幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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二百三十四話 永遠の姫君〜one who knows eternity.

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「さて、楽にしてちょうだい」

 

白玉楼に負けないレベルの広さの建物だった。

外から見るとそこまでのように思えたが、内部が思った以上に広い。

聞くと特別な事をしたと言っていたが。

 

「そんなに周囲を見渡してどうしたのよ?」

 

「先程までの竹林にこのような建物があったのかと」

 

「そこまでかしら?」

 

「ええ、そこまでです」

 

話は聞いていても、一面中竹林だったあそこにあったとはいまだに納得が出来ない。

 

「そう言う事もあるものよ」

 

「まあ……実際がそうですからね」

 

あった以上は事実なのだ。それは変えられるわけがない。

 

「まっ話してみたものの、その話はどうでもいいわね」

 

「そう言われると……そうですが」

 

ただ、バッサリ切られるのもなんというか……っていやいやそうじゃ無いだろ。

 

「不老不死の方、なんですよね?」

 

「ええそうよ。試してみる?」

 

「試す……?」

 

疑問に思った瞬間、彼女は小刀で指を落とす。

躊躇いすらなく一瞬の事で言葉に詰まる。

 

「首とかでも良かったのだけどね。周囲が血溜まりになると掃除が面倒で」

 

気にするのは、そこでは無いと思うが……

 

「少し待ってなさい」

 

彼女はそう言うと徐々に落とした筈の指が治っていく。

 

「これは……」

 

「痛みはあるけど、傷ついたままも許されない」

 

「今更だけどね。正直痛みもどうでもいいわ」

 

「それは……」

 

諦めは付くものの、それでも痛いのは毎回勘弁してくれと思っているのだが……

 

「憐れみか想像したか知らないけど、幾千年も経てばどうせ慣れるものよ」

 

想定もしない年数に何も答えられなかった。

 

「でもまあ、これで信じられたでしょ?」

 

「それは……確かに」

 

これで信じない言ったら本気で首でも落とそうとするかもだしそれを見たくないしな……

 

「ならよしってね」

 

自分の作られたものと違って純粋な不老不死だと言う彼女は……長い時を生きていると言うのにただの少女にも見える……逆にそれが凄い事であり、恐ろしい事でもある。

 

「さて、次はこちらの番ね」

 

「でしょうね」

 

流石にここに来て何もないとか思う人は居ないだろうしな。

 

「何か面白い話をしてちょうだい」

 

「……ん?」

 

思ってた反応と違うのだが……

 

「なによぅ、話を聞きに来た癖にタダで帰る気?」

 

「いやその気は無かったですが……予想外の返答過ぎて」

 

「そうかしら?」

 

「てっきり何か聞いてくるものかと」

 

「どうでも良くない?」

 

「……確かに」

 

実際他人のそう言った事情とかはどうでもいいと言えばそうか。

 

「面倒事は退屈しのぎにはなるのだけど、それよりも面白い話聞いた方が割に合わない?」

 

「自分には分からないですが」

 

「別に分からなくていいわ。面白い話さえしてくれればいいから」

 

「少し待ってくださいね」

 

正直その考えは無かったからすぐには浮かばない。

何を話せば……

 

「まーだー」

 

「ええっと……」

 

外の話はあまりしない方がいいよな……あまり言いふらしてもだし。

だからって今の現状を話してもだし……何を話したものか……

 

「……一つ聞いていいかしら?」

 

「何でしょう?」

 

「貴方、外の人間でしょ?」

 

「……え?」

 

何もバレる理由なんて無かったはずだが。

 

「なら外の話でもしなさい。あまりに退屈させると酷い事になるわよ」

 

「ヒェ」

 

もうバレてるならいいだろうと話す。

変に内緒にして喧嘩売る必要無いしな。

 

「……へぇ」

 

全てを聞いた彼女は頷く。

 

「で、結局貴方の来た理由も聞いてしまったわけだけど」

 

「話すついでに必要なわけで」

 

外の世界の話をするついでに必要だと思って話してしまった。

 

「人工的とはいえ不老不死ねえ。そりゃ私が気になるわけだわ」

 

「聞いた話とはいえ、不老不死が居ると聞いて」

 

「ただ、今までの話で思うけど。いいものじゃ無いわよ」

 

「確かに……そう言う事でしょうけど……」

 

「死ねるなら死ぬ方が幸せよ?蘇らずに」

 

「かもしれませんが」

 

死にたくても死なないのに、痛みだけは残る。そんなの地獄しかないのは……

 

「ただ……死にたくない」

 

「そう」

 

強引に来ると思ったが案外アッサリとした返答だった。

 

「無理矢理死ねとかは言わないんですね」

 

「そんなの生きてる人の勝手だし、そこまで関わる気は無いわよ」

 

「成程」

 

「生きたいなら勝手に生きればいいし、死のうとするのもご勝手に」

 

「まあ自分の人生な以上はそうですね」

 

「ただ……後悔するでしょうね」

 

そう言った彼女は今までとは違い、憐れむような目で此方を見るのであった。

 

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to be continued

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