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「多いな、どうするべきか」
紫さんが倒しても、妹紅さんが倒しても次々と新しい鬼が現れる。
一向に終わる気配がなかった。
「一旦引くか?と言うか無理してでもこいつらに構い切らずに向かうか?」
「それが出来ればいいのだけど」
此方の方を見る。まあ問題は俺だよな……逃げ切れないし。
「正直私が殿務めても良いんだけどさ」
さりげなく距離を取ろうとは試みるものの、明らかに自分狙いである。
妹紅さんが仁王立ちするが、攻撃しないのを見るとすり抜けてくる……正直かなり厳しい。
「……本当にあの子面倒ね」
「辿り着けすらしないのは……不味いな」
地底どころか旧都すら抜けることに苦戦している。
幾つか鬼対策の道具は持ってきてはいるものの……ここで使うとみとりと対峙した時に不安が残る。
「……だが、使うしかないかねえ」
地底に潜る前、最終確認のため霊夢さんの元へ立ち寄って貰った三枚のお札。
三枚あるからってよりはここで使う不安の方が強い。
「この場を切り抜けるため仕方ないか」
そうして札を投げようとして……
目の前に鬼が吹っ飛んで来た。
「……え?」
いや……まだ使ってないよな?
なんで急に鬼が飛んで来たんだ?
「邪魔すんなっての」
「あ……」
「ん?なんだ驚いた顔をして」
……確か、星熊勇義……いや勇儀だったかな確か。
さとりさんが言うには旧都でも名の高い鬼なんだっけか。
彼女が吹き飛ばして来たのか。
「おー、やっと空いたか」
「えっと……」
何が目的だろうか?正直読めない。
「姐さん。コイツらは」
「あー分かってる分かってるっての」
「勇儀、出来れば邪魔しないで欲しいのだけど」
「邪魔か。旧都で散々暴れてそれはあんまりじゃないかってさ」
「先に襲って来たのは鬼の方でしょ」
「入って来たのはあんた達だろう?」
「用があったからね」
「それではいそうですかとなると思うか?」
「なってもいいじゃない」
「構わないと言いたいが、地底には地底のルールがあるからな」
「あら、ならどうすればいいかしら?」
「当然、力で示せよ。納得させてみなって」
「姐さん、それじゃ約束が」
「あ?良いだろうよ。元々戦いたいから従ってただけだしよ」
「しかし……」
「それとも、アンタが渇きを満たしてくれるのかい?」
勇儀さんがそう言うと鬼は一歩下がった。
「まあいい。本命はこっちだしな」
此方の方を睨んで来る。大丈夫、怯えるな……睨まれただけだ……
「生憎だけど、彼はスペルカードを所持してないわ。弾幕勝負は出来ないから諦めてちょうだい」
「最初からそんな気はないさ」
「じゃあ何する気よ?」
「喧嘩に決まってんだろ」
「殺す気?」
「まあ確かに、死んだらそこまでだな」
「それを認められるわけ無いじゃない」
「だからと言ってなあ……ならこうするか」
地面を殴り付ける。そのまま地面が割れた……え?
あれ掠るだけでも危なく無いか……?
「よっし良い感じか」
「脅しが?」
そうなら完全に良い感じなのは事実だが。
「じゃあここでっと」
勇儀さんは中央に出来た窪みへと立つ。一体何だ?
「特別ルールだ。こっから出たらお前の勝ちでいい」
「こっからってことは……」
勇儀さんが立っている窪み。大体三人程のスペースしかない。
当然戦闘するには狭過ぎるだろう。
「これならいいだろ?」
「……何もない条件よりはマシですが」
「それでもだいぶキツイわよ。鬼相手に動かせるわけなんて」
「……」
「おいおい、こっちを向いたところでルールは変わったりしないぞ」
「……分かってます」
「死なないように祈りな」
「おいやめろって」
「いえ……これしかないなら」
間違いなく無数に襲って来る鬼と比べるとマシになる……だからここしかない。
「おう、覚悟を決めたか。流石だな」
「何かあるならいいけど。無謀なら怒るぞ?」
「いや……無くはないです」
「そっか。なら頑張れよ」
にとりさんから応援を受け意気込む。
勇儀さんは構えているがこちらに突っ込んでくることは出来ない。
だから十分に考えてから動く事が出来るだけ余裕がある。
「おいこら早くしろや」
「ビビってんのか」
声を荒げた鬼達がいるが約束な以上攻撃はして来ない。
だから考えるしか無い……一撃でも食らえば死にそうだし。
「……流石に使うしか無いが」
問題は役に立つって聞いただけでお札にどんな効果があるか分からない事だが……自分の望むように叶ってくれるように祈ろうか。
「……死ぬなよ自分」
鬼を動かす、まず持って無理な事だがしなければならない。
自分の頬を叩き奮い立たせ戦いに望むのであった。
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to be continued