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「小野寺、図書館にでも行って来たらどうかしら?」
「え?急にどうしたんですか?」
「そのついでにパチェを呼んできてちょうだい」
「用件があるならそう始めから言えばいいのでは……?」
「……」
「すみませんでした」
不機嫌そうになるレミリアさんの顔を見てそれ以上は何も言わないことにした。
そのままレミリアさんが用があると図書館のパチュリーさんに伝える。
「分かったわ」
「やけにアッサリですね……」
「何か?」
「いや……パチュリーさん籠っている割には簡単に出るんですねって」
「それはそうよ。だって……いえ、今はいいわ」
「?」
「私が帰ってくるまで図書館から出ない事、何かあったら小悪魔に言いなさい」
「分かりましたが……気まずいんですが」
「どうして?」
「遊びなのか本気なのか分かりませんが……迫られてまして……」
「あら?男冥利に尽きるじゃない」
「はぁ……」
唖然としながら、パチュリーさんを見送った。
その直後耳をピョコピョコさせながら小悪魔さんが出て来た。
「男冥利に尽きるですよー小野寺さん」
「そうですか」
「なんかアッサリとしてますね今日は」
「ペースに乗せられるとロクな目に合わない事を分かっていますので……」
「Booo!」
「膨れたって困ります……」
「もう……可愛げがないですねえ」
「可愛いと言われて喜ぶ男は少数ですよ……」
「じゃあ少数なんですね!」
「……それで、パチュリーさん達は何の用があったんですか?」
「うん?」
「いや、何か重要な用があったんですよね?」
「それはそうだけど……お客様にはあまり伝えたくないかな」
「伝えたくない……?」
「すみません……」
「……いえ、構いませんが」
俺に伝えられないってことはなんだろうって思うけど……
もしかして人間だから?
「(人狩りとかしてるのだろうか?)」
流石に目の前に小悪魔さんが居るのに言い出しはしないが……その可能性すらも考えられるんじゃないかって。
「顔色が悪いですがどうしました……?」
「いえ……大丈夫です」
「……!ああ一つだけ言っておきますと非人道的な事ではありません」
「そうなんですか……?言えないからそう言うこととばかり」
「……ただの身内の恥ですよ」
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「……フラン、またなの?」
紅魔館の地下、レミリア・スカーレットは現在そこに居る。
その先には閉じ込められた部屋に一人の吸血鬼がいた。
フランドール・スカーレット
レミリアの妹であり、髪の色は金髪でその翼は七色の水晶で飾られている。
「魔理沙は?」
「魔理沙は来てないわよ」
「なんでなんで!!魔理沙は来てくれるって言ったのに」
「……そのうち来てくれるから待ちなさい」
「嘘」
「……何がよ」
「来てくれないんでしょ?」
「私にだって分からないわよ」
「そっかー、そっかそっか。魔理沙は噓を吐くんだ!」
フランは拳を握る、それと共にドアが壊れる。
「……落ち着きなさいフラン、いい子にしないと来てくれないわよ」
「どうせ来てくれないもん……だから会いに行く」
「ダメよ……」
粉々にされた扉を見ながら制止する。
ありとあらゆるものを破壊する程度の能力。
その名前に恥じない事はこの扉が証明してくれている。
「フラン……」
「あっはっはっはっは。」
「咲夜、パチェ……やるわよ」
二人に言って妹を止めようと動き始める。
三人でも精一杯なのだが……
「くっ……」
どうすればいいのか。
いつも通り行けばいいが……毎回うまく行くか不安がある。
「ダメだよお姉様、余所見しちゃ」
「うあっ……」
直撃を避けるが……破壊された床に足を嵌めてしまう……次は避けられない。
「フラン……」
「バイバイお姉様」
どうにか躱そうとするが……遅れる。
全く……小野寺を死なない様に避難させたのに自分が死ぬなんて……
「……お姉様?」
「どうしたのフラン?」
「お姉様……それ何?」
フランの狂化が少し治まった?
一体何に興味を持ったの……?
「それ……人形?」
「ええ……人形よ」
小野寺が物語に必要だからと言って作った霧雨魔理沙の人形。
何故幻想郷の住人を人形に……?と思ったが結果的に助かったかもしれない。
「フランお嬢様、それは霧雨様がまだ忙しくて来れないからと。」
「えぇ本当!?」
「咲夜……。」
咲夜は口に人差し指を当てる。
喋るなって事だろう。
「本当は弾幕ごっこしたいけど……早く来ないかなー」
人形をズタズタにしながら喜んでいる。
もうアレは人形の機能を成していないが……フランが落ち着いたならいいだろう。
「意外な才能と思ったけど……私だけじゃなくてフランにも効果があったのね」
「それで、どうするのレミィ」
「どうするって?」
「その人形を作った彼の事よ」
「……そう……ね」
元々彼は暇潰しも兼ねて招いた人物だ。
それがこの紅魔館に必須の人物となってしまったならどうすればいいのだろう?
「彼が紅魔館から去るって言ったら大問題よ」
「媚びでも売っておくべきかしら?」
「似合わない事はするべきじゃ無いと思うわよ」
「でも男なんてそう言うのでイチコロでしょうし」
「小悪魔に迫られて困ってると言ってたけど?」
「……万策尽きたわ。」
「早過ぎないかしら?」
「だったらどうしろって言うのよ!!」
ウーウー言いながら文句を言う。
本当になんでこんな悩まなきゃいけないのか理不尽だ。
「……普通に頼めばいいんじゃ無いの?」
「それは私のプライドが許さないわよ」
妹の為ならなんだってする気でいた。
その妹が少しでも暴れなくなるって言うなら嬉しい事この上ない……
まだ外には出せないかもしれないけど……人形は壊しても手当たり次第壊すことが無くなれば……
「……。」
「……対価は保留にしたら?」
「……そうするわ。」
悩めば悩むほど分からなくなる。
彼にはお願いするとして、褒美は後で考えるとしよう。
妹が落ち着ける事を願いながら、いつかまた二人で館の中で笑い合えると信じて……
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to be continued