幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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六十話 少しズレた世界〜I'm not.

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宴会が行われると咲夜さんは言っていた。

勿論、俺は参加する事は出来ないのだが……

 

 

「……まあこの脚じゃ行きようもないしな」

 

 

車椅子なども存在しているように思えない。

魔法で空を飛べるなら歩けただろうけど……

 

 

「はぁ……まあ異変は終わったんだからいっか」

 

 

今は今後をどうするかだけど……

咲夜さんは足を治すと言っていたが……正直そんな希望は無いか。

 

 

「一人だけ……可能性はあるけど……」

 

 

永遠亭の住人、月の頭脳こと八意永琳。

彼女なら俺の脚を治すことも可能なんだとは思う。

ただ……少し前まで異変を起こしていた上に、退治されたばかりだし色々と叶わないだろう。仕方のない事だ……

 

 

「入るわよ」

 

 

「えっ」

 

 

返事も待たないまま入って来た。

声だけだと誰だって思ったけど……霊夢さんか……

 

 

「……」

 

 

「……えっとこんにちわ」

 

 

「……脚、どうなってんのよ」

 

 

「少し悲惨な事故がありまして……」

 

 

「悲惨って……それほどで済むレベルじゃないでしょ」

 

 

やはりと言うか何と言うか……皆脚の事を話すか……

正直どうしようもないから放っておいて欲しいのだけど。

 

 

「まあ……異変は終わりましたし……」

 

 

「……」

 

 

「霊夢さん、どうしました?」

 

 

「アンタ……元は私に異変解決の依頼をするつもりだったみたいね」

 

 

「そうですね、異変解決と言えば霊夢さんですし」

 

 

「……アンタ、何処でその話を聞いたのよ」

 

 

「え……?」

 

 

……俺の記憶が正しければ、俺は霊夢さんに元は春雪異変の解決をお願いしに話に行ったはずだ。

話し方も既に俺を知っていると思ったのに違った。一体何が……?

 

 

「え?って何よ……戸惑われても困るんだけど」

 

 

「すみません……気になった事がありまして」

 

 

「宴会に戻りたいんだけど」

 

 

「そうですよね、一番の功労者引き留めてすみません」

 

 

「……」

 

 

「どうしました?」

 

 

「何?気付いてないの?」

 

 

「何がですか?」

 

 

この異変で脚を無くした明確な被害者なのに、そう言う態度を取られる方が逆に罪悪感がある。

……ただこの男は無意識なんだろうなと。

 

 

「……お酒持ってくるわ」

 

 

「えっと……分かりました」

 

 

「そしたら色々と話しなさい。気になるし」

 

 

酒を呑んで話を聞けるのだろうかと思いつつ、彼女の帰りを待って話し始めるのであった。

 

 

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「……それで、死に戻って異変解決をお願いしたって?」

 

 

「そうですが……信じられませんか?」

 

 

「正直、どうでもいいわ」

 

 

「はぁ……」

 

 

何と言うか変わらないなこの人……

そこが魅力なのだろうけどさ。

 

 

「アリスさんや魔理沙さんとかも似たような感じでしたか?」

 

 

「あー……そう言えばあったわね」

 

 

「何がですか?」

 

 

「魔理沙とアリス、萃夢異変が終わってから地底をずっと見張っていたわ」

 

 

「地底を……」

 

 

「何故かって聞いたら、異変が起きそうだからって」

 

 

「……」

 

 

俺が言った……からじゃなくて、起きそうだからか。

本当に俺がそこには居ないのかな……

季節が先に進んだから多少は覚えられてるかと思っていたけど……無理なのかな?

 

 

「大丈夫?」

 

 

「ええ、大丈夫です……教えていただきありがとうございました」

 

 

「……」

 

 

「いえ、そんな暗い顔されなくても俺は大丈夫ですって」

 

 

「そう言えばもう一つあったんだけど……」

 

 

本当は話す気なんて無かった、どうでもいい事だから。

だけど……黙っているのも辛かった……

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

「アリスが……」

 

 

「アリスさんがどうしたんですか!?」

 

 

ついつい乗り出すように言葉を遮ってしまう。

勿論乗り出せる事は出来ずに、身体を痛めるだけだったが、それでも……アリスさんに何かあったのかと心配になる。

 

 

「そんなせっつかないでちょうだい」

 

 

「ごめんなさい……」

 

 

「それで、アリスだけど見慣れない熊のぬいぐるみを大切にしていたわ」

 

 

「……え?」

 

 

さっきまでの話なら……なんで熊のぬいぐるみがあるのかって話になるんだが……

存在しないって事になるんじゃ?

 

 

「やっぱり貴方関係だったのね、熊のぬいぐるみと上海に似た人形を誰から貰ったか覚えてないけど。って言ってたけど大事にしてたわ」

 

 

「そう……ですか……」

 

 

少なくとも全部が消えたわけではないと言うことを聞いて安堵する。

この世界に存在しないとか無くて良かった……

 

 

「他には……別にいいか」

 

 

「気になるんですが……」

 

 

「少なくとも貴方関係ではないもの」

 

 

「それなら確かに仕方無いんですかね……」

 

 

「まっ気が向いたらそのうち話すわ」

 

 

そう言って霊夢さんは空になった酒瓶を持って立ち上がる。

飲み干すのが早いなと思いつつ見送った。

 

 

「少なくとも、俺が幽霊とか存在しないとかは無くてよかった」

 

 

幽霊が人形を作れるとかまで言うならどうしようもないが、流石にそれは無いと思うし。

ただ……記憶からは……辻褄合わせの様になっているのか。

 

 

「そう思うと……さとりさんは本当にチートだな……」

 

 

心の中で証明してくれた。

あの人がいなきゃ本当に俺は壊れていたと思う。

……永夜異変の時にあったさとりさんも本物なら、俺は何度救われたのだろう?

流石に偽物だろうけど。

 

 

「記憶は残らないなら……また俺がここに居たって証明をしなきゃいけないかな」

 

 

もしかしたら、記憶の果てにうっすらと俺のことがあるかもしれないけど……

そうじゃ無くても、アリスさんが言ってた通り人形作りで証明するとかあったし……そっちでもあり得るか?

 

 

「まあ考えてもしょうがないか……逢えないだろうし」

 

 

脚を見る、包帯で巻かれているが……やっぱり動かそうとしてもそこにそれが無い。

咲夜さんのお陰で痛みはほぼ無いのだが……来世で歩き方忘れてなきゃいいけどな……

 

 

「これじゃあ誰にも会いに行けやしないし、出歩けない。レミリアさんの部屋を訪れて人形劇することすら不可能だろう」

 

 

「また……来世かな?」

 

 

紅魔館にとってもお荷物で、頼まれていたことすらこれではこなせないだろう。

どうせまたその前に死んじゃうんだろうと思うが……

 

 

「異変は過ぎたから頃合いではあるのかな?」

 

 

前回進んだだけであって、また永夜異変前に戻るかもしれないし……迂闊には死ぬ事は出来ないが……

 

 

「ただ……どうしようもないよな」

 

 

これ以上生きていたって……お荷物で……

 

 

「邪魔するわよ」

 

 

「レミリア?」

 

 

何と言うか宴会中だろうに客が多いな……

何より主賓が消えて大丈夫なのだろうか?

 

 

「どうした……?」

 

 

「なぁに暇してるかと思ってね」

 

 

「確かに暇はしてるけど……」

 

 

「ふーん、そう」

 

 

……それだけ?逆に悲しくなるんだが。

 

 

「あの、何用で?」

 

 

「ちょっとね、別にいいでしょう?」

 

 

「そりゃ構わないが……」

 

 

むしろレミリアに用があろうとも無くとも暇をしてたのは事実だし。

 

 

「大事な話をするわ、聞いて」

 

 

何を話すのか分からないが、ここで大事な話とは身構えそうになった。

ただ……動けない自分は何も出来ないし身構えたところでと……

そのため、純粋に自分にとっての何かがあると信じて友人の話を聞くことにした。

 

 

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to be continued

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