幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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二十七話 彼女達の住処〜mountain of specter.

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妖怪の山、そこは一見見た感じは普通の山と違いがない。

もう夏とも言える季節の中、山は緑に染まり自然が生い茂っている。

付近まで辿り着けば、その壮大さに驚かされた。

 

 

「気を付けて下さいね。まだ麓にすら着いてないとはいえここからは妖怪の山ですから」

 

 

「え?行った瞬間余所者来るなになるんですか?」

 

 

「いえ流石に河童も天狗もここまでは降りてこないので問題はありませんが……」

 

 

「そういえば、山って私達の住処が無くないかしら?」

 

 

「麓付近の集落に空き家があると思うので、其方を使ってください」

 

 

「空いてればいいのだけど」

 

 

「一軒はあると思いますが二軒はどうでしょうねえ」

 

 

二軒は厳しいって言っても、空いてくれなきゃ困る……

流石にここらで野宿する気はないし。

 

 

「一軒空いていれば十分じゃない?」

 

 

「え?」

 

 

「何よ、今更気にしているの?」

 

 

「いや……森では他に家が無かったから仕方ないってのもありましたが……普通に二軒でいいのではと思います。何より貸家な以上狭いでしょうし」

 

 

正直都市部みたいに1LDK酷ければ1DKとかすらなんじゃないかって思う。

それだと流石にアリスさんの家に比べてまずすぎるでしょ……

 

 

「ダメなの……?」

 

 

「いやなんでむしろそうなるんです……?」

 

 

「上海どころか皆もいないし……」

 

 

「寂しいんですか……?」

 

 

返事の代わりに俯いた……

確かに人形多いなとは思ったが、なるほど……

 

 

「本当にこれ記事がガセなんです?」

 

 

「俺の胃が痛くなるのでガセにしておいてください」

 

 

「言い方がもう完全にガセじゃない気がするんですけど!?」

 

 

まあいいですと切り替える。

このまま続いてたら面倒くさかったし助かった。

 

 

「山のルールは沢山ありますが、まず集落付近に着く前は一つだけ」

 

 

「なんでしょう?」

 

 

「野宿禁止です」

 

 

「そりゃ……危険でしょうし……何より今家借りましたしね」

 

 

「それは緊急事態であっても。小野寺さんは絶対に麓まで戻ってきてください」

 

 

「山が迷いやすいからか?」

 

 

「いえ……ここが自然な山だからです」

 

 

「自然ってそりゃそうでしょうと……」

 

 

「人間の手が加わっていない本物の生きた山。自然な山だからこそ……人は耐えきれず魅入ってしまうのです」

 

 

「なっ……!?」

 

 

人が山に魅入るなんて聞いたことがない。

と言うか生きた山って色々と理解が追いつかないんだが……

 

 

「気のせい、ですよね?」

 

 

「やはりと言うか……予想通りと言うか……外の世界では入っちゃダメな山とかなかったんですか?」

 

 

「いや……迷うからとか危険だから入るなとかはありましたが……何処の山も誰かしらが登っていましたね」

 

 

「ですよね……でしょうね……」

 

 

「あの、射命丸さん?」

 

 

「だからこの山の妖怪は人に入られることを嫌うのです。人間が山を荒らすから。人間が歩むことが出来るものへと作り替えるから」

 

 

「……」

 

 

おちゃらけた態度とは違う真面目な表情に変わり息を飲む。

自分達の住処な以上守りたい気持ちは分からなくない。

 

 

「今の妖怪の山はそれこそ名の通り妖怪にとって天国なのよ。だからそれを作り替えようとする人間は嫌われるわ」

 

 

「あの射命丸さん口調、口調!」

 

 

「あっとごめんなさい、新聞記者な以上口調には気を付けているのですがつい素が出てしまいました」

 

 

「そうですか……」

 

 

なんか普段丁寧に振る舞ってるけど素がって似てるような気がする……気にしたところで何もないが。

 

 

「と言うか、それなら俺もこの山に入るのまずいんじゃ?」

 

 

「いえ……貴方一人に山を変える力は無いでしょう?」

 

 

「そりゃ無いですが……」

 

 

あるわけがない。工事用具も人手もないのに出来た方がおかしい。

 

 

「だから良いんです。むしろ都合良さそうですし」

 

 

「都合良いって何……?」

 

 

「それは言いませんけど」

 

 

「そうですか……」

 

 

正直嫌な予感がするが……まあいいやもう何も変わらんだろうし。

 

 

「最後に、山を魅入ってしまうとどうなってしまうんです?」

 

 

「簡単です、山になろうとしてしまうのです」

 

 

「それは……朽ち果てると?」

 

 

山と一体化してしまう、そんな感じなのだろうか?

それならば不味いけど。

 

 

「勿論その可能性もあります。ただ普通は山の怪になるでしょうと」

 

 

「……山の怪ですか?」

 

 

「ええ、天狗であったり河童であったり……果てまた見知らぬ妖怪になる事もあります」

 

 

「……分かりました、しっかりと麓まで戻ります」

 

 

「一日二日なら大丈夫かも知れない……ただその大丈夫はあくまでかもと言うわけです」

 

 

「小野寺君、私はやめた方がいいって言うけど……」

 

 

「いや……行きます」

 

 

「そう……やっぱり変えないのね」

 

 

「はい、アリスさんを頼ることになりますけどね……」

 

 

「構わないわ。そのために来たのだもの」

 

 

今後もアリスさんが居なければ妖怪の山には入れないだろうし、そもそもアリスさんが着いてきてくれるとは思えない。

だからどれだけ危険であっても今しかないのだ。

 

 

「さて!着きましたよ!」

 

 

確かに集落がある、妖怪の山に近いのによく住めるなとは思う。

俺も泊めさせてもらうことになるんだけどさ……数日でも怖い気がするのにずっと住んでるし。

 

 

「では私が入るわけにはいかないので一旦これで!明日麓で会いましょう!」

 

 

「ありがとうございました、射命丸さん」

 

 

そうして一度射命丸さんと別れる。

アリスさんはまだ見た目は大丈夫だけど射命丸さんは完全に見た目が天狗だししょうがない。

 

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

 

「ええ」

 

 

集落へと足を進めた。

 

 

「どうしたんだい?わざわざこの場所まで」

 

 

「少し用がありましてね」

 

 

「ああ、アンタ達も豊穣神様への祈願かい?そうじゃ無くとも歓迎するが」

 

 

豊穣神?知らないって素振りもまずいだろうし一応答えは濁しておこう。

妖怪達に用があるとか言い出すのはあの時みたいに怖いし。

 

 

「貸家ってありませんか?」

 

 

「あるが暫く人が来ないから汚れている……。そうだなぁ……今後も使う人いるかどうか怪しいし掃除とか管理とかしっかりしてくれるならタダでいいよ」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「2軒でいいかい?元から貸すための家だしそこまで広くはないんだけどさ」

 

 

「そうですね……二軒空いてるなら……。」

 

 

後ろを向く、フルフルしている。

 

 

「……一軒で大きい家無いですかね?」

 

 

「貸家には無いな悪いが」

 

 

「……」

 

 

後ろを向く、フルフルしている。

 

 

「……一軒でお願いします」

 

 

「いいのかい?」

 

 

「はい……ダイジョウブデス」

 

 

「恋人だったかい?なら悪いことを」

 

 

「ソウイウノジャナインデ」

 

 

「……気にしない事にしよう」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「それじゃあ鍵だ」

 

 

鍵を貰って家へと向かった。

開けてみると本当に1部屋分くらいしか無いが……その分掃除が行き届いている……お金普通に取られそうなくらいだがこれ。

 

 

「一部屋だけだけど、必要な設備は整っているわね」

 

 

「むしろ無かった方が良かったのまであるなあ……」

 

 

風呂とかは部屋についていずに温泉とかあれば良かったんだが……付いてますかーそうですかー。

まあ外出てればいいか……しんどいけど。

 

 

「急いで仲間達縫えばいいんじゃ無いですか?」

 

 

「それは山で必要って言ってたし、何より借家で持ち帰れない量を作るのも……」

 

 

「常識あるなら2家にしません?」

 

 

「……ダメ?」

 

 

「……分かりましたよ」

 

 

結局押し切られてしまった。

山は大変だろうし山登りとかあるのに俺は夜寝れるのだろうか?

 

 

「明日から妖怪の山に入ります」

 

 

「そうね、トラブルを聞いたり……は私しか出来ないけど、地形を把握したりとかね」

 

 

自分が異変を解決する事にはまずならないが、何処で起きたかとかは重要だし。

なによりも怖くてもちゃんとこの目で見たいしな。

 

 

「地底も仲が最初は良く無かったけど……それどころじゃないんだろうな。人間受け入れられないみたいだし」

 

 

豊穣神や妖怪の山とか気になる事だらけな場所だ……

だからこそ細部まで調べないといけない。

 

 

「(そして万が一異変があったら)」

 

 

自分じゃ何も出来ない分、解決できるようにすることだな……

 

 

「どうしたの?」

 

 

「アリスさん……いえ大丈夫です」

 

 

外が暗くはなっていたが……そうだ、アリスさんがいる……1人じゃないんだ。

あの時みたいに孤独じゃないんだ。

 

 

「うん頑張ろう」

 

 

神様の事ももっと知る。

異変のことももっと知る。この幻想郷でただ無駄死にするような人間にならないようにと意気込んだのであった。

 

 

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to be continued

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