幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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二十四話 二度目の春雪異変〜return spring winter.

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「小野寺、ちょっといいか?」

 

 

「何の用ですか魔理沙さん?」

 

 

予想外の来客に驚いた。

冬になってからここの所ずっと来てなかったわけだったし。

暦では5月になってるし何かあったのかな?

 

 

「単刀直入に聞くが、心当たりあるか?」

 

 

「何のことですか……」

 

 

「今回の異変だよ」

 

 

「言った通り春に雪が降ってる時点でおかしいと思いますが……」

 

 

「そうじゃ無い、元凶とか知らないかって」

 

 

「流石に分からないです……。見当つかないんですか?」

 

 

「ああ、色んな場所探してるんだがな」

 

 

「ならば新しい場所とかなんですね……」

 

 

「分かんねえけどな。アリスは?」

 

 

「何の用よ」

 

 

「アリスはまあ心当たりなさそうだけどさ」

 

 

「……紅魔館は行ったの?」

 

 

「行ったけど、違うってグングニル投げられたぜ」

 

 

「大丈夫なんです?」

 

 

「まあな、それくらいなら」

 

 

「だったら他の場所探すしか無いでしょ」

 

 

「予想付くんですかねえ」

 

 

「何を目的としてるか、だけどさ」

 

 

「春が来ないって言うんだから、誰かが冬のままの方がいいってことじゃ無いんですか?」

 

 

「……ってなるとまた湖の氷精辺りが何かやらかしたか?」

 

 

「そうとも限らないわよ」

 

 

「え?何かありますかアリスさん?」

 

 

「誰かが春度を集めているのかもしれない」

 

 

「春度……えっと春度ってなんですか?」

 

 

「春度は春度よ」

 

 

「だよな、と言うかその可能性を追ってなかったな」

 

 

「えぇ……」

 

 

いや春度って何?俺達の世界でそんな言葉なかったんだけど。

 

 

「んじゃ、探してみるとするぜ、ありがとなアリス!」

 

 

そう言って魔理沙さんは去っていったが……

 

 

「早く春が来て欲しいわね」

 

 

「そうですね……外出れないし」

 

 

特に俺の場合は雪と森のせいで外に出たらロクな未来にならないのが分かっているので自重する。

ちょっと手軽な遺体が出来上がりそうだしな……

 

 

「おかげさまで、人形作りの技術は何故か上がりましたけどね。」

 

 

「良かったじゃない」

 

 

「何かに使えるのかなこの技能……」

 

 

「少なくともコツとかは覚えたでしょうし別に今回じゃなくてもね」

 

 

「今回以外に使うところってあるんですか……?」

 

 

「例えば……次の周回とかで私に証明するとか?」

 

 

「確かにそう言ったことは出来そうですね……」

 

 

そう言ったことに使うのは本来の役目じゃ無い気がするが……

と言うかだ、アリスさんの人形と違って動かないから信じて貰えるかも不安ではある。

 

 

「ただまあ料理は役に立ちますね……。」

 

 

最近は俺が料理すること増えたし……外に出ると迷う以上それしかすることがないってのも事実なんだけど、せめて人里なら……

 

 

「まあ、元気を出してね。貴方も外に出れないのは不便そうだけど」

 

 

「あれ?アリスさん外行くんです?」

 

 

「ええ、ちょっと確認したいことがあるから」

 

 

そう言ってアリスさんは外へと出ていく。

俺はこう言うところが手伝えないのが本当に……

 

 

「イチイチ、ナニウジウジシテンダヨ」

 

 

「いや、だって上海さんだって分かるで……あれ?服どうしました?」

 

 

明らかにどっかに引っ掛けたようで破けている。

ただ……大きな傷じゃなさそうで良かった。

普通に修繕できそうだ

 

 

「アー、ナオシテクレ」

 

 

「かしこまりました」

 

 

この数ヶ月で慣れた裁縫でぱっぱと直す。

最初の頃はヘタクソで上海さんに何度も怒られたが……

最初の頃文句言いながらも色々実験体?みたいなものになってくれたし本当に口が悪いだけでいい子だよなと。

 

 

「ドウシタ?」

 

 

「あー、えっと……」

 

 

ただそれを言うと怒り出すのは分かるので、言い出すわけにはいかない。

 

 

「グズグズスンナヨナ、ミットモナイ」

 

 

「すみません。この冬はいつ終わるかなって」

 

 

慌てて誤魔化すことにした。

 

 

「ワカルワケネーダロ」

 

 

「上海さん的にはどう思いますか?」

 

 

「ン、ソーダナ」

 

 

そう言って上海さんは少しだけ悩んで。

 

 

「スグ、ジャネーノカ?」

 

 

「すぐですか?」

 

 

「アア、アノマホーツカイガホンキダシタンダ」

 

 

「確かに魔理沙さんは解決すぐに出来そうですけど」

 

 

ただ……さっきここに来て数日で終わるのもおかしいと思うんだけどな。

 

 

「マ、キタイシテロヨ」

 

 

「分かりました」

 

 

そんなに凄いものなのかと思いながら数日待つことになったのだった。

 

 

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ーー西行妖が満開になれば、私も蘇る

ーーそうね……数ヶ月とは言え貴方だって待っていてくれたものね

ーー吸血鬼が異変を起こしてもうすぐ秋になるわね……だったら次の春かしら?

ーー私だけじゃなくて貴方も……

ーーごめんなさい。そう言えば、貴方はまだ死んでは無かったのよね……

ーーでも小野寺君……貴方は……

 

 

何か大事な夢を見ていた気がする。

 

 

「小野寺君、起きて」

 

 

「なんですか……朝ですら無さそうですが」

 

 

まだ夜がギリギリ明けたかくらいの時間に起こされる。

アリスさんが起こしてきたのもそう言えば初めてのような……

 

 

「(可愛い子に起こされるって外の世界じゃあり得なかったよな)」

 

 

「ボーッとしてないでほら外」

 

 

慌てて外へと連れ出される。

こんな時間に本当になんなんだ……?

雪と森に加えてまだ若干暗さも残ってるから迷うぞ?

 

 

「……ってえ?」

 

 

目を擦ってまた地面を見る。

積もりに積もっていた雪が一切なくなっている。

それどころかいくつかの木が花を付けている。

 

 

「……春が来た!?」

 

 

「そうね。魔理沙か霊夢か分からないけど……やってくれたみたいね」

 

 

「……上海さんの予想がマジで当たるとは思わなかったんですけどね」

 

 

「上海と何かしたの?」

 

 

「上海さんにこの異変が後どのくらいで終わるかって話してたんですよ」

 

 

「それで、なんて言ってたの?」

 

 

「数日には終わるだろうって。本当に終わっちゃいましたねって」

 

 

「そうね、あの子の才能が恐ろしいかもしれないわ」

 

 

「はははは、ただ雪がなくなってこれで……やっと外に出れますね」

 

 

「ええ、そうね……」

 

 

あれ?やっと森とかの地形を覚え始めることが出来て役に立てるかって思ったけど。

アリスさん複雑そうな顔をしている?

 

 

「ん?そんな顔してどうしましたアリスさん?」

 

 

「いえ、もうそろそろ小野寺君ともお別れねって」

 

 

「あ……」

 

 

魔理沙さんに異変が起こるまではここにいろって言われて、外に出れなくなって今まで居させて貰ったが……元々は今生は幻想郷を回る予定だったしな。

そっか、雪が消えて出られるようになったからもうそろそろ出発し始めなきゃならないと。

 

 

そう思うと、寂しく感じるのだった。

 

 

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to be continued

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