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「で?私を呼び出してなんだよ?」
「わざわざ来ていただいてすみません」
「今日パチュリー呼んだらキレるからな」
「流石に呼びませんが、返していただいた方がいいですからね……?」
「べーだ」
「……まあ今は置いておきましょうか」
「……それで、私は何をすればいいんだ?
「探してる本があるんです」
「それは私よりパチュリー達案件じゃ無いのか?」
「いえ……その本が見当たらないので魔理沙さん案件だと思ってます」
「返さないぞ?」
「そこをなんとか……」
「私のだぞ!!」
「違うでしょうが……」
魔理沙さんの本じゃないでしょうに……
文句いったところで聞きそうにないんだが……
「異変ノ断章と言う本なのですが……」
「あー……見た事あるな」
「本当ですか!!」
「あー……だったら来てもらうぞ、家分かるだろ?」
「……すみません」
「あーそうか……ただもうすぐ一月経つんだぞ?まだなのか?」
「もう少しらしいですが」
「まあ私からは深く言わないが、最悪疑えよ?」
「流石に疑えませんよ……」
「好きにしろよ、で異変ノ断章だな了解した!!」
そのまま魔理沙さんは箒に乗って出て行く、その後ろ姿を見ながら……
「もうすぐ満月か……」
今月は何も無いと良いんだが……
ただ、そう願うばかりだった。
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「よっ、持って来たぜ!」
「有難うございます」
「私の本なんだから大事に扱えよな」
「……」
違うだろと心の中でツッコミながら本をめくる。
あの時はフランさんが暴走して読めなかったが……
「……よしっ!」
今回は何も起きないと信じながら本を読み始める。
「しかし、その本読めるのか?」
「読めますがどうして……?」
「私は読めないんだよ」
「……マジですか!?」
「ああ、だから気になってはいるんだがな」
「そうなんですね」
それならばと音読するように読み始める。
「……三途の川!?」
最初から唐突な単語で驚いたが……
確か、幻想郷にも三途の川はあったはずだな。
「三途の川で目を覚ます……もうそれ手遅れなんじゃ無いのか?」
「そうでも無いぜ。船に乗っちゃいけないが、飛んでいくなら大丈夫らしい」
「しかし三途で目を覚ましたって……どんな事やらかせばそんな事に」
「続き読もうぜ」
「了解です」
続きを読んで行くと、死神と話したらしいが……
死神と話すってどんな経験だよ。
「と言うか、死神と話すってまずいような……?」
「ああ。普通なら船に乗っちまうだろうしな」
「……実際乗ったりしてたり?」
「そしたら本になれないだろうよ」
「それもそうですね……」
続きを読むが、探し人がいるだけで乗る気はないらしかった。
「しかし……誰かを探しているようだな」
「三途の川でか?」
「そりゃ……ここで覚めたのならそうでしょうよ」
「それもそうか……」
そのまま読み進めていると、違う場所へと向かっていた。
「無縁塚……?」
少し聞いた事があるが……行ったことはないがそこはどんな場所なのだろうな……
話の内容はそこには誰かいるらしくて……話したと書いているが……その誰かが書かれていない。
「知らない場所、知らない人物……誰が……」
何故だろう……話を読んでいただけなのに、頭の中にうっすらとその姿が浮かんだ。
その人物は誰だか分からない……初めて見たはずの人だ……
ただなんでこんな……懐かしさを覚えるのだろうか?
「どうした蓮司……?」
「あの魔理沙さん、無縁塚って行けないですよね?」
「行けなくはないが……三途の川よりは簡単だし」
「だったら……」
「だがお前、魔法の森を抜けた事あるのか?」
「魔法の森を……ですか?」
「ああ、魔法の森の更に奥だ」
「……無いです」
「だろ?だからほぼあり得ないはずだぜ」
「そうですね……」
そもそも顔も見えない相手だったのにそれを気にしたって仕方がない。
何より、地上にいるはずがないのだ……角の生えた少女なんて。
「話はここで終わりみたいだな」
「続きは無いんですかね……?」
「少なくともうちには無かったぞ」
「無いんですかね……?」
「さあな、図書館に無いなら他の場所にあるかどうかだしさ」
「あるなら見つかれば良いんですけどね」
「私も興味湧いてきたしな」
「魔理沙さん、見つけたら教えてくださいね」
「えー、私が見つけたら独占したいんだが……」
「どうせ見つけても読めないでしょうよ……」
「む……そう言えば……」
魔理沙さんも開けられないって言ってたしな……
こればかりは俺も読みたいし俺が必要だと思う。
「そう言えばどうして蓮司は出来るんだろうな?」
「流石にそう聞かれても困りますが……」
「悪い悪い、気になっちまってさ」
「まあ俺も気になってますしね……」
実際のところ外の人間だからくらいしか浮かばないが、本当にそうなのだろうかって疑問がある。
確かめようが無いから諦めるけど、そのうち調べてみたくもある。
「それじゃあ私は行くからな」
「有難うございま……え?」
「え?ってなんだよ」
「あの……本は……?」
「持ち帰るが?」
「図書館のですよね……?」
「今日はそう言う話じゃ無いんだろう?」
「いや、だからって……この本は必要だって」
「また必要な時持って来てやっからさ!」
「いやそうじゃなくて……」
気付けば魔理沙さんの姿は無くなっていた……本当に速いな……
「はぁ……結局本を取り返せなかった……」
またパチュリーさんにどやされるかもしれないがこればかりは仕方ない……
「もう満月か……」
今日読んだ本で少しは今後の方針を決められた気がする。
流石に一月の間成果無しとかにならなくて良かった……
「やる事が気付けば増えて行きそうだ……」
まずは脚を治すことが最優先とは言え、異変の解決やら、本を探したりもしたい。
「三途の川に無縁塚……」
三途の川へは行けないって言ってたが無縁塚は行けなくないらしいし……
「……後は」
もっとアリスさんと話したい。
許されることでは無いのかもしれないけど……
「クヨクヨしてても仕方ないか……」
考えてる事を全部こなそうと頭を回すのであった。
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to be continued