幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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〜放浪編〜
一話 迷子或いは神隠し 〜lost mystery.


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「神隠しと言うものを知っているかい?」

 

 

唐突にそんな言葉を受けた気がする。

高校で授業を受けていたはずなんだが……ふとした瞬間に何かに吸い込まれた感触がある。

ただ記憶は曖昧で……唐突に自分の存在が消えた気がした。

そうして目が覚めて今の光景は……

 

 

「美味しそう……」

 

 

「俺は何も持ってないはずだが……」

 

 

金髪の少女が目の前にいた。

外国の人か?と思ったが話せる事にも違和感があったし……何より目が赤い。

アルビノ、とか言うんだっけか?どちらにせよ普通の少女じゃ無さそうだが……

 

 

「ここは?」

 

 

「ここ?幻想郷よ」

 

 

「幻想郷……?」

 

 

聞いた事がない。夢を見ているのかもしれないが……この子が適当を言っているようには思えない。

目の前の少女こそが明らかな異質なのだから。

 

 

「何処へ行けばいいか分かるかい?」

 

 

「知らなーい」

 

 

「まあ俺が何も言ってないしそうだよな……」

 

 

ここに訪れた人が行く場所があるとか言うのは無いらしい……ならば帰ることを目標としても現状把握が最優先か。

 

 

「俺は小野寺蓮司、君は?」

 

 

「ルーミアよ」

 

 

「なるほど、よろしく」

 

 

ルーミア、その名前からやっぱりこの子は外人かな……?

ただ幻想郷って名前が明らかに日本の地名にも見える。

正確には日本では聞いたことないためアジアの何処かかもしれないが……話が通じる以上現状は日本だと推測する事にする。

 

 

「それで、近くに街などはあるかい?」

 

 

「どうして?」

 

 

「ひとまず街で情報収集をする。幸い君と会話が通じると言う事は、街でも話せそうだしな」

 

 

「だから、どうして?」

 

 

「何故かって……」

 

 

そう言えば焦るあまり俺の今の状況について話して無かった……

そりゃ困惑するだろうな、申し訳ない事をした。

 

 

「今、俺は迷子になっていて困っているんだ。だから近くの街を探して情報を集めようとしている」

 

 

「そうなんだ」

 

 

「だから教えてくれないかなお嬢ちゃん」

 

 

「なんで……?」

 

 

「いや今俺話したよね!?」

 

 

聞いてなかったのかな?いやなるほどって言ったよな……?

えぇ……話通じないタイプだとは思わないんだが……

 

 

「と言うか……外の人間なのかー」

 

 

「何か言ったかい?」

 

 

「なんでもないよー」

 

 

「???」

 

 

話になってない気がする……この子で大丈夫なのか不安になってきたな。

 

 

「街に寄りたいから、分かったかい?」

 

 

「分かったけど……ダメだよ」

 

 

「なんで!?」

 

 

もしかして外部のものは入っちゃいけないルールとかそう言う奴……?

それだったらさっきまでの反応も分からなくはないが……それでももっと早く教えて欲しかったな。

 

 

「だって貴方は餌だもの」

 

 

「……は?」

 

 

驚く間も無く少女が飛び込んで来る。

反射的に手をバタつかせ、追い払おうとしたが、その追い払おうとした腕が喰い千切られた。

 

 

「はぁ……!?なんだよっ……なんだよこれっ!?」

 

 

嘘だろ……?これが現実なわけないだろ……!?

噛みちぎられ穴の空いた左腕を押さえながら必死にどうにかしようと慌てて逃げ出す。

ただし逃げ出そうとしたが周囲を黒が覆う。

 

 

「なんだこれ……暗い暗い暗い!?」

 

 

闇?よく分からない……痛いし暗いしどうなってんだよ……

 

 

「外の人間は襲っていいって聞いてたからね。いただきます」

 

 

「嫌だ……なんd ……」

 

 

首筋に熱が籠る、その直後に痛みが走って何かが抜ける気がして……噛みつかれたんだなと。

 

 

「あ……。」

 

 

何かを喋ろうとするが、喋る言葉も出てこずにその場に倒れる。

次第に俺の体は冷たくなっていった……

 

 

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「……」

 

 

死んだ……と思ったんだが……今俺は野に突っ伏している。

一体どう言うことなんだ?

 

 

「腕は……」

 

 

少し震えながらも腕は生えている……と言うよりも傷すら一切ない。本当に良かった。

周りを見渡すと見覚えのある所であった。

 

 

「さっきまで居た場所……?」

 

 

より正確に言うなら先程目覚めた場所までもが一緒に思える。

なら夢を見ていたのだろうか?

 

 

「正夢なら困るが……」

 

 

妙なリアル感は残っている、本当に自分が死んだようだった。

ただそれならなんで生きているのか謎としか思えないし今はそうだと思い込む。

周りを警戒しつつ進む、少し進んでいくと……先程まで見たはずの少女がいた。

本当に正夢なのではと思い始めて慌てて逃げた。

 

 

「あれ……?行っちゃった……」

 

 

一方少女は自分の方を見るなり逃げていった男の方を見る。

全力で追えば追いつくかもしれない。

ただしリスクもあれば餌を取るのに面倒事をしたくないといった意志で今回は彼のことを諦めた。

 

 

「はっははは……夢ならぶち壊してやったよ」

 

 

少なくとも自分は死なずに済んだと歓喜を上げる。

少なくとも餌にならずに済んでほっとする。

 

 

「そして、これからの事を考えないといけないか」

 

 

信じようとした矢先にあれだ……

証拠が言っていた幻想郷と言う場所にはどれだけあんな奴みたいのがいるかって……正直考えたくもない。

 

 

「街は……」

 

 

先程までは行こうと考えていた……が躊躇ってしまう。

先程のような人喰いの街だったらどうしようもない。

そもそも、人間の街ならさっきのような奴が既に襲っているか……

 

 

「だったらどうすりゃいいんだよ……」

 

 

わけの分からねえ場所に飛ばされて、運良く死んでなかったみたいだが結局ここで生きていけんのか?

知り合いすらいないこの場所で?

 

 

「……」

 

 

死ねる度胸があるわけじゃない、救われたからって誰かに助けられるとも限らない……

ただ……それでも自分は他人を信じるしかないか。

 

 

「次の人がいい人だといいな」

 

 

死んだらそこまでとしか言えないが……どうせこのまま1人では死ぬ。

だからと言って街の場所が分かるわけでもないのが難しいな……

 

 

「聞いておくべきだったか……?」

 

 

ルーミアと名乗ったあの人喰いに……

ただ……また喰われるだけか……

 

 

「とにかく行くしかないか」

 

 

途方もなく進むことになる……何か目印になるものがあれば……

 

 

ドッカーン

 

 

「なんだ……?」

 

 

唐突な爆発音に驚く、爆発物なんてあるのかと。

慌てて音のする方へと向かった。

何かあると、今のこの状況を打開できると信じて。

 

 

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to be continued

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