幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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四十九話 メイドの休みは何処行った?〜maid holiday.

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翌日から紅魔館をうろつくことが多くなった。

忙しそうな場所があれば手伝ったりするのだが……この紅魔館では忙しい場面が少ないどころか滅多にない。

 

 

「妖精メイドも数は見かけるんだけど……ほとんど仕事してないんだよな……」

 

 

サボっていると言うわけでは無くて、仕事が無くなっているようだ。

これも咲夜さんが全部の仕事をすぐに片してしまうからだが……

 

 

「大変じゃないんですか?」

 

 

紅茶を淹れて足を止めているタイミングに尋ねてみた。

本当は今聞くことじゃないんだろうけど……それ以外の時間は彼女が捕まらないのだ。

 

 

「何がですか?」

 

 

「この館を全部一人で請け負うって」

 

 

「自分でやった方が一々確認せずに完璧かどうかを分かる事が出来るので」

 

 

「それはそうかもしれませんが……」

 

 

「任せたところで、杜撰だったらただ掃除するだけよりも尚更面倒なだけだもの」

 

 

自信家なのは分かるレベルの腕だが……それじゃあちょっと妖精メイドさん達が可哀想な気もする。

 

 

「身体は大丈夫なんですか……?」

 

 

「問題ないわ、私は人よりは特殊だもの」

 

 

「そうは言っても……」

 

 

「だったら貴方は完璧に出来る?」

 

 

「え?」

 

 

「どうかしら?」

 

 

「毎日だと……自信は無いですね」

 

 

「そうでしょ、だから気にしないで大丈夫よ」

 

 

そうは言っても心配なのだが……

休みの日どころか休んでる姿すら見てないし……

 

 

「言うのは野暮なんだろうけど……」

 

 

少しレミリアさんに聞いてみるか……

多分レミリアさん的にはこれでいいんだろうけど……ただ心配だ……

どうにかならないものかと考えながらレミリアさんの部屋へと向かった。

 

 

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「咲夜が気になるって?」

 

 

「まあ大まかに言うとそうですね……」

 

 

わざわざ誤解を招く様な言い方をしているが……大雑把だと事実だし、否定すれば面倒になるのがこの人だ……

 

 

「恋人って冗談は面白くないわね」

 

 

「遊ばないでくださいよ……」

 

 

「小野寺、ワーカーホリックって知ってるかしら?」

 

 

「仕事をしなければならないって、しないと不安になる人ですかね?」

 

 

「それもあるけど、仕事が楽しくて仕方ない人もいるのよ」

 

 

「咲夜さんはそうだと?」

 

 

「ええ、予想は付いているでしょ?」

 

 

「……それはそうですが」

 

 

「それに、咲夜に仕事時間なんて無いわよ?」

 

 

「え?」

 

 

仕事時間がない……どう言うことだ?

 

 

「咲夜には好きな様に働いて好きな時間に休めと言っているわ。紅茶だけは淹れて貰う事があるけど」

 

 

「……ありましたね」

 

 

つい最近見たばかりな気がする……

ただ……休みは自由にか。

 

 

「そう言うと、責任感を感じたり……」

 

 

「咲夜は無理な時は休める人間だもの、私から言い出す事はないわ」

 

 

「そうなんですね……」

 

 

「それに、休めと言われて休むのはそれももう仕事よ」

 

 

「そう言われると……そう……なのか?」

 

 

確かに言われた休憩は取りたい時じゃないのが殆どだし、嫌な事もある。

そう言われると確かに取れるなら言うよりも取って貰うべきだって思った。

 

 

「まあ、そうね……一応私も心配ではあるのだけど」

 

 

「……休めって言い出すのもちょっとって話だったって事ですしね」

 

 

「そうなると……小野寺、ちょっといいかしら?」

 

 

俺は一体何をさせられるのだろうか?

 

 

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「あっ咲夜さん」

 

 

「何かご用でしょうか?」

 

 

資材を運んでいる様だ……何処で使うんだこれ?

 

 

「持ちますよ」

 

 

「大丈夫です、やりますから」

 

 

「持つくらいなら咲夜さんも見れるでしょう?」

 

 

「……分かりました。お願いします」

 

 

そうして渡されるが……結構重いな。

これを持ち運ぶのは大変そうだが……

 

 

「……お嬢様に何か言われたんですか?」

 

 

「え?」

 

 

「大方休ませろとか、手伝えとか」

 

 

「言われはしましたけど……」

 

 

「なら必要ないわ、私は大丈夫だから」

 

 

そうして咲夜さんは預けた荷物を取ろうとするが……

 

 

「いえ……別に仕事を手伝えって言われたわけではないです」

 

 

「じゃあなんて言われたのよ……」

 

 

「昨夜さん同様に自由にしていいと、俺の場合は紅茶を淹れるでは無くて、レミリアさんの話し相手をするってわけですが」

 

 

「……そう」

 

 

「だから自由でいいなら迷惑にならない様に、咲夜さんの手伝いをすればいいかって」

 

 

「貴方じゃ到底終わらないわよ」

 

 

「勿論、全部はやれないって思ってますし出来ることくらいですよ」

 

 

「……」

 

 

その言葉に黙る、あれ?なんか悪い事言ったっけ?

 

 

「常人とは違うのよ?」

 

 

「それは知ってます」

 

 

「時を止められる……だからこのくらいの仕事は短い時間にサッと終わるわけよ」

 

 

「……時を……ですか?」

 

 

そんな能力があったんだ。

あの時レミリアさんが止めたのも恐らくそれだろうし……何より、俺が博麗神社で死んだ原因ってまさか……レミリアさんの方じゃ無くて?

ただ今の問題はそこじゃない。

なによりも大変な事が……

 

 

「だから心配ないわ、一般人の貴方に頼らなくて……」

 

 

「だったら人一倍疲れてるってわけじゃないですか!」

 

 

「え?」

 

 

「ほら残りの荷物も持ちますよ!全部持ち運びますから」

 

 

「え……?」

 

 

やっぱりと言うレベルに凄く重い……

ただそれ以上に仕事をしている咲夜さんの方が疲れているはずだ!

 

 

「これなら大丈夫って仕事は俺もやっていきますから、好きな様に頼ってくださいな。その方がいいんで」

 

 

「えっと……」

 

 

「じゃあ運びますね」

 

 

返事も待たずに運び続ける。

重いがなんとか踏ん張ったおかげもあって大丈夫だった。

そしてそのままポツンと咲夜さんだけが取り残される……

 

 

「……変な人」

 

 

そう言いながらも咲夜さんは微かではあるが、蓮司にバレないように笑っていたのであった。

 

 

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to be continued

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