幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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〜過去の物語〜
二百十九話 幻想入りした少年〜welcome to ーーーー.


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「幻想郷は必ず存在する!!」

 

 

「またその話か……」

 

 

会長のいつもと変わらない話にうんざりしている。

いや、夢を追い続けるのは良いんだけどさ。

 

 

「ちょっと先輩!?冷たくない?」

 

 

「いや会長……言うのは確かにタダだがいつも証拠何も無いのにそう言われても困るんだが……」

 

 

「それを探す為に此処があるんでしょ?」

 

 

「はあ……」

 

 

東深見高校、ここには不思議なサークルがあった。

その名前は秘封倶楽部と言い、今年設立されたようでメンバーは初代会長を名乗った彼女一人だったはずだが……

 

 

「はい会長、幻想郷では妖怪とも話せるんですか?」

 

 

「ええ早苗先輩。結構人間と交流を持つ妖怪も多いらしいわ」

 

 

「それじゃあ、信仰を集められるかもしれませんね」

 

 

「おっ中々早苗も逞しいね」

 

 

守矢神社の巫女であり、自分の幼馴染でもある彼女……東風谷早苗は当然自社の神様と交流がある。

ただし他所の神社では、神様と会うなどあり得無いどころか本来ならば神様も見えていない……ただし守矢神社には確かに神様が居て自分も会ったことがある。

そんな不思議な経験をしている彼女は秘封倶楽部としても気になる存在であった。

それにより幼馴染が勧誘され、なし崩しで自分も入ることになってしまった。

いや……別に部活とか入ってたわけじゃないし構いはしないが。

 

 

「ほら、小野寺君。妖怪とも仲良く出来るらしいですよ」

 

 

「……そうかい」

 

 

幽霊の類は信じている。と言うか幽霊ではなく確か神様だったが早苗さんのところの守矢神社で見たことがあった筈だし。

だからこそ、此処みたいに秘密を暴くって言うのも嫌いでは無いのだが……

 

 

「異世界ねえ」

 

 

「異世界じゃ無いわよ。この世界にあるのだもの」

 

 

「いや……そこまで行ったらもう異世界だろ」

 

 

流石に異世界と言うものを信じ込める程ではなかった。

馬鹿げていると言うか、規模が違い過ぎる。

 

 

「第一行く方法も無いんだろ?」

 

 

「そうね、探してる段階だわ」

 

 

「……」

 

 

「何よ、文句あるの?」

 

 

「いや……」

 

 

廃墟だの、幽霊屋敷だの危険な場所に突っ込むよりはマシか。

実際に幽霊が云々とかよりも怪我や不法侵入とかそれ以上の問題もあるわけで……

 

 

「と言うわけで行くわよ、先輩達」

 

 

「分かったから焦らずに……」

 

 

こうして早苗さんと共に会長に振り回されつつ日常を過ごして行った。

その日が来るまでは。

 

 

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その日も平凡な日常だった。

いつも通り友人達と駄弁り、授業を受け日が終わる。そう思っていた。

 

 

「……え?地震」

 

 

地面が揺れた、気がした。

しかしそれは一瞬で終わり、周りも騒ついたが一瞬で終わったこともありすぐに授業へと戻った。

何もおかしい事はない……

 

 

「……?」

 

 

教室に何かいる?

さっきまでいなかった筈なのに。

と言うか……何だアレは?

 

 

「獣……じゃないし……そもそも……」

 

 

幽霊、いや化け物のように見える。

なんであんなものが教室に……

 

 

「皆、あれ……」

 

 

声を出す前に襲われる。人間離れしたその速度で気付けば目の前に居る。

 

 

「……は?」

 

 

目の前に居た、そう思って驚いていたがそれだけでは無かった。腹に穴が空いている。

 

 

「なんだよこんなの……」

 

 

血を吐き、熱がどんどん奪われていっているように思える。

周りは大丈夫なのかと無理矢理身体を動かして確認しようとする。

 

 

「……?」

 

 

周りが止まっている……?

 

 

「まさか……死んだとか言わないよな……」

 

 

「死んでいないわ」

 

 

「っ!?」

 

 

後ろから声がし振り向こうとするが、全身が既に動かない。

 

 

「ああ、既に動けないのね。もう直に死ぬのだから仕方ないわ」

 

 

直に死ぬ……そうか、そうだよな……こんな血を流してたら死ぬしかないよな……

 

 

「ただの名も無い様な雑魚妖怪だけど、ただの人間相手だとやっぱ事故になっちゃうものね……」

 

 

雑魚妖怪……妖怪って言ったか?

妖怪なんているいないはまだしもなんでこんな場所に……おかしいだろう。

しかも事故って……なんだよそれ……

 

 

「……ただ、このままってのも良く無いわね」

 

 

「……」

 

 

「結界から飛び出た妖怪が外の人間を殺した……流石に幻想郷にも支障が出るわ」

 

 

「……ぁ」

 

 

ちょっと待て、今幻想郷って言ったか?

いや……今そんな事気にしている場面では無い……このままだと確実に死ぬ。

 

 

「仕方ないわね……本当はあまり良く無いのだけど」

 

 

なんだ……何をする気だ?

 

 

「神隠しというものを知っているかしら?」

 

 

その言葉になんて答えたかは記憶に無かった。

ただ分かる事は死にたく無かった。

死にたく無かった。死にたく無かった……

 

 

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to be continued

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