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「参拝の方は此方に並んでくだ……」
「邪魔するわ」
「おい、勝手に入られちゃ困るのだが」
「急用なのよ。聖白蓮を出してちょうだい」
「いや、あの方でも用があるからってホイホイ皆と話されても困るのだが?
「いいから」
「いいって……よくな」
「いいから」
「……その格好、もしかして博麗の巫女か?」
「そうよ」
「何の用だよ本当に……」
「だーかーらー、聖白蓮に用があるって言ってるの」
「お前のような危険人物通すわけ無いだろ!?」
「だったら力尽くで……」
「やってみろ、こっちだって全力で……」
「ちょっと霊夢さん」
「早苗、アンタも手伝いなさい」
「いやそうでは無くてですね……頼みに来たんですから」
「妖怪に図に乗らせると碌でも無いわよ」
「妖怪が全部悪いわけじゃ無いって何度も……」
「ああ早苗か……助けてくれ」
「流石にこれは止めますので」
「早苗、アンタはどっちの味方なのよ!?」
「合ってると思う方の味方です」
「ちょっと、それじゃこっちが間違ってるみたいじゃない!」
「……霊夢、私でも早苗と同じに思うぜ?」
「魔理沙まで……なんでよ!!」
「と言うわけで帰ると良い」
「帰れるかって話よ」
「あのー」
「聖……どうした?」
命蓮寺の中から聖が顔を出す。それにナズーリンは驚いている。
「いえ、前で騒いでいるようでしたので」
「ああ気にしないでくれ、問題無い」
「大ありよ」
「あら、確か……霊夢さん。何かご用でしょうか?」
「ええ。少し聞きたいことがあって来たわ」
「分かりました。では中へ……」
「生憎だけどそんな暇は無いの」
「あら、何か急用でしたら聞きます」
「ほんと、これくらい簡単な事だったのに」
「いきなりこちらの話すら聞く耳持たない人間を信用は出来ないさ」
「なん……」
「霊夢さん用件を話しましょう!!」
「そっそうね……聖白蓮、地底への行き方知っているかしら?」
「地底ですか?」
「ええ。行かなきゃならないの」
「村紗や星が向かいましたし知っては居ますが……」
「っ、教えてちょうだい」
「はいそうと教えるのは躊躇いますね」
「なんでよ!?」
「意図が読めませんし……わざわざ危険な地底に向かう意味も」
「異変解決よ」
「異変ですか……」
その言葉に聖は驚いたような顔をする。
「なんでそんな表情するわけ?」
「いやそりゃそうだろうよ……異変なんてまだ起きてないだろう?」
「起きてるわよ」
「いやいや、起きてたら何かしらが起こって……」
「この人里に向けて鬼が迫って来てるわ」
「……は?」
「まあ……そうですよねえ」
「鬼……ですか」
何言ってんだこいつって顔をするナズーリンさんに早苗は賛同している。
一方の聖は何故か納得しているようだ。
「だから、人里に被害を出させないように、私達も向かって止めないといけないの」
「……理屈は分かりました」
「いいのかい聖」
「……どうでしょうね」
「どうでしょうってなんだ?」
「このまま素直に教えるのが正しいのかとは」
「……躊躇う理由あるのか?」
「星達が地底に居た頃こんな事は無かったらしいですし。そう考えると何かとんでもないことが起こったように思えます」
「そうするとどうなる?」
「例えば住処を奪われた、地底で問題が起きて住めなくなった……みたいに仕方の無い理由があるかもしれません」
「それは確かに否定出来ないな」
「そこに博麗の巫女……間違い無く衝突するでしょう」
「ええするわ。その為に聞いてるのだから」
「話もせずにですか?」
「出来る相手だと思ってないもの」
「決めつけはいけません」
「違うわよ。決めつけないといけないの、そうしないと手遅れなんて事はあるから」
「……」
「……」
お互いの睨み合いが続く。
魔理沙やアリスまでも沈黙を続け、戸惑う早苗は右往左往している。
「あっあの二人とも……」
「早苗、今は静かにしてなさい」
「でも、アリスさん……」
「私達もなんとかしなきゃとは思ってるけど、ここで口を挟むべきでは無いわ」
「……はい」
自分じゃどうしようもないのは分かっている。でもこの状況も良くない気がしてならない。
「私だって……なんとかしなければ」
彼が命を掛けて止めに行ったのにダメでしたなんて言えるわけが無い。
だから膠着なんてしてられない。
「あっあの……」
「ちょっと早苗!?」
「アリスさんごめんなさい。私も見ているままでは無理です」
「早苗さん、どうしました?」
霊夢の時とは反応が違い。優しい顔で早苗の言葉を待つ。
「早苗」
「霊夢さん、良いですか?」
「分かった、任せるわ」
霊夢は此方を信用したようにまっすぐな目で返す。
その表情に応えるようにより一層決意する。
「……私の話を聞いてください」
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to be continued