幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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六十四話 泥棒と青年〜doesn't change person.

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「小野寺君、調子はどうかしら?」

 

 

「身体自体は大丈夫ですよ?」

 

 

一晩経ってやっと落ち着いた。

あの時は自分でも暴走し過ぎていたと思う……

 

 

「その脚は確か……」

 

 

「はい、止まっています」

 

 

「本当にメイド長は凄いわね……」

 

 

「皆凄いですよ」

 

 

「私はどうだったのかしら?」

 

 

「アリスさんですか?」

 

 

「ええ、聞きたいのだけど」

 

 

「自慢の師匠としか言いようないですが、まだまだ教わりたいことが多いくらいです」

 

 

「そうなの……?」

 

 

「はい、まだアリスさんに全然敵わないって思ってますし」

 

 

「そんな事ないわよ、貴方の作った人形見せてもらったけど中々だったわ」

 

 

「アリスさんのお陰ですよ」

 

 

「そう、貴方にとっての私がいい人だったようで良かったわ」

 

 

本人は信じられないことのはずなんだが、それでも信じようとしてくれている。

それが嬉しくてたまらない。

 

 

「あの、アリスさ……」

 

 

「ちょっとお邪魔するわよ」

 

 

「パチュリーさん、どうかされました?」

 

 

「あら、アリスも居たのね。邪魔したかしら?」

 

 

「いいえ、彼に用があるなら出て行くけど……」

 

 

「いや、大したようじゃないってどころかもう用は済んだわ」

 

 

「え……何がしたかったんです?」

 

 

「魔理沙を探しているのよ」

 

 

「あれ?昨日帰りましたよね?」

 

 

「……さっきまで読んでた本が消えたのよ」

 

 

「それは確かに……魔理沙さんっぽいですが……」

 

 

「ただ……何処にもいないのよね……」

 

 

「魔理沙……いい加減にして欲しいのだけど」

 

 

「まあいないならいいわ……他を当たるだけよ。二人とも時間取らせてごめんなさい」

 

 

「……パチュリー、私も探すわ」

 

 

「彼に用があったんじゃないの?」

 

 

「それよりも探さないといけないだろうし……」

 

 

「それじゃあ頼むけど……ごめんなさいね」

 

 

「え?俺にですか?」

 

 

「折角来たの楽しみにしていたのにってね」

 

 

「皆でからかわないでくださいってば!!」

 

 

クスリと笑ってパチュリーさんは出て行く。

その後を戸惑うようにアリスさんが出て行った。

……これ俺が悪いの?

 

 

「ああもう……何が正しいんだこれは」

 

 

「そんなクヨクヨするなっての」

 

 

「うわっ!?」

 

 

唐突にベッドの下から魔理沙さんがヒョッコリ出て来て驚く。

なんとかベッドから落ちずに済んだが……

 

 

「いつから居たんですか?」

 

 

「寝てた頃からだが?」

 

 

「何故……?」

 

 

「いや、ここで隠れとけば安全かなって」

 

 

「魔導書……返す約束じゃ?」

 

 

「ああ、だから返したぜ?」

 

 

「……。」

 

 

返したからまた持って行くは絶対違うと思う。

と言うか……反省とか全くないんだ……

 

 

「……図書館だってそうだろうよ、貸したものを返してまた借りるしな」

 

 

「図書館には返却期間があるでしょうよ……」

 

 

「ああ、死ぬまでが返却期間だぜ」

 

 

「……」

 

 

この人は一度しばかれた方がいいと思う、割と本気で。

 

 

「とりあえず、二人を呼び戻さないといけませんが……」

 

 

「おいおい、そりゃ無しだろ」

 

 

「だったら魔導書を返してくださいよ……」

 

 

「へへん、実際は呼べないことくらい分かってるがな」

 

 

「……」

 

 

図星である、動けないし、二人がだいぶ離れた位置から探し始めたため、通信手段はあるが、それを見せた瞬間逃げるだろうし……

当然だが今の俺じゃ捕まえる余裕も無い……

 

 

「……勘弁してくださいよ」

 

 

「……これでも、そっちの世界の私よりマシだろうよ」

 

 

「どうでしょうね……あまりそんなイメージが……」

 

 

どっちの魔理沙さんも正直やらかし回ってるし……

手を付けられない意味で言ったらこっちの魔理沙さんも負けてないぞ?

 

 

「なんでだよ!!」

 

 

「いや……向こうの方が反省してたしまだマシだったかもしれない」

 

 

「なんだそいつ聖人か?」

 

 

「ただ貴女の方が悪人ってだけな気が……」

 

 

「人を悪人扱いなんて最低だぞ!!」

 

 

「だったら借りる前に許可取りましょうよ……」

 

 

「出ないからやだ」

 

 

「それじゃあ図書館で読めばいいじゃ無いですか……」

 

 

「手元の方が安心するじゃんかよ」

 

 

「……」

 

 

「なんだよ、お前も結局悪者扱いかよ!!」

 

 

泥棒なのは事実じゃ無いですか……

ただそんなこと言ったって聞く人なんていないし、だったら言いたいのはそっちよりも……

 

 

「勿体無いじゃないですか」

 

 

「何がだよ、魔導書がか?」

 

 

「いや、魔理沙さんが」

 

 

「私が勿体無いって意味が分からないんだが……」

 

 

「努力家なのに、周りからの評価が泥棒になるなんて」

 

 

「っ!?」

 

 

「勿体無いって言い方はおかしいかもしれませんが」

 

 

「なんで……ああそうだな……そういやお前は死に戻ってんのか……」

 

 

「そうですね」

 

 

「ただ……それを知られる程仲がいいのは予想外だが」

 

 

「……まあ」

 

 

実際はアリスさんから聞いた話だが、ここは言わない方がよさそうか

騙してしまっていいのかってなるが……

 

 

「ただ……それならなんでアリスが来るまで黙ってたんだ?死に戻りの事」

 

 

「それは……」

 

 

すぐにバレるじゃ無いですかー……

 

 

「いや、言いにくいじゃ無いですか……。信じてくれそうにないし」

 

 

「……それもそうだな……悪かった」

 

 

「……泥棒を控えていただければ」

 

 

「いや、断るけど?」

 

 

「え!?なんでですか!?」

 

 

「だって、私のそういうところ知ってる人がいるって分かったんだしな。だったらいいだろう」

 

 

「悪影響した!?」

 

 

「へっへん、お墨付きが出たし今度から……」

 

 

「……尚更問題児じゃ無いですか!!」

 

 

「しょうがないなあ」

 

 

「?」

 

 

「借りていいか?」

 

 

「うん?」

 

 

「それじゃ借りてくぜ」

 

 

「え?」

 

 

作り終えて隣に置いていた人形を持って行かれた……

そのまま笑顔で部屋を去って……え?

 

 

「……聞いて来た分マシなのかこれ?」

 

 

成長はしたのだろうか?

いや……俺も戸惑ってつい返事してしまったがやらかしたなこれ……

 

 

「……成長したと信じる事にしよう」

 

 

持って行かれた人形の方を見ながらそう言い聞かせる。

 

 

「あっ……。」

 

 

そう言えばあの人形レミリアから頼まれてた奴だ……

俺この後無事だといいなあ……

肩を落としながらそう思った。

 

 

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to be continued

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