを作った神様が、ここの妖怪達と同じだと言いたいわけ?」
「それは絶対におかしいです」
早苗さんも乱入して来る。
確かに上司の神様達の対応を見ればそう思える。
「違いませんよ。逆に何が違うんですか?」
「何処が一緒よ。妖怪は人間を餌にするのもいるし、妖怪と人間の役目も違うわ」
「役目や食糧って全部の妖怪がってわけでは無いですよね」
「……少なくとも人間は妖怪や人間を全く食べないと思うけどね」
「……どうしても分かり合えませんか」
「むしろ妖怪以上にそこまでして妖怪を庇うアンタの方が危険にしか思えないけどね」
「……聖は私達だって助けてくれたんだ!お前らには分からないだろうな!!」
「分かるつもりは無いわ。貴女のせいで危険に及ぶ人間は多そうだもの」
「大丈夫です。私は全てを救いますから」
「全て同じと言いながら神みたいな振る舞いをするのね。結局貴女が傲慢なだけじゃ無い」
「やはり対話は不可能か。誠に愚かで自分勝手な者達め」
喚く超人は力を解放する。
力が数段上がっているような……まずい。
「全員伏せてください!!」
「南無三!!」
先程の神綺さんのように周囲を覆い尽くすほどの弾幕が散りばめられる。
いや……これは避けれるほどじゃ無いし弾幕と言うにはとても横暴だった……
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「痛い……」
全身を打ったような痛みで目を覚ます。気絶していたのか……
「目が覚めましたか」
「っ!?」
先程の超人、それに幽霊がいる。
捕らえられては……いないな。
「先程ぶりと言うべきでしょうか?」
「そのまま放置とは随分と余裕なようで……」
「ええ、だって貴方は敵じゃ無いでしょ?」
「え……?」
「先程襲われていたと言うのに……また捕まるのは流石に恥じた方がいいですけど」
「んー?」
もしかして、俺捕まってたと勘違いされてる?
「だけども大丈夫です。今は完全復活しましたのでこの聖白蓮が保護しましょう」
「聖、でもそいつは……」
「ぬえって方と一緒にいたんですよね?だったら」
「むー、でもアイツは敵ですよ?」
「いいえ、味方ですよ」
「むー……」
「あの……」
「どうしました?」
「人間は敵じゃ無いんですか?」
「……いえ?人間は敵では無いですが?」
「……」
やっぱりこの人には違和感がある。
「……人間も妖怪も救う気ですか?」
「当然です。それが私の役目ですから」
「……それは人喰い妖怪とかでも?」
「先ほども言いましたよね?」
……やっぱそうなんだよな。
この人にとっては人間よりも妖怪の方が弱いとなっている。
それなら人喰い妖怪なんて存在しない筈なのに。
「先程も言いましたが……全てでは無いとは言え殆どの妖怪が人間よりも強いですよ?」
「それなら迫害されていない筈では?」
「今は……少なくとも幻想郷では全ての妖怪が迫害されているわけでは無いですよ」
「……私の封印を解くのを妨害して来たのに?」
「……それは俺が原因です」
「貴方が何か出来たとでも?」
「魔界に封印された人間……そうとだけ聞いていましたから。危険にしか思えませんでした」
こうなってしまった以上は今回もまたダメなんだろうなと自覚している。
だからこそ……次に繋げるために情報を集めなきゃいけない……楽に死ねればいいが。
「ああそうですか……確かにそうですね」
「聖、理解するんだ」
「ええ、だって普通に危険人物としか思えませんし」
「それでいいの聖?」
「大事なのはそこじゃありませんから」
「なら?」
「では貴方、私の事は今はどう思いますか?」
「……危険な人物です」
意識は変わらない。この人が幻想郷で何をするか予想がつくしそれはさせてはいけない。
だからこそ、言葉の真意を探すために一歩踏み込んだ。
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to be continued