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「どう見たって、状況悪くなったからにしか見えないけどねえ」
「それでもマシなんじゃ無いの?少なくともさっきよりは過激じゃないんだろ?」
予想通りと言えば予想通りだが、意見が割れている。
さっきまで敵だったし仕方が無いが、先陣を切っていたぬえさんが保護側に居るとは思わなかった。
「てっきりぬえは極刑だとか言い出しそうだと思ってたんだけどさ」
「んー?実際の話妖怪の味方が少ないのは事実だからな」
「それなら最初から私達の味方で良かったんじゃ無いの?」
「いや……お前達最初人間を解放しに行くしか言わなかったじゃん」
「そうだっけか、ちゃんと言うべきだったかなあ……でもあの時ぬえその子と一緒だったじゃん」
「あーまあねえ……あの時は拐ってたけど」
「……」
その事を初耳なアリスさんに睨まれる。
結局目の圧に屈して頭を下げた。
「あちゃーそれならぬえは味方だったか勿体ない」
「んー、あの時ならまだしも。結局ムラサ達の仲間にはならなかっただろうね」
「それはどうして?」
「コイツを通じて面白い人間も居る事知ったしな。人間を滅ぼすような妖怪まで庇護の対象だと言うなら流石に私も危険視する」
「へえ。封印されてずっと人間なんかーって言ってたのに少しの期間でこんな変わるなんてね」
「……ふん」
村紗さんが向こうで話し合っている一方。
「……」
聖さんはこちらでただニコニコとしている。
「あの……」
「どうしました?」
「あの時は邪魔者を排除する事で精一杯でしたが、今こうやって落ち着いて見てみると人間である小野寺さんが妖怪達や魔法使いと仲良くしてるなと」
「……それが何か?」
「この光景が、私達の目標ですからね」
「ああ」
そう言われるとそうか、妖怪により良い世界を作るために人間と妖怪が仲良い方がいいのか。
「幻想郷でもこんな感じですかね?」
「一部の妖怪はですが……多くの妖怪は住処を作って生きている感じです」
「そうですか。どんな妖怪がいるか楽しみですね」
「アリスさん達の森にも確か住んでましたよね?」
「居るわね。人食い妖怪は流石に居ないけどね」
「それは、仕方ありませんね」
「妖怪全てが人間と仲良くしたいと思っては居ないわ。友好的な妖怪は人里に居たりもするし強制されても困るのよね」
「……レミリアだとかは絶対嫌な顔するだろうな」
レミリアにさとりさんとか人間と関わりたく無いと分かる妖怪達も居る。
彼女達に仲良くしようって言おうとしたら聖さんでもキレられそうだ。
「レミリアさんですか?いつか会いに行きたいですね」
「あの……」
「どうしました小野寺さん」
「さっきから行ける前提で考えてますが……」
「うん?」
「不思議そうに見ていますが、一応その件で向こうとか特に揉めてますよ?」
「ああ。その事なら問題ありませんよ」
「……何処が?」
「小野寺さんは賛成と言ってくれたので」
「……一応警戒しながらではありますが」
「では賛成と。そうなるとそこのアリスさんや早苗さんも自動でokでしょう?」
「え?」
アリスさんの方を見る。凄い悩んだ顔をしている。
「アリスさん?」
「……そう言う事、反対し辛いわね」
「私も小野寺君が賛成だと反対って言う意味がないですし」
「……?」
「だって今回危険視したのは貴方でしょ?貴方が問題無い言うなら同じく警戒に留めるしか無いじゃない」
「……すみません」
「……彼女の言う通りの所もあるのよ」
「え?」
「森にいる妖怪。人間と仲良くしたい子もいるの……けど見た目が化け物だったりとかで出来なかったりも無くは無いわ」
「成程……」
確かに……そう言ったケースもゼロでは無いのか。
それなら彼女のような存在は必要なのか。
「納得しかけてるけど反対に決まってるでしょ」
神綺さんが反対する。そりゃそうか……
なんだかんだこの人が巻き込まれまくってるしな。
「あらあら」
「何笑ってるのよ」
「正直貴女は追い出す側だと思って居ましたが」
「アリスちゃんを危険な目に合わせるわけないでしょ」
ああ……そう言うことか。
神綺さん的には居る方が鬱陶しいだろうと思ったが、出したく無いわけだ。
「問題ないわ」
「アリスちゃん……?」
「霊夢達の判断も欲しいところだし、何より幻想郷の方がこれ以上の過剰戦力になるのよね……」
「でもアリスちゃん……」
「私は大丈夫だからもっと信じてちょうだい。何より彼女の言う通りな所もあるから」
「……分かったわ」
「有難う、母さん」
「ただし危険になったら言いなさいよ。魔界からでも行くから」
「ええ、その時は」
「……」
結局聖さんの言う通りに事が運んでいる。
まさかそう言う能力とかじゃ無いよな?
「違いますよ」
「え?」
今、心を読んだ?まさかさとりさん達と同じ?
「えっと……驚かれた顔をしていますが、心を読んだとかそう言ったのではありませんよ?」
「……では何故?」
「昔、多くの人々や妖怪に会っていたのでそう言った表情の機微が人より読めるだけです」
「……」
それって実質さとり妖怪みたいなものでは?
「先程までは頭にきててそんな暇はありませんでしたが、今落ち着くと皆様読みやすいので」
「……だから上手くいくと?」
「一人だけ不安ですが」
「一人……?」
「ん?あたしかい?」
魅魔さんの方に注目している。
確かに彼女はどうか読めない。
「いいんじゃないのかい?何かあれば魔理沙にやらせればいいし」
「あ、いいんだ……」
「流石にアイツならやらかしはしないでしょうしね」
「……うっかりは多そうですけどね」
「そしたら言いな。しばくから」
「……はあ」
そのまま話は続き反対は居なくなっていた……本当に誘導されてないよな?
「ああそっちも纏まったかい?」
村紗さんが船を動かす準備をしている。
さっき神綺さんにやられたと思いきや船殆ど傷すらないな。
「ええ村紗。これでやっと幻想郷に向かえます」
「そりゃ良かった。それじゃあ行くよ」
「あの村紗さん」
「早苗だっけ?どうしたの?」
「船に乗せていただけませんでしょうか?」
「あの早苗さん……?船に憧れてたのは分かりますが……」
「ちょっと小野寺君!それもありますけど」
「そうじゃ無いだろ?」
ぬえさんも混ざって来たが……
「なら一体?」
「お前凍死しかけただろうが」
「……村紗さんお願いします」
「あー……まあ人間だもんね」
船に乗る前に皆に別れを告げる。
そうは言っても魅魔さん含めて魔界のメンツ以外は乗ったわけだが。
「アリスちゃーーーーーん」
「ああもう煩い!!」
アリスさんが若干苛立ちながら別れを告げた。
頻繁に来れる所ではないが、いずれはまた来れたらなと思う。
「それじゃ忘れ物は無いね?行くよ」
そうして船は飛び立った。
「そう言えばナズーリンさんは?」
無事なのか心配しながら。ナズーリンさんを探す。
するとすぐに見つかった。
「……おや、なんで君が?」
「色々ありまして……」
「そうかい、聖が良いと言うならいいが」
「ああナズーリン目が覚めたんだ」
「村紗、迷惑を掛けたようだね」
「大丈夫だよ。ナズーリンも忘れ物ないよね?」
「私は無いが……」
「どうしたの?」
「ご主人様は?」
「……あ」
進んだ船は忘れ物を取りに戻るのであった。
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to be continued