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それから、アリスさんの元で勉強を何度もした。
自分は幻想郷の知識を知らな過ぎた。
「弾幕勝負……それが幻想郷は普通なのか」
「案の定と言うか知らなかったのね」
「ああ。正直妖怪とかもいるし普通に殺し合うと思ってた」
「そんな物騒にしないようにこのスペルカードルールってものが存在するのよ」
「大変なんですねー」
「このルールのおかげでパワーバランスが保たれてるのだけどね」
「バランス?」
「人間と妖怪って力の差が歴然だもの」
「あの二人……そこまであるように思えないですけどね」
「それでも必要なのよ。この幻想郷では妖怪が異変を起こしやすく、人間が異変を解決しやすいように」
「そんなことが……?」
「だから貴方の言う通り、幻想郷では異変が頻繁に起きてもおかしくないのよ」
「そうだったんですね……」
「だから私は貴方の事を信じるし、魔理沙は信じない……そう言う事よ」
「異変と解決で幻想郷は大体回ってるんですね」
「一般人には殆ど関係無いんだけどね」
「そのせいで俺、人間の里で一度死んだんですけどね」
「……」
「つっ次の話をしましょう」
「ええそうね……」
今のは余計な一言だった
気を取り直さないと何というか気まずいな
「魔法……魔法を教えてくれるって話ですよね」
「構わないけど……人間には無理だと思うわ」
「覚えられたら良いんですけど」
「なんでそんなに覚えたいのか分からないけど……人間にとって明らかに異端な物でしょ?」
「そりゃそうですけど……。」
それでも譲れない物がある。
「だってロマンですから!」
「そっそう……」
あれ?引かれてない?大丈夫かこれ。
やっぱりロマンは女子受け悪いんだろうか?
「いや、恐らくは無理だって言ってるのにロマンだって言われてどうしろって言うのよ……」
「そこは……期待するとか?」
「……魔理沙でさえ相当苦労したのに?」
「……え?」
魔法を使う程度の能力だよな……?
それでも……その名の通りに至るまでは相当かかったのか……
「今だって箒無しでも空を飛べるらしいけど……見たことないけどね。箒があった方が飛びやすいから使ってるし、悪いわけじゃ無いんだけど……」
「なんか意外ですね」
「何がかしら?」
「彼女の言動とか泥棒って周りから言われている以上、それをこなすために最初からなんでもこなす天才だと思っていましたが」
「逆よ、魔理沙はああ見えて死ぬ程努力するタイプなの」
「……驚きです」
「そのおかげで魔法を使う程度の能力って言えるほど人間の中で最高クラスの魔法使いになったけどね」
「だったら俺も死ぬ程練習すれば……」
「やめておいた方がいいわよ」
「なんでか聞いていいですか?」
「まず一つに小野寺君、貴方そんな練習してる暇ないでしょ」
「無いかって言われると……」
「幻想郷を回るんでしょう?ならそうしてる暇なんてないわ」
「そうですね……」
片手間になんて言えるわけが無い。
文字通り死ぬ気でやらなきゃ無理なんだろうから。
「それに、貴方が死んだらまた1からやり直しよ?その度胸は貴方にあるの……?」
「え?やり直し……?」
「特に優れた魔法の才能とかを持っているわけでも無いしそう言ったタイプは努力が必要だもの。コツを覚えたところで……流石に普通の物とは違って魔法のコツは死んだらリセットされるわ」
「そうですか、そうですよね」
「ロマンって言いたくなるのかもしれないけど……魔法使いを舐めないで」
「申し訳ありませんでした!!」
つい、全力で土下座をする。
出来たらいいな感覚だったがそりゃ本職には不快になるか、軽率だったな。
「分かればいいの」
「ただ、だったらこの冬はどうするか……」
やる事が全く無いと言うわけでは無いが、それでも大半を練習しようとしていた予定が潰される。
外に出ようにも、一人じゃ迷うだろうし。
「そう……ね。魔法の代わりにおまじないを一つ教えてあげるわ」
「なんでしょうか?」
おまじないは女子たちの間で流行ってたが興味なかったな……一般男子高校生として誘われたら反応したかもしれないけど。
それで、如何にも本格的な魔法使いだし、可愛い女の子だし信じるしか無いじゃ無いですか。
「これは願いを叶える人形。心を込めて作るとどんな願いでも叶うって聞くわ」
「人形……?」
アリスさんのいつもとは違う人形の雰囲気に驚く。
何というか木製?のようなロープで縛られてるような。
ただ……この男女2組の人形、外でも見たことあるような名前は知らないけど。
「と言うか作るって言いました?」
「それがどうかしたの?」
「え?作るんですか……?俺が……?」
「私が教えられるのって人形作りくらいだもの」
「いや……アリスさん色々と出来そうですが……料理とか」
「それはまあ……教わるのはむしろ私の方だしね」
「料理できない人間なんですけどね」
「後はテディベアだったり、外の人形には色々と興味があるし」
「そう言えば必死に取り返しましたもんね」
作った後にテディベアが、置かれていた場所に帰って来ている。
魔理沙さんが返すのが珍しいって言ってたし、相当大事だったんだろうなと。
「それだけじゃ無いわ、お菓子作りだって教えてもらうわよ」
「一回言ってますが再現の自信が無いですからね?」
「雰囲気と、元の料理を知ってる人がいるだけでも大違いよ」
「それはそうですけど、いやアリスさんに期待しましょうか」
「後はー後はー」
「何というか……楽しそうですねアリスさん」
「誰かとこうやってするのは久々だしね」
「あっごめんなさ……」
これあれだ、抉っちゃいけない傷を抉ったパターンだ……そうだよな……村人に怖がられている言ってたもん
「構わないわよ」
「いや……それでも」
「だって今は私と小野寺君で友達だもの」
「そりゃ……そうですけど」
「だからそうね……言葉に表すならば……もう何も怖く無い。」
「それダメなやつううううううううううう」
あたふたしたり、人形を覚えて不器用ながらも作ったり、有り余ってる時間を使いながら料理も最低限作れるようになったりと俺の女子力が上がってきた気がする。外に戻ったらまずやらないだろうけど。
そんなこんなで色々な仕事を覚えているうちに時は過ぎて行った。
ふと、ドアを開けて外を見る。
外では今の時間でもしんしんと雪が降り積もっていた。
「凄い雪ね」
「はい……もう4月なのに凄いですよね」
外では、俺にとって2度目の春雪異変が訪れていた。
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to be continued