幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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三話 人里での暮らし 〜better living.

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里に入ってはじめに言われたのが、珍しい服装をしている。だ

確かに俺の服装はここでは目立つが……

私立だった故に普段着なのだが、皆にとってはこれでも珍しいっぽいな。

 

 

「確かに作業服のようだけど、そんなに珍しいですかね?」

 

 

「ああ、初めて見るな」

 

 

「そんな田舎にも思えないんだがな……」

 

 

見る限り確かに里の名のように地元から少し離れた村のような感覚はある。

ただ……それでも服はそれなりのを着ていたはずだが。

 

 

「どっかでそう言うものがあるのかな」

 

 

「服屋とか寄らないんですか……?」

 

 

「服屋……」

 

 

そうは言われてもこの里には無いかな……?

それなら替えの服が心配なところはあるが、まあそもそも持ってるお金使えるか不安だが。

 

 

そう気楽に思っていたが……

 

 

「もしかしてあんた、外の人間か?」

 

 

「外……?話が通じる以上外国では無いと思いますが……」

 

 

「外国ねえ……」

 

 

「何かありましたか?」

 

 

何か失言したのだろうか?

ここがかつての日本だったらアウトだが……流石にそうは思わないし。

 

 

「いや、アンタが本当に外の人間だなと」

 

 

「外って……どう言うことでしょうか?」

 

 

「村に詳しい奴が居るから、ソイツに聞くといい」

 

 

「長とかですか?」

 

 

「ここに……いや幻想郷に人間の長なんていないよ」

 

 

「……?」

 

 

疑問に思いながらもそこへと向かうことにした。

まずは里に入って何やらやることはあるだろうけど、それ以上に現状が気になったからだ。

 

 

「ここについて知ることができるかな」

 

 

幻想郷について、そして外について……

帰る手がかりがあるかどうかだ。

 

 

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「やあいらっしゃい」

 

 

「すみません」

 

 

「いや構わないよ。それで何の用だい?」

 

 

「幻想郷と外の世界について話してくれるって聞いたんですが」

 

 

「君は外の世界の住人なのかい?」

 

 

「外の世界って……?疑問に思ってばかりなんですが……」

 

 

さっきと同様に同じ話だ、だが外の世界ってどう言うことなんだろう。

 

 

「……君は幻想郷と言う場所を知っているかい?」

 

 

「いえ、ここに来てから初めて聞きます」

 

 

「だろうね、ならば君は外の人だ」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「そうして幻想郷に迷い込んだ……忘れ去られたのかどうか分からないけどね」

 

 

「迷い込んだですか……?」

 

 

「変な場所に来なかったかい?」

 

 

「いえ、高校で授業中でした」

 

 

「……ん?君の出身は?」

 

 

「日本ですが?」

 

 

「そうか、ならボクと同じか」

 

 

「同じってここは日本じゃ無いんですか?」

 

 

「そう思ったかい?」

 

 

「最悪過去も考えましたが……田舎かなと」

 

 

「昔の時代……まあそう考えられないこともないけど……違うよ?」

 

 

「そうなんでしょうね……この服を珍しがるのも違和感でしたし」

 

 

「ボクも違和感あるけどね……だいぶ昔に幻想入りしたから」

 

 

「幻想入り……」

 

 

「今の話で予想ついたかもだけど……ここは異国ってより異世界って考えた方がいいかな」

 

 

「異世界……」

 

 

友人がよく言ってたが、異世界行きたいなって。

呆れながら聞いてたが俺の方が異世界に行くなんざ予想出来ねえよ。

 

 

「それで、君はどうやって?」

 

 

「授業中に神隠しって言葉を聞いてここに来ましたが……」

 

 

「神隠し……」

 

 

やっぱ言われても戸惑うよな……神隠しなんざ普通はあり得ないし……

 

 

「賢人様か……?」

 

 

「心当たりあるんですか?」

 

 

「どうだろうね……自信はないけどそうかなって思う人はいるんだ」

 

 

「マジですか……」

 

 

神隠しをさせる人に心当たりあるって相当やばいな。ただ……その人に聞いてみるべきかな?

 

 

「ちなみにその人は?」

 

 

「残念だけど会うことは出来ないね」

 

 

「え?なんでですか?」

 

 

会うことができない人って遠くに住んでいるってことか?

それならそこを目指すけど……そうでは無さそうだな。

 

 

「そもそも人間じゃないんだ」

 

 

「……え?」

 

 

人間じゃない……なら動物とかか?

そんな特殊能力を持った動物とかがいたら大変だとは思うが。

 

 

「信じられない話だと思うが……妖怪がこの世界にはいるんだ……」

 

 

「は?」

 

 

いやいやいや……妖怪って……何を言ってるんだ。

そんなものいるわけが……

 

 

(だって貴方は餌だもの)

 

 

ルーミアの発言を思い出す。

明らかに人間同士の発言に思えなかった。

 

 

「もしかして、ルーミアって妖怪もいます?」

 

 

「会ったのかい!?」

 

 

「はい……」

 

 

「よく生きてこれたね……本当に良かった」

 

 

「……そうですね、運が良かったです」

 

 

案内してもらったとかは言うわけにゃいかないなこれは……

 

 

「里の人間は襲わないけど、外の人間は襲う。だから彼女の餌になった人間は多いんだ」

 

 

だから夢では喰われたし外の人間って拘っていたのか……

ただ……そう考えるとだいぶリアル過ぎる気もするんだが。

 

 

「他にもだいぶ妖怪がいる、正直里の外は危険だらけだ」

 

 

「……そうですか」

 

 

「さっき言った神隠しを起こすのも妖怪だしロクでなしでもある」

 

 

「どうしようもないですか……?」

 

 

「確か、誰かを頼れば出れたはずなんだが……ここの里は閉鎖的で思い出せないな」

 

 

「なら……次の里向かった方がいいですかね?」

 

 

「いや、やめた方がいい」

 

 

「どうしてですか?」

 

 

「周りの雰囲気を見ればわかると思うが今は秋だ」

 

 

「そうみたいですね。ここは現実と変わらないのか」

 

 

「そうすれば冬が来る、恐らくは君がいた場所の冬とは桁違いで出ることも厳しいケースが多い」

 

 

「そんな……」

 

 

ただ確かに暖房も明らかに無いのだろう。

そう考えると携帯の暖を取るアイテムもないだろうしかなり厳しいか……

 

 

「だったらどうすればいいんですかね?」

 

 

「ここの里で冬を過ごすと良いさ」

 

 

「良いんですか?」

 

 

「流石に冬に追い出すわけには行かないしね、食糧も薪も余裕がある」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「同郷の人間だし仲良くしたいしね。なんならここが気に入ったらずっといてくれて良いと思うよ」

 

 

「分かりました」

 

 

こうして俺は里に迎え入れられた。

バイト経験はあったものの、それでも流石に村での仕事は結構厳しいものだったが……それでもなんとかやってこれた。

 

 

「良い人ばかりなのは本当に良かったな」

 

 

そうして秋が過ぎ、冬を迎え、里は春を迎えようとしていた。

 

 

ただし春を迎えることはなかった。

 

 

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to be continued

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