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太陽が一番高い頃、レミリアさんの部屋へと赴く。
廊下も夏の日が差しているはずなのだが……涼しくて驚く、なにか魔法の類なのだろうか?
そうして部屋のドアをノックする。
「入ってらっしゃい」
「失礼します」
そしていつも通り人形を使って話し相手をする。
「一ついいですか?」
「何かしら?」
「廊下や部屋が涼しいのって何かあるんですか?」
冷房の類は幻想郷で見たことはないし、何か仕掛けはありそうだが……
「ああ、そう言えば会ったことなかったわね」
「会ったこと?」
「図書館に熱対策してくれる友人がいるのよ、そう言えば最近図書館に籠りっきりね」
「聞いたような聞いたことないような……どっちみち図書館って入らない方がいいって言ってた場所ですよね?」
「そうね、禁止はしてないけど……絶対迷うからね」
「確かに館も大きいですが……図書館でも迷うんですか?」
「この紅魔館以上に大きいもの」
「……え?」
「魔法でね、図書室を大きくしてるのよ……正直どのレベルかは分からないわ」
「……見ただけでも大きいのに、この紅魔館まだまだ広そうですね」
拷問部屋らしきであろう地下もあるって話だしな……本当に広いな。
「図書館は起きたら案内するわ、だから今はお話ししてちょうだい」
「分かりました……が本当に好きですね」
「そんなことは無いわ」
そう言いながらレミリアさんがワクワクしているのが伺える、さて今日は何を話したものか……
頭の中で物語を思い出しつつ、人形を動かし始めた。
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「絶望的な状況の中……少女はどう立ち向かうのか」
「……」
ソワソワして見ているのが分かる。
と言うか寝る前に話すって事だったのに、いつも終わるまで寝そうな雰囲気はないよなあ。
「それでは、続きはまた次回」
「は?」
「え?」
「今やればいいじゃ無いの」
「……」
ああそうか、幻想郷にはアニメ等無いから次回へ続くが無いのか……ただ困った、このままじゃレミリアさん寝る前に夕方になる。
……寝なくても良さそうだけど……何か理由は……
「人形を明日までに作るので……」
「あら、人形はあるでしょう?破れたりはしてないし」
「数を増やしたいので」
「……この後図書館行くのでしょう?」
「まあそうですけど……その後に作ります」
「無理はするなと伝えた筈なのだけど……」
「やりたいようにやるのは許してくれるって話ですしね」
「結局貴方もワーカーホリックじゃない」
「いやいや、咲夜さんと比べると全然どころの話では無いですよ」
「だったら貴方だって妖精メイド達よりも働いているわよ」
「それはそうかもしれないですけど……」
それも全部咲夜さんが頑張っているからであって、俺がやってるって言うよりも完全にやる事が無いような……
「それとも、貴方にとっては働く事が当たり前だったの?」
「まあ、働かないとどうしようもないですしね」
高校生でもバイトだってしたしな。
お嬢様だから優雅に過ごしているし、使用人にも優しいけど……色々とズレている?
咲夜さんにも自由って言ってるし正確なのが分かっていない?
「そう、学生しながらは大変でしょうに」
「そうでもないですよ、慣れてしまえば……!?」
ちょっと待て……今この人なんて言った……?
「クスッ」
「……なんで?」
「外の知識を全く知らないと思った?」
「まさかアニメとか知っていて……」
「アニメ……?いいえ、それは知らないわ。だからこそ楽しみなんだし」
「じゃあなんで……」
「幾ら何でも知らないことを知り過ぎてるからよ」
「それは……話さないと何があるか分からないですし」
「そこまで知ってる事は無いけど、当たったようで良かったわ。それともこれも運命なのかしら」
「運命ですか……」
そうして彼女はクスリと笑う。
「まあバレたのなら仕方ないですけど……」
「妖怪と外の人間の関係については知らないの?」
「……知ってますけど」
「だったらどうなるか分かるわよね?」
「……レミリアさんがその気なら」
「そう、ならいいわね」
首筋へと牙が入る。
直後、虚脱感を感じる……血を吸われている……?
そう言えばそうか吸血鬼だもんな……血を吸ってもおかしくないか……?
「……」
無言で血を吸われ続ける。
このまま渇き果てるのか……
「ぷはっ」
「……全部吸わないんですか?」
「吸って欲しかったの?」
「そうではないですが……」
結果的に献血とかよりも吸われた血の量は少ない。
少しだけくらっとするが問題ない。
「いつもは咲夜から血を貰っているのだけど、貴方が働き過ぎだと言ってたから貴方から貰う事にしたわ」
「言ってくだされば良かったのに……」
「内緒にしていた貴方へのケジメもあるしね、それに……」
「それに……?」
「いえ、やはりいいわ」
「そうですか……」
何を言い出したいのかは気になるが……今はそれ以上に少しだけ休みたい……
「一つだけ聞かせて」
「なんでしょうか?」
「私が怖くないの?」
「怖いですけど?」
「え?」
「いや……前にも言ったじゃないですか。恐れているって」
「だったらなんで落ち着いていられるのよ」
「逃げれるなら逃げますけど……ここに来てしまった以上はもう死ぬ時は簡単に死ぬしとは思ってますし」
「軽いのね」
「少し前に見た地獄……あれだけは二度と起こしたくありませんから……」
「だから媚売っておこうと?」
「そう言うわけではありませんが……。後は……」
「後は?」
「怖いですが意外とレミリアさんが優しい人物だって事も知れたので運が良ければ生き残れるかなと」
「運……ね」
「ダメでした……?」
「運命を操る私に対して言い切るなんて大した度胸ねと」
「それ以上に情があるって思うしかないので」
「やっぱ、道化らしい部分は見せかけだったのかと思いきや、少しだけ残っているわね」
「不満ですか?」
「いいえ、ただの扱いやすい人間なんてつまらないもの。だからこそ面白いのよ」
「お気に召したようで」
「図書館の友人も気に入ると思うわ、予定通り行くから今は一度休みなさい」
「そうしますね……少し疲れたので……」
「なんだったら棺桶にでも入る?」
「……遠慮しておきます」
「遠慮なんてしなくていいのに」
笑いながらそう答える。
恐怖はあるって言ったばかりだし、それ以外の意味でも絶対に楽しんでやってるなこれ……
純粋な恐怖も嫌だが、こう言ったのも正直苦手だ。
「それじゃあ夜に部屋に来るように」
「分かりました」
こうして一度休息をとって図書館へと向かうことになる。
何があるのか、異変についてあったりするかな……?
……外の世界についてあったりするのだろうか?
そんな事を考えていた。
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to be continued