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異変も無事に終わり、にとりさんが念願の巨大ロボを作り始めた。
本来であれば、もっと巨大な物を作る気だったが流石にそれは止めた。
「よーっし作るぞー!」
「おっおー……」
「なんだ、気迫が足りないぞ!やる気あるのかー?」
「二人でって言っても俺は作れないですし一人で何ヶ月計画ですか……」
「2~3ヶ月もあれば終わると思うぞ!」
「だいぶ掛かるんですが……」
「それはそうだ、ロボットにかける情熱はそれくらいかかるんだ!!」
「分かりましたって……」
にとりさんにせがまれるままロボット作りを見学する。
「こんな感じでいいかな?」
「多分いいんじゃないでしょうか?」
「多分って言われても困るぞ?」
「だって……ロボットの内臓部分までは分からないですよ自分も」
「そんなあ……」
「動くようにとかって難しいですか?」
「当然だろ!?作ったことないんだから」
「えっ……そう言えばそうですよね」
「アリスも2~3ヶ月のうちに戻って来てくれれば助かるが……分からないし一人で作りきる気で頑張る」
「荷物持ったりは手伝いますので……」
「ああ!」
そうしてにとりさんとのロボット製作が始まった。
最初は一週間で結構進むものかなと思いきや……流石に甘かった。
「何も取りかからないのですか?」
「まずはプログラミングとか土台作りだ、その後エンジン作りとか……」
「……」
何を言っているのか分からないので任せることにしよう。
と言うかよく考えたら単独で数ヶ月ならヤバいのも事実だよなあ……
「どうした?」
「荷物持ちに徹します……」
「ああ、そうしてくれ」
毎日通いながら一月が経った。
正直休んだ方がいいと思いつつも、にとりさんがずっとやってるのを見て自分もって頑張ってしまう。
「少しだけ出来上がりましたね」
「当たり前だ……そんなすぐに出来るわけ無いんだから」
「いや、逆ですよ。よくここまで出来てるなって」
「私が天才なのもあるし」
「確かに……それは分かりますが……」
ただ自分で天才って言い出すのはどうなんだろうなってとは思う……いや実際天才か。
「それに、蓮司もいるからな」
「俺は……荷物運んでいるだけですけど……」
「いや、間違いなく君のおかげだよ」
「……?」
俺が何かをしたって記憶はないんだが……
「私にロボットを教えてくれたのは君だ、見せてくれたのだって君だ」
「それは……そうですが……」
「それに、一人ならどうしても飽き性だしね……。君が居てくれた事は何よりの頑張りになっている」
「それならいいですけど……」
「だから……本当に」
「色々な感謝は全て終わってからにしましょう」
「そうだね……」
そうして9月が始まった頃……ついに巨大ロボットは完成したのであった。
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「遂に……遂に完成したぞ蓮司!!」
「えぇ……完成しましたね!!」
「じゃあ乗るかい?」
「乗らせてはもらいますが、ロクな操作も出来そうにないので……乗るだけに留めようかなってとは思います」
「ああ、動かすのは勘弁してくれ……」
流石にこれが動いたら妖怪の山で問題になるだろうししない。
にとりさんに案内されて、そのコクピット内に入る。
……なんだこりゃ?
「あの、中が全然分からないんですが……」
「そうか?蓮司なら分かってくれるって思ったんだけどな」
「いや……巨大ロボットだってアニメとかの世界で実在してたわけじゃありませんし……」
「分からないなら仕方ないが……私もこれを動かすのはまだ不安があるな」
「そうなんですか?」
「天才とは言ったがまだ経験もない未熟だしな……いずれこれ以上のロボットを作ってやるって」
「応援してますよ、俺は」
ロボットに乗れてワクワクが止まらなかった。
実際、降りた今でもまた乗りたいと思うほどには男のロマンがあの中には詰まっていた……
「今はまだ……腕が未熟で所詮は偽想天則でしかない……。だがいずれは本物の非想天則って奴を作り上げて見せると!」
「非想天則?物凄い名前ですね」
「そしたら一番に乗ってくれるか?」
「断言は出来ませんが、一番に乗れるものなら乗りたいですし動かしたいですね」
「そこは嘘でも断言しろよー、盟友だろう?」
「盟友だからこそ絶対ではないものに嘘はつきたくないですけどね……」
「……それで蓮司、これからどうするんだ?」
あっ唐突に話を変えた……
まあ構いませんが……俺もなんだが恥ずかしいこと言ってるなあって思いましたし。
「それで、どうって言うのは?」
「これからだよ、アリスはまだ帰ってきていないようだけど異変は終わっただろう?」
「ああ、そう言われるとそうですが……」
異変が終わってから二ヶ月くらい経ったが未だに帰って来ない。
射命丸さんが言うには用があって紅魔館に籠もっていると聞いたが……吸血鬼達の元で大丈夫なのだろうかと。
「そうですね……一旦頂上には行ってみたいと思っています」
「人間が行くには適した地では無いと思うが……」
「それでも気になるので、山も全部回ってみたいですしね」
「……何も無かった気がするが、気を付けろよ蓮司」
「了解です、にとりさん」
頂上には本当に何も無いんだろうとは思う。
ただ……それで俺の妖怪の山探索は終わりなのかな?
そう思うと、確かに余所者的なムードはあちこちにあったけど、それでも優しい妖怪達が多かった気がする。
麓の方では人間に友好的な神様達だっていたし。
「にとりさん。」
「なんだい?」
「またいずれ、この山に来たいって思いました」
「そりゃそうだろう、だって非想天則に乗ってもらわなきゃならないんだからね」
「そうですね」
また山に来なきゃいけない理由もあったなって思いつつ、今回の調査が終わってもいずれまた来ようって笑うのであった。
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to be continued