幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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二百三十五話 異様な対価〜difficult problem.

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永遠亭に着いて数日が経った。

本来であれば帰る予定だったのだが、永遠亭の同居人に止められていた。

彼女曰く、色々と検診したいと。

 

「検診する意味あるんですか?」

 

「姫様達の様に傷が治るとか言うわけじゃないし、不思議体質には興味が尽きないのよ」

 

八意永琳。彼女も不老不死らしいが……

 

「しかし、本当に言われた通り変な体してるわね。死んでるわけではないけど、生きているにもおかしい」

 

改めてそう言われると、キツくも感じるな……

 

「どうにも、ならないですよね」

 

「私でも厳しいわね。怪我人というのとも違うもの」

 

「……どういう状態です?」

 

怪我では無いのは分かっている。ただ自分の身体はどうなっているのかと。

 

「魂を肉体と言う器にポンと置いただけのような……普通の人間と違ってズレてるのよね」

 

謎の例えだと、料理では無く素材をただただ皿に盛っただけで……混ざってないと言う事らしいが……分かるような分からないような。

 

「それをどうにかしないとと」

 

自分の身体を元に戻す為に異変を起こしているが、未だに進展は無い……現状起きたのは紅霧異変だけではあるが。

 

「アテはあるの?」

 

「……あります」

 

その為に今色々とやっているのだから。

 

「そう。ならばいいのだけど」

 

あちこちでやれる事をやって、異変を起こして……ソレを探す。

その為に一度白玉楼に戻って異変を進めないといけないのだが……次なる異変を起こさないと間に合わないかもしれない。

ただ、彼女達がやる事を見たいのもあるため、異様に急ぐ感情を無理やり押さえつける。

 

「もしも解決方法に手が足りないのなら、姫様を巻き込んでしまいなさい」

 

「……え?」

 

「貴方を招いたのもそうだけど、あの子は結局真新しさを求めているからね」

 

「……つまりは暇潰しって事じゃあ」

 

「残念だけど貴方にとっては深刻な事でも、永遠人にとってはそんなものでしかないわ」

 

数千年生きているのだとしたら確かに些細な事なのだろうが納得が……

 

「可能性があるだけマシなのですかね……」

 

暇潰しが理由だとしても、協力的な相手の方が良い事は事実か。

 

「そういう考えが出来る子は素敵よ」

 

「……どうも」

 

ただ、真面目に取り組んでくれるかなどの不安は残るが……否定的よりも十分に良い。

 

「行ってきます」

 

彼女に言われるまま、姫様の元へと向かった。

 

「蓮司……だったかしら?何か用?」

 

「……」

 

部屋の外で呼び掛けた筈なのだが寝そべってるしだいぶ寛いでいらっしゃる……

ダメとは言わないと言うか……むしろ頼み事して良いのかこれ?

 

「何か用と聞いているのだけど」

 

「ああすみません。少し聞きたい事がありまして」

 

「面倒そうね……」

 

凄い嫌オーラ出してますねはい。

 

「とは言っても聞くだけならただね。言ってみなさい」

 

「なら……」

 

自分が戻る為について話す。

相手にとっては一切得の無い話だが……するだけならと。

 

「随分都合の良い話ね」

 

「俺の個人的な問題ですしね」

 

彼女には一切関係無いのは当然っちゃ当然だ。

 

「ああそっちじゃなくてよ。そんな与太にしか見えない話を信じるのかって」

 

「この世界に来てそれに縋って生きるしか無い以上は」

 

「その為に異変も起こすと」

 

「その存在を見つけないといけない以上は……」

 

幻想郷にいるか分からない者を異変を起こして探す。

そんな無謀な事を信じるしか無い。

 

「ふぅん、ただの人間の癖に面白いじゃない」

 

「面白いですか?」

 

「ええ、いつの時代も貪欲で滑稽な人間は多いのだけど。貴方は別の意味で面白いもの」

 

「別の意味ですか……?」

 

「多くの人間は死にたく無い、それは当然ね。人によっては不老不死を望むものだって居るわ」

 

「でしょうね」

 

人によっては欲しいものだろうしな。

 

「当然望まない者だっている。嫌だと言う人もいる。それも分かるわ」

 

「……人間として生きたいと言うわけですか」

 

「ええそうね」

 

「それと同じだと?」

 

「いいえ違うわ」

 

「え?」

 

違うのか?何処が?

 

「人間として生きたいならば、分別はつくもの。死にたいわけでもなくて、異変を起こすと言う禁忌を犯してまで普通を望むのは異常よ」

 

「……」

 

「不老不死だから何でも出来る。ただそうやって何でもしてまで元に戻るのは死にたいから。死にたく無いのに何でもして不死を捨てるのは理解し難いわ」

 

「……それでもしないと」

 

「まるで使命に操られている人形みたいで見てて飽きないわ」

 

自分の中の違和感を思い出しつつ、返答に詰まる。

 

「まっそんな壊れかけみたいな人間の方が好きね。ただの人間なんて関わりたく無いもの」

 

「その為に竹林に?」

 

「ええ。誰もが求婚してくるから嫌になったのに、破綻者の貴方とは。婚約はごめんだけど、話し相手としてなら貴方は良さそうね」

 

「なんというか……」

 

悪口には違いないのだが、今はむしろ助かるので困る。

 

「それで、何をする気?」

 

「当然、異変を」

 

「異変を起こすのは妖怪の仕事ってのはさっきからも言ってるわよね?」

 

「それでもです」

 

「今の異変はどうするの?」

 

「起こして、次に起こすでしょうね」

 

「何処で?」

 

「当然、ここで」

 

「……へえ、面白い事をしようとしてるじゃない、ここでなら私にもそれを手伝えって言うの?」

 

彼女は恐らくは意図を理解しているのであろう。それでも改めて確認してくる。

 

「その為に一から話したので」

 

「でしょうね。だからこそ分かりやすい」

 

「それで、協力して貰えると言う事でいいですね?」

 

「いいわ……と言いたい所だけど」

 

「何か……ありますか?」

 

「一つだけ条件を与えるわ」

 

「条件ですか?一体何を?」

 

すんなりとは行くとは思わなかったが、それでも何をさせる気だ?

 

「貴方の覚悟は散々聞いたけど、少し見せてもらおうととね」

 

「……無茶振りですか?」

 

「当然でしょ。私達も人間が異変を起こすと言う禁忌を犯すのだから」

 

「……まさか昔話のような事をやれと?」

 

なんだったっけ?火鼠とかそう言うやつ。

 

「流石にそれはしないわ」

 

「良かった……無理難題では無くて」

 

「だって幻想郷では手に入れる事が簡単だもの」

 

「……え?」

 

嫌な予感が……と言うよりもそれ以上とは?

 

「さて小野寺蓮司。貴方に五つの難題、貴方に解けるかしら?そして私の願いを叶えてみなさい」

 

彼女は不敵に笑いながらそう言った。

 

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to be continued

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