幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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六十八話 本の行方は?〜lost property.

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小悪魔さんが見守る中、俺がパチュリーさんに怒られている。

ずっと寝たままでもアレだと言われ、図書館まで運んでもらったが……着いた途端怒られ始めた。

……正直パチュリーさんに説教されるのは何度目だろうか?

 

 

「なんで私が説教しないといけないのよ……」

 

 

「そう思うのなら……別に無理されなくても」

 

 

「あ“?」

 

 

「ごめんなさい」

 

 

ここまでマジギレするパチュリーさんは初めて見たんだが……いつもの比では無いらしい。

 

 

「レミィも伝えて来ないし……貴方達纏めてどれだけやらかせば気が済むのよ」

 

 

「おっしゃる通りです……」

 

 

フランさんのもとへ行ってはい終わりだと思っていた。

ただ、アリスさんとレミリアの三人、他には誰も告げずに行ったため……迂闊すぎたことにブチギレるわけになったわけだ。

 

 

「全く……今日の予定取り消そうかしら」

 

 

「何かあるんですか?」

 

 

「……行く場所があるのよ。ただ貴方を置いて行くのが不安なんだけど」

 

 

「外出って珍しい予定ですね」

 

 

動かない大図書館と、図書館からすらも滅多に出ない彼女が外出する用があるなんて本当に珍しい。

 

 

「それだけ、大事な用なのよ」

 

 

「だったら行かなきゃまずいじゃ無いですか」

 

 

「悩ませるのは誰のせいだと思ってるの?」

 

 

「……」

 

 

言い返せない、俺なのも自覚してるし。

 

 

「はあ……小悪魔、任せたわよ」

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「ええ、彼が何かやらかしたら好きにしていいから」

 

 

「え、良いんですか!?」

 

 

「ええ、文字通り好きにして良いわよ」

 

 

「ちょっ……」

 

 

「図書館で大人しくしてなさい」

 

 

「……分かりました」

 

 

正直、小悪魔さんが何をして来るか分からない……大人しくしてるのが吉だと思う。

小悪魔さんがそわそわ?こあこあ?してるが気にしないことにしよう。

 

 

「何か読みたい本はありますか?」

 

 

「読みたい本……」

 

 

つい最近、頼んでおいた車椅子に似た物が完成した。

脚が治るのはすぐでも今後も役に立つ可能性はあるしと。

これで一人で動けるようにはなったけど……それでも、流石に図書館の本探しは厳しいので小悪魔さんに任せる。

正直読みたい本だらけでもある、ここ最近読むことが出来なかったし。

ただし……優先度の高い本は……

 

 

「小悪魔さん、異変ノ断章ってありますか?」

 

 

「異変ノ断章……ですか?」

 

 

「この前見かけた謎の本です」

 

 

「ああ!分かりました、すぐに探して来ます」

 

 

そうしてパタパタと飛んで行った。

一先ずはあの謎の本から情報を得ないと……

そして小悪魔さんが帰って来たが、何も持っていない。

 

 

「あれ……本は?」

 

 

「すみません……見当たりませんでした」

 

 

「え……?」

 

 

「そこら一帯をはじめ、周囲をくまなく探したのですが見当たりませんでした」

 

 

「そんな……」

 

 

「あの魔法使いに盗まれたのかもしれませんし、何が起きたのか分かっていません……探しておきますね」

 

 

「……有難うございます」

 

 

一番今必要な本が見当たらなかった……非常にまずい事態だ

 

 

「代わりの本を探します、何が良いでしょうか?」

 

 

「それじゃあ、永遠亭や竹林についてお願いします」

 

 

「かしこまりました」

 

 

そうして本が目の前に積まれる。

永遠亭についても後で読むが……まずは竹林だ。

 

 

「藤原妹紅……彼女だな」

 

 

竹林で会った少女を思い出してその内容を読む。

また会って、感謝などを彼女に伝えたいと思う気持ちや、色々とまだ聞きたい事があるなと思いながら読み進める。

 

 

「不死……本当に幻想郷は長命や不死が多いよな」

 

 

もう幽霊とかもいるんじゃ無いかって思っている。

 

 

「って思ったがよく考えたらあの人も……」

 

 

ちょっと待て、あの人って誰だ?

俺は幽霊に会った記憶は無いんだが……

もしかしたら忘れちゃいけない事かもしれないが……恐怖心からそっちのけでページを進める。

 

 

「……ん?」

 

 

気になる言葉があった、と言うか本に載るんだなとも思って驚いた。

 

 

『迷いの竹林には、地底へと繋がる道がある』

 

 

「もしかして……本当に?」

 

 

あの時、俺は本当に地底でさとりさんと?

分からない、この事実があっても結果は誰も知り得ない事か……

 

 

「……終わりか」

 

 

気付けば、本も読み終わっていた。

 

 

「まだまだ情報が足りない……特にあの本が必要だ……。」

 

 

「異変ノ断章……次魔理沙さんに会った時に聞いてみよう」

 

 

あの本が、異変について何か聞いて当てがあると思ったから。

解決を始め、役に立ってくれると信じて……

 

 

 

 

永遠亭、そこに招かれた客パチュリー・ノーレッジは訪れていた。

 

 

「いらっしゃい、本当にあの本を吸血鬼が訳したですって?」

 

 

「ええ、協力者ありきだけど」

 

 

「別にそれくらい構わないわ。協力者なんてそもそも出来ると思わなかったけどね」

 

 

「伝手くらいこちらにもあるわよ」

 

 

「じゃあその伝手の才能を見せてもらおうかしらね」

 

 

パチュリーと対応している少女、蓬莱山輝夜はその訳を受け取る。

 

 

「正直……感想を聞きたかっただけで、訳して来いとは言ってないんだけどね」

 

 

「どうせ訳さないと読めないわよ」

 

 

「それもそうね」

 

 

そう言いながら輝夜はページをパラパラと捲る。

そしてそのまま吹き出す。

 

 

「ちょっと……これ……」

 

 

「大丈夫と信じたけどダメじゃないの……最悪じゃない」

 

 

「誰が訳したの?」

 

 

「言った通り協力者よ」

 

 

「興味が湧いたわ」

 

 

「え?」

 

 

「全部を訳せたわけじゃないけど……概ね期待以上の出来だし、文句無いわ」

 

 

「本当にそれがあってるなら、幻滅なのだけど」

 

 

「いいじゃない、働くだけが全てじゃないわ」

 

 

「……それで、どうするのよ?」

 

 

「いいわよ、こいつに興味が湧いたから見に行かないとね」

 

 

「勿論、永琳もお願いね」

 

 

「流石にそこまでは捻くれてないわよ」

 

 

パチュリーは、永遠亭に小野寺蓮司の脚を治すようにお願いしていた。

その条件として、私が興味を持つかどうかと。そのために古書を使ったようだ。

そして、彼女に気に入られたようであり、問題は無いだろう。

 

 

「脚だっけ?永琳が居ればすぐとはいえ、本当に治す必要あるのかって思うけど……」

 

 

「無いと不便じゃ無いかしら?」

 

 

「そう言われると否定は出来ないけど……」

 

 

「貴女だって気に入った相手には尽くすタイプじゃないの?」

 

 

「何処のチョロインよ……」

 

 

「チョロインじゃないにせよ、こっちのお願いはそれよ」

 

 

「興味は確かに持ったし、この訳を書ける人間をどんよりとさせたままにするのは勿体無いわ。だから叶えるから安心しなさい」

 

 

元より彼は脚がなくなってどんよりはしてないが……確約してくれて助かった。

これで、彼の脚が治る手筈は整った……

頑張った甲斐があったもんだ。

 

 

「近いうちに紅魔館へと向かわせて貰うわ」

 

 

「そうしてくれると助かるわね」

 

 

「それじゃ、今後も良い関係を」

 

 

「ええ」

 

 

二人の少女は握手を交わしたのだった。

 

 

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to be continued

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