幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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〜過去と自分〜
二百十五話 燻る不安〜I am …….


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「気を付けて」

 

 

「はい」

 

 

大丈夫と言いたいところだが前に落ちたしなと、気を付けなきゃ今度は死ぬかもしれないし。

 

 

「本当は、飛び降りれれば早いんですが」

 

 

「……」

 

 

確かにそうだ、下に行くだけなら飛び降りた方が早い、皆飛べるわけだし。

飛べない自分が問題だが結局覚えられていないわけでして……

と言うかただの人間には無理です。

 

 

「にとり、なんか無いのか?」

 

 

「あったらもう渡してる」

 

 

「だよなあ……」

 

 

「俺の事はどうしようもないので、気にせずに」

 

 

「と言うか、あんた達先に行った方がいいんじゃないの?」

 

 

「紫?」

 

 

「彼がいけないのは仕方ないとは言え妹紅やにとりは行けるじゃない?態々付き合わなくても」

 

 

「それはそうだが……紫は?」

 

 

「面倒くさい」

 

 

「……」

 

 

「嫌よ」

 

 

「お前ここまで来て……」

 

 

「神奈子もそうでしょう?」

 

 

「いや、お前と違って私は行くが?」

 

 

「え?」

 

 

「サボり癖のあるお前とは違って急いで早苗達の元に帰りたいしな」

 

 

「……」

 

 

「ってわけで何もしなくても終わらせればいいんだろ?」

 

 

「そうだと楽ね」

 

 

「ここまで言っても来ないのか……」

 

 

このままじゃ良くなさそうだ。地味に険悪な雰囲気がして来たんだが……

 

 

「流石に、ここで言い争ってても仕方ありませんね。三人を連れて行けばいいんですね?」

 

 

「三人とも……大丈夫ですか?」

 

 

「……大丈夫だ、そのために来たんだしな」

 

 

「ああ私も大丈夫だ。だから蓮司の方も気を付けろよ」

 

 

「はい、落ちないようにします」

 

 

「そうじゃなくてだ……」

 

 

「……」

 

 

「アイツがごねて残ろうとしたんだ、警戒をしとけよ?」

 

 

「そこまでします……?」

 

 

確かに違和感が残るが始めに助けに動いてくれたのも事実なわけで……

 

 

「まあ、無警戒は止めとけよなと」

 

 

「分かりました、にとりさん」

 

 

実際気を緩める暇など無いしな……

紫さんが敵になったら詰む以上警戒しても……って気持ちもなくは無いが。

 

 

「先行くからな」

 

 

そう言いつつ皆地の底へと飛んで行く。正直ここまであっさり飛べると羨ましいな。

 

 

「あっさり行ったのね」

 

 

「おかしいですか?」

 

 

「いえ、変じゃないけど。本当にいい縁を築いて来たのねと」

 

 

「それは、確かにそうですね」

 

 

「ほんとまるで……」

 

 

「何か言いました?」

 

 

「さあ、どうでしょうね」

 

 

「……」

 

 

明らかに聞きたいことなのは分かる、ただ話してくれないだろうけど。

変な動きをしてない事を確認しつつ会話を続ける。彼女にだけ聞きたい事もまだあったから。

 

 

「……紫さん」

 

 

「なぁに?」

 

 

「……俺の旅ってここで終わると思いますか?」

 

 

答えてくれるとは思わない。ただ尋ねてみた。

 

 

「成程」

 

 

NOと言われると思ったが、悩む素振りをして驚く。

答えてくれる可能性があるのかと。

 

 

「彼女が過去を持っているって話だったし、それを思い出せば終わるのか?」

 

 

河城みとりが過去を握っている。彼女はそう言っていた。

逆に俺の死に戻りの原因は八雲紫にあったはず。

だからこそそれを思い出せば全て終わるのか?と。

 

 

「確かに……言いたい事は分かるわ。貴方の目的は結局それだものね」

 

 

「それで……結局言ってくれるのか?」

 

 

「そこまで気になるなら逆に黙ってたいわね」

 

 

「……」

 

 

「まあまあそう怖い顔しないの」

 

 

「誰のせいだ……」

 

 

「そうね……貴方にはまだやる事がある。と言っておきましょうか」

 

 

「やる事……それは」

 

 

「分からない」

 

 

「え?」

 

 

「私でも分からないのよ」

 

 

「何を……言ってるんだ?」

 

 

おかしいだろうよ。この人が知らないわけなんて無いだろうよ。

結局話す気が無いだけか。

 

 

「それを貴方が探さなきゃならない」

 

 

「無茶苦茶だな」

 

 

「でも、そうしなきゃならないわよ」

 

 

「……はあ」

 

 

これ以上はどうしようも無さそうだと諦める。

いつまでもにとりさん達を待たせるのも悪いわけだし。

 

 

「行くしか無いな」

 

 

「ああ一つだけ言っておくわ」

 

 

「……なんですか?」

 

 

まだこれ以上何を言うのだと思いつつ彼女の言葉に耳を傾けようとする。

正直、碌でも無い気がするんだが。

 

 

「貴方が全てを思い出せば間違いなく今の縁は壊れるわ。その時、どちらを選ぶかしっかりと選びなさい」

 

 

「……」

 

 

どちらをか、不安にしかならない様な言葉を聞かされ、過去の自分に嫌な予想を持ちつつ、奥へと進んで行った。

 

 

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to be continued

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