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椅子のまま運ばれる経験なんて二度とないと思う。
ただ……助かったのは事実だ……
お茶会になんとか参加が出来た。
「あら?どうかしたの?」
「いえ……問題ありません」
「急に変なこと言ってごめんなさいね。私はアリス・マーガトロイド、アリスとでも呼んでね」
「小野寺蓮司です……」
「そう、小野寺君。よろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
元から覚えてないことなんて気付いていたはずなんだ……
だから、切り替えよう。
「……しかし凄いわね貴方」
「何かありました?」
「紅魔館に人間が居候してるって相当よ」
「だから言ったろ?凄い人間がいるってよ」
「魔理沙の話なんて信じられるわけ無いでしょうが」
「いつも嘘ばかりじゃないだろう?」
「それはそうだけど……」
やっぱりこの二人は変わらないんだなって。
「小野寺君、どうかしたの?」
「え?」
「笑ってるわよ?」
「ああ、変わらないなって」
「え?」
「いや……なんでもないです」
「そう……何かあったら言ってね」
何かあったら……
本当は言いたい。久しぶりって……ただ言い出したところで戸惑われるだけだ……
「……」
「緊張させちゃったかしら?ごめんなさいね」
「……こほん、咲夜そろそろ始めようかしら」
「分かりました」
俺の反応を察してかレミリアが流れを断ち切った。
助かった……このままじゃ暗いお茶会になりかけたし……
「それじゃあ皆様集まってくれて感謝よ、楽しいお茶会にしましょう?」
「お菓子は全部いただきだー」
「こら魔理沙!!意地汚いわよ」
「いいだろう、待ったんだからよ!!」
「……そんな問題じゃないでしょう、溢したりして」
「お前は私のお母さんかよ!!」
「違うわよ、だからそんな真似させないでちょうだい」
「だったら放置で良いだろう?」
「よくないから言ってるのよ……」
「なんでだよー」
「少しは淑女らしさを持ちなさいよ」
「女らしさなんて私には関係ないんだよ」
「もう……一応招いて貰ってる側なんだからね?」
「別に気にしてないわよ、魔理沙らしいわけだし」
「ほら、レミリアもこう言ってるぜ?」
「ほんと……ごめんなさいね」
「気にしてないわよ」
「堅苦しいより、楽しい方がいいですしね」
「そう言うこと、蓮司の言う通りよ」
「……」
「どうしたのアリス、驚いた顔をして」
「レミリア……貴女がそこまで人間に優しいのは予想外だわ」
「蓮司が特別なだけよ、他の人間に優しくするつもりなんてないわ」
「……一つだけ聞いておくけど」
「何かしら?アリス」
「その子を玩具とかにしてるなら許さないわよ?」
「そう見える?」
「ええとても」
「?」
「何とぼけた顔をしているのよ……心当たりがないの?」
「無いですけど……」
「それなら大丈夫そうね……でもその脚、レミリアの気紛れで捥がれたのじゃないの?」
「ああ……これですか。違いますよ」
「……私の失態のせいよ」
「アレはレミリアのせいじゃ……」
「私が言った以上、絶対に治すわ。だから安心しなさい」
「……ああ」
「本当に信頼されてるのね」
「俺も嬉しい限りです」
「それで、彼を信頼してるからこそ貴女にお願いがあるの」
「義足を作れだったら怒るけど?」
「いや違うわ、彼に人形作りを教えて欲しいの」
「え?」
「貴方の人形も好きだけど、やっぱり本職の人に教えてもらった方がいいしね」
「それは……そうだけど……」
「私が師匠をしろってこと?」
「そう、ダメかしら?」
「ええ、断るわ」
「え?」
正直……アリスさんが断るなんて驚きだが……
嫌われる様なことしたっけか?
「理由を聞いてもいいかしら?」
「ダメも何も、もう教える事は教えきったわよ」
「……え?」
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「……ちょっと待って、どう言う事?」
「それは……あれ?なんでかしら?」
「ふざけてるのかしら?」
「いえ……ふざけてるわけじゃないわ……本当になんで?」
アリスさんが戸惑っている。
どう言う事だ?覚えてないんじゃないのか?
「蓮司」
「どうした?」
「聞くわ、アリスには会ったことがあるの?」
「初対面のハズだろう?」
魔理沙さんが口を挟む。
その通り初対面だ……ここでは……
「ある……」
「ごめんなさい、覚えてないわ」
「それは、当然です……」
「どう言うこと?」
「……死に戻りって分かる?」
レミリアが口を挟む、俺から言い出しても信憑性低いし有難い。
「初耳だが?」
「……死んでこの世界に戻るってこと?」
「ええそうよ、信じられない?」
「……ごめんなさい、自覚はないわ」
「それでいいわよ、私だって最初は自覚なかったもの」
「なんで分かったんだ?私だって記憶がないんだが」
「目の前で戻ってる事が分かるように言われたからね……」
「それは……私も違和感があるけど」
「ならば暫くウチに泊まっていったらどうかしら?モヤモヤしてるのも嫌でしょう?」
「それもそうだけど……」
「それにだけど……」
「まだ何かあったのかしら?」
「彼も来ると喜ぶわよ」
「ちょっ!?」
「え?どうして……?」
なんで知ってるんだ!?
と言うかアリスさんのこと知らないと思ったのに何故だ……?
「パチェが話してたのよ、貴方がアリスが来ることに喜んでるってね」
「……それは……言いましたが」
「てっきり人形遣いが来るから喜ぶって思ってたけど、今の話で理解したわけよ」
「……あああああああああ」
急に恥ずかしくなってきて叫びだす。
それを見て魔理沙さんが大笑いをする。
もうやめてくれ……
「えっと……よろしくねでいいのかしら?」
「胃が死にそ……」
「七色の人形遣いの弟子だって言わなかった罰よ、諦めなさい」
「うわああああああああん」
何というか顔が真っ赤なんだが……誰か助けてくれ!!本当に!!
叫ぶが誰も助けに来てくれなかった、当然だが。
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to be continued