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レミリア・スカーレット
人間では無く吸血鬼と聞いている……
青みがかった銀の髪に薄いピンクの、レースをあしらった服
顔つきはこの前の兎同様、真っ赤な目をしているだけで表情には高貴さを感じる気品はあるものの……あどけなさが残っている。
どう見てもただの少女にしか見えないが……
「翼……」
人間には存在していない異質な物。
翼、それが彼女に生えており人間である事を否定している。
そして何より、春雪異変の前……紅霧異変を起こした張本人だ。
「それで、私は名乗ったのだけど」
「あっすみません、小野寺蓮司と申します」
「小野寺ね、それで貴方は何をしているの?」
「博麗の巫女に会いに」
「巫女に懸想しているようには思えないけど、何かあったのかしら?」
「異変の相談に……」
「異変ねえ……」
異変と言う言葉にクスクスと笑っている。
一体なんだって言うんだ……?
「小野寺」
「……なんでしょうか?」
「異変はもう解決したわよ」
「え……?」
そんな馬鹿な……あの異変はもう終わって?
「貴方が頼もうとした博麗の巫女が異変を解決したわよ」
「なるほど……終わったなら……良いですが」
「しかし不思議な異変だったわね、宴会だらけだなんて。ウチでもやれば良かったかしら」
「違っ……」
その異変じゃない、俺が言いたい異変は……
「何が違うのよ」
「その異変ではないです」
「だったらなんだって言うのよ?変なこと言ったら命は無いわよ」
少なくとも紅霧異変と言えば命は無いだろうな……、ただ嘘を言っても見破りそうな透き通る目をしている。
……信じてくれるか分からないが、話すしか無い。
「満月が欠けて、夜が永遠に終わらない異変です」
「そんな異変、存在しないわ」
「これから起きます……」
「そう……それで貴方は未来でも見えるのかしら?」
「いいえ、その異変で死んでここに戻って来たんです」
「死んで……ねえ……」
「だから、霊夢さんにお話を……」
…
「あれ?」
俺は博麗神社に居たよな……?
なんでまたここに……
「まさか……死んだのか俺は?」
ここに来たって事は死んだのだとは思う……ただしなんで?
「状況的には吸血鬼、レミリアさんか」
見えないレベルで殺されたと言うことになる……
「近づかない方がいいか……?」
また彼女に殺される。そう思うと身体がゾッとした。
……一瞬で死んだから認識できなかったんじゃ無いかって思う。
「そもそも危険でしかないし……。」
ただ……異変解決には霊夢さん達の力が必要か……
「面白い運命ってのがなんだか分からないけど……」
怖いのは事実だが、もう一度だけ行くか……?
命を大事にしろって文さんに言われたけど……必死に生きたからこそ手に入れた情報を抱え落ちる方が最悪だ。
「それに、あの吸血鬼は名乗った」
元は敵対しようとする雰囲気は無かった。俺の失言が原因だろうし……失言じゃないんだけど、聞く話では馬鹿にされたようにしか思えないか……
「……話し合える筈だ」
そう思い、同じ行動を取って博麗神社へと向かった。
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当然と言えば当然だが……博麗神社で待っていると彼女が来た。
「あら……貴方、待っていたって顔ね」
階段を登って来て俺の顔を見るなりそう呟く。
一応あちらからは初対面の筈なんだが……
「顔に出ていました?」
「ええとても、まるで最初から来るのが分かっていたよう」
「殺されましたからね」
そう言うと笑い出す、失言ではなさそうだが。
「貴方が本当に殺されたとして、また同じ所に来るなんて馬鹿じゃないのかしら?」
「馬鹿なりに話したいと思ったので」
「へぇ……」
そう言いつつ俺の方をじっと見てくる。
背筋が凍りそうだ……
機嫌を損ねていつ殺されてもおかしくないと不安が募る……
「馬鹿だって言う割には心得ているわね。自分は死なないとでも思ってそうなら殺したのだけど」
「一度殺されてますしね、もう一回殺すなんて容易……」
「止めなさい咲夜」
「しかしお嬢様……」
「私は止めろと言ったの」
「はっ」
なんだ今?身体が固まった?
話を聞くにメイドが何かをしようとしたのか?
「ごめんなさいね、躾のなってないメイドで」
「何が起こったかさっぱりなんですが……」
「戻ったと抜かす癖に?」
「はい、何で死んだのか分かってませんので」
「……」
「何かダメでした……?」
「貴方、名前は」
「小野寺蓮司です」
「そう、じゃあ小野寺……この私に何を望む?」
「
「……いいわ、話しなさい」
危ねえええええええええ、こう言う感じの話し方で良かったのか……
前回ワケも分からず殺されて、そのまま会ってムッとすることもあって強気で出たが合っていたようで良かった……なんかカッコいい話し方とかに憧れるタイプ?
ともかくこれで舞台は作れた
「この後、秋に異変が起きます。俺はそれを霊夢さんに伝えるために来ました……ついでですがこの話をしたら俺は殺されました」
「……」
「心当たりありますか?」
「ええ。始めに滑稽な話って言うのと、殺されたと話をしていなければ私は貴方を切り刻んで居たでしょうから」
「……お気に召していただけたのなら結構です」
「それで、貴方は何を見たの?」
「止まった夜と、欠けた満月です」
「へぇ、それで何が困るの?」
「竹林に住む少女は妖怪達が満月の恩恵を得れずに苦しんでいると」
「なるほどね」
「異変は人間が解決するもの、そう聞きましたから博麗の巫女、或いは霧雨魔理沙さんを頼りにここに来ました」
「面白い冗談ね」
「生きてと言われた俺が命を掛けてこの噺が浮かんだってわけでして」
「秋でいいのね?」
「はい。秋にありました」
「咲夜」
「お嬢様、本気ですか?」
「ええ、咲夜は人間だし私達でも問題ないわね」
「え?」
「どうしたの?貴方が言い出したのじゃないの?」
「それはそうですが……」
「所で、先程の噺家の様な口調はどうしたの?」
「道化ぶってる方がいいと思いまして……」
「その理由は?」
「吸血鬼にとって人間は餌だから……ならば人より道化になろうと」
俺はさっきから何を言っているんだろうな。
生きようとするために、口だけがペラペラ話してる気がする。
「道化師としての貴方も面白いけど、人間としての貴方の方が面白みがありそうね、それで居なさい」
「分かりました……しかし何やら嫌な予感がするんですが……」
ご名答と言わんばかりに距離を詰めてくる。
逃げたくなるが、その微笑みに背筋が完全に固まる。
「
わざわざ寄せて、耳元でそう囁くがそれと同時に爪は胸へと触れている。
逆らえば心臓に突き刺すぞと言わんばかりに。
こうしてハイエースと言わんばかりに俺は紅魔館へと連れて行かれた。
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to be continued