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東風谷早苗は話した。これから起こるであろう事を、どうして欲しいのかを。
かつて自分の油断で死なせてしまった責任を果たす為奮闘している。
「(何故自分の記憶が消えていないのか不思議ですが)」
霊夢さんや魔理沙さんは覚えていないようでアリスさんだけは彼の事を知っていた。
前回戻る直前に私に人里の現状を伝えに来た文さんもその事を知らないらしい。
「皆さんも幻想郷に来たばかりで忙しいと思います。でもこのままだとそれすら出来なくなるのです」
「……それが、本当ならですが」
「私は嘘を吐いていません」
「まあ……博麗の巫女よりも信じたくはあるが」
「それに、あの時約束しましたよね。悪い妖怪はなんとかしなきゃダメだって」
「それは……確かに」
船に乗って魔界に行った記憶は残っているようだ。
ただしそこに彼は居ないようだが……
八雲紫、本当に彼女は何をした?
「だったら、今回はそれに該当するケースです」
「そう言われても……」
「……決断をお願いします」
「いつもと違うんだな」
「ええ。私だけじゃなく人里の皆様の大事もかかっていますので」
いつもの優しい雰囲気はそこになく本気で相手を見つめる。
「その言い方は……」
「ナズーリン、もう良いです」
「聖?」
「早苗、もう向かわないとまずいのですね?」
「はい。文さんがそう言ってました」
「ナズーリン。いいですね?」
「……聖がそう言うなら」
「では皆様向かいましょうか」
「は?何言って?」
「正直な話。いくら早苗が言おうとも、貴女達を信用しきるのは無理ですし私達も向かいます」
「っ……アンタねえ」
「それに、私達も心配なんですよ」
「鬼達が?」
「いいえ。地底に行った星や村紗がですよ」
「あ……」
「貴女達が言うような事態ならあの子達もまずいんです。なので私達も見に行かなければなりません」
「そうね。霊夢、彼女達の言い分は十分に納得出来るわ。それに戦力も欲しいわけだし」
「そうね……その通り。頼むわ、聖白蓮」
「……霊夢、どうしたんだ?らしくないが」
「今回頑張ったのが早苗なのに文句言うのは筋違いでしょ」
「それはそうだが……」
「霊夢さん……」
「早苗、有難うね。お陰で助かったわ」
普段ではあり得ないような感謝の言葉に驚く。まさかこんな霊夢さんが見れるとはと。
「意外そうな顔してるわね」
「え……すみません」
「いいのよ。自分でもそう思っているし」
「あはは……」
どう反応して良いのか分からず苦笑いする。
変な反応したらしばかれそうだし。
「それでもね。譲れないものはあるの」
「譲れないものですか?」
「幻想郷を妖怪から守る。それは博麗の巫女の仕事だから」
「それは、そうですね」
「だから人里が大変な事に遭うなんて起きてはならないの」
「そのためなら自分を曲げられると?」
「ええ。嫌いな相手にだって頼むし。今回みたいに礼だって言うわ」
「その割には最初は嫌がっていたようですが」
「それは言った通り信じてなかったから」
「いや絶対プライドも拒んでいただろうぜ」
「うっさいわね」
「……図星ですか」
どちらにせよ、決断してもらった為文句は言えない。
皆で止めに向かうだけだ。
「さて、いつまでものんびりしてないわ。皆、向かいましょ」
「はい……!」
命蓮寺の全員で来るようで、ナズーリンや一輪も含め聖白蓮の先導の元、皆で向かった。
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「皆さん遅いですよ」
「しばくわよ?」
「なんでですか!?」
「行き先をちゃんと伝えなさい。私達誰も地底への行き先なんて知らないのよ」
「ああ……それはすみません。てっきり知ってるものかと」
「行ってないんだから分からないわ。勝手な決めつけはやめなさいよ」
「ですねえ……次から気を付けます」
そう言いつつ文は周囲を見渡し違和感を持つ。
「あれ……なんで命蓮寺の皆さんが?」
「手伝ってもらうことになったわ」
「え……えええええ!?霊夢さんがですか?」
「いいじゃないの」
「いいですけど……ええ、あの霊夢さんが命蓮寺に?」
「そうよ。必要な以上は私だって我慢するわ」
「分かりました。気にはしていられませんし急ぎましょうか」
「ええ、此方が負けたら全ては台無し。ただ博麗の巫女と最強の普通の魔法使いがいるのだもの。やれるだけやってやるわ」
「はい!」
地上も鬼の数が思ったよりも多く、かなり大変な状況でこれから先も危険ですが頑張ってみせます。
しかし、小野寺さんの方も重要です。
死なれるわけにはいきませんし、五体無事に帰ってきて欲しいです。
アリスさんも私も待っているので、絶対に完全勝利で帰って来ますように。
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to be continued