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俺がいるからだけなのかは分からないが、寂れたと言う割には博麗神社には人が寄るように思えた。
霊夢さんはそれに喜びつつも俺に用があると言われて沈んでいるを繰り返していた。
「ほんとまともな参拝客は居ないの?」
「いや……分かりませんが」
「ちょっとアンタ探して来なさいよ」
「そんな無茶苦茶な……」
遠出せずにと付け加えられた。無茶苦茶にも程があるだろ。
「はーやーくー」
「……はあ」
正直無理だろうが何もしないと嫌な目線が刺さるので鳥居の先へと行く。
「……ん」
見知った顔が登ってくるのを確認する。
そう言えば……偶に神社に来ていたな。
「……あら?」
「レミリアか、正直驚いたな」
「驚いたのはこっちの方だけど」
石段を登りきり近くへと来る。
特に変わりはないようだ……数週間で変わってる方が問題かもしれないが。
「地底にいたんじゃないの?」
「まあ……色々あった」
「……ほんと忙しさに愛されてるわね」
「……愛されているのかは分からないが」
実際否定は出来ない気がする。
今のこの状況を自分で珍しく思っていた時点で尚更。
「あらレミリア。お賽銭入れに来たの?」
「霊夢。そうがっつくのはどうかと思うのだけど」
「大事なのはそれでしょうよ」
霊夢さんが尋ねているが……確かに開口一番がお賽銭な事は相当だと思う。
「あまりお嬢様にたかるのはやめてくれませんか?」
しつこかったようで咲夜さんが口を出す。
確かに誰か言わなきゃ永遠に続いていた可能性もあったかもしれない。
「それで……じゃあなんの用よ、どうせまたソイツでしょうけど」
「いや、レミリアはいるの知らなかったらしいけど」
「じゃあなんの用よ。宴会も何も無いわよ」
「用がなきゃ来ちゃダメなのかしら?」
「正直ダメと言いたいのだけど」
「少し相談よ」
「……へえアンタにしては珍しいじゃない」
「そうね。本当なら貴女に頼む気なんて無かったけど」
「お帰りはあちらだけど?」
「……失踪事件が起きている」
「失踪?」
「かもしれない」
「えぇ……」
かもしれないって一体なんなんだ?
あやふやなんだが……
「レミリア、一体何があったのよ。そんな不確定要素並べられても困るのだけど」
「失踪したのがウチの妖精メイド達なのよ」
「え?」
それはかなり不味くないか?
しかも達って事は一匹二匹では済まないだろうし……
「霊夢さん……これは……」
「解散」
「まあ……そうね」
「え?」
なんでそんな気にしてないんだ?失踪事件なんて大問題だと思うんだが……
「妖精なんてアテにしてもねえと」
「どう言う事ですか?」
「アイツら仕事するって言ってもいつ消えるか分からないし本当に気紛れなのよ」
「消えるって……?」
「何も告げずに飽きたらやめるみたいな感じよ」
「えぇ……無責任では?」
「そもそも妖精に責任なんて無いわよ。本能で生きているもの」
「そうですか……」
「失踪が複数なのは確かに問題かもしれないけど……妖精達が消えたって言われてもそれがあるのよ」
「それでも心配なのでは?」
「確信もないのに動けるわけないでしょ」
「そんなものなんでしょうか?」
「忙しいもの」
「……」
やる気がないんだろうなあ。
まあやれって言ってもやらないタイプだし言ったところで仕方ないし。
「……まあ霊夢ならそう言うと思ったわ」
「お嬢様」
「別にいいわよ。杞憂ならそれでいいし、実際だったとしても伝えたもの。霊夢なら何かあったら動くわ」
「そうでしたか。分かりました」
不安に思っていた咲夜も主人の一言に黙り込む。
「それで霊夢。彼持っていっていい?」
「ダメよ。今は何もさせないようにしてるの」
「そう、フランが待ち侘びてたのだけど」
「能力持たない人間なのに、異変に首突っ込んだばかりだし」
「……忙しさって言ってたけど異変にまた突っ込んでるとは思わなかったわ。連続じゃないの?」
「……まあ、うん」
「……もしかしてだけどあの船?」
「そうよ。しかも追って魔界に行ったらしいわ」
「……馬鹿じゃないの?」
「酷くない?」
「いえ小野寺さん……失礼かもですがお嬢様に全面同意です」
「しくしく」
「まあそろそろ終わりにするけどね」
「そうなんですか?」
「いつまでもウチにいられても困るし、何よりこの前早苗と話してたけどやる事そこそこあるんでしょ?」
「ですね。後は今言われたように失踪した妖精メイド達も気になりますし」
「あら、気にしてくれるの?」
「霊夢さんが杞憂と言う以上はついでと言う感じですがね」
「別にいいわ、私としても確信じゃないし。何かあったら報告お願いね」
「分かりました」
「それじゃあ咲夜、今日は戻ろうかしら」
「はっお嬢様」
そうしてレミリアが帰ろうとする。
しかし帰る前にまた此方を向く。
「ああそうそう霊夢」
「何よ」
「……えっと」
「……」
「ごめんなんでもないわ」
「そう。ならさっさと帰ったら」
「……そうね」
少し違和感を残しながらレミリアは帰って行った。
少しだけ気になりはしたものの、特に追求する事はしなかった。
…
「お嬢様」
「どうしたの咲夜」
「何か霊夢さんに話す事があったのでは?」
「ええあったわ。それも妖精メイド達が消えたのと同じくらいに大事そうなの」
「では何故何も言わなかったのですか?」
「思い出せなかったのよ」
「え?」
「だから、思い出せなかったの。大事そうな事なのにまるで思い出してはいけないと言われたばかりに思考にモヤがかかってね……と言うか咲夜にもその話したでしょ」
「そういえば……確かされました」
「思い出せる?」
「……いえ」
「何かしらねこれ。何もなければいいけど」
不穏は各地に現れ始めた。
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to be continued