幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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七十話 地下の少女②〜uncontrollable impulse.

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紅魔館地下、再び俺達は訪れる事となった。

きっかけはレミリアがまたフランさんの人形の在庫が切れたって事に加えてフランさんが俺を待っているって聞いたからだ。

 

 

「レミィ、正気なの?」

 

 

「何がよ」

 

 

「もうすぐ満月よ?」

 

 

「だから今日なのよ、満月の後にってわけにはいかないでしょう?」

 

 

「それはそうだけど……」

 

 

満月の時のフランの機嫌を良くしたいのもある。

危険なのは分かっているが……だからこそだ。

 

 

「……それに、今日のメンバーは生半可じゃないわ」

 

 

パチュリーに美鈴、咲夜にアリスまで……

流石に小悪魔や妖精メイドは居ないがオールスターが揃っている。

 

 

「これでも不満かしら?」

 

 

「不満かどうかは私が言うべき事じゃ無いでしょ」

 

 

「それもそうね。蓮司、どうかしら?」

 

 

「いや……どうかと言われましても……」

 

 

「不安なの?」

 

 

「油断して無くても一瞬で死ぬような相手だし」

 

 

「あら?そんな警戒してたかしら?」

 

 

「ただ、信じては居るしそこまで心配しては無いけど……結局考えた所で死ぬ時はどうせ何処にいようと一瞬だから……」

 

 

「妹が劇物扱いされてるのだけど」

 

 

「何より満月が近いのが……」

 

 

「やはり心配?」

 

 

「先月がね……」

 

 

「そう……ね。もう無いと良いけど」

 

 

「それは皆思ってるさ」

 

 

「そうね」

 

 

そして扉を開ける。

フランさんがテクテクとこちら側に来る。

 

 

「来てくれたんだ!!」

 

 

「人形直さないとって話だしね」

 

 

「うん!でも今回は頑張ったよ!!」

 

 

人形を見てみる。五個あった人形が三個壊れている。

逆に言えば、二個壊れずに残っている。

 

 

「凄いね、てっきり壊れると思ったけど」

 

 

「ふふん、私だって成長するんだよ!」

 

 

「……」

 

 

頭を差し出してくる、頑張ったのは事実だ。

自分も大丈夫って言ったばかりだろ!!

そう言い聞かせながら少し震える手で、頭を撫でた。

 

 

「えへへ」

 

 

彼女は壊す事しか考えてなかったのに、変わろうとしてくれている。

だったらこっちも応えるべきだ。

 

 

「フランさんは今日はどんな人形がいいかな?」

 

 

「フランでいいよ、お姉様と一緒で」

 

 

「それじゃあフラン、どう言った人形が希望ある?」

 

 

「可愛いの!」

 

 

大雑把なの来ましたか……それでも希望に沿うべきと。

 

 

「手伝いましょうか?」

 

 

「いえ、アリスさんはアリスさんでお願いします。フランの要望のはこちらで作るので」

 

 

「分かったわ」

 

 

そのまま人形を作り始める。

お気に召さなかったらどうしようと思うが、それでも作るしか無いと。

 

 

「……うーん」

 

 

「まーだー?」

 

 

「もう少し待っててね」

 

 

これじゃ無いこれじゃ無いとうんうん悩んでいるうちに夜になった。

ただ、満足いくのが出来た……一個だが。

 

 

「わぁ、本当にいいの!!」

 

 

「フランの為に作ったしね」

 

 

正直自分の腕で作れた事が驚きだが、マトリョーシカを作り上げた。

 

 

「蓮司、後で私にも作ってくれないかしら?」

 

 

「それはいいけど……」

 

 

「じゃあ後でね」

 

 

マトリョーシカも意外と人気出るんだなって……

作るのは手間だけど、これからも少し作って行こうかなって。

 

 

「レミィ、そろそろ……」

 

 

「あら、もうこんな時間?蓮司、皆、帰るわよ」

 

 

「後少しだけ……」

 

 

「もうそろそろ時間もまずい……」

 

 

その瞬間、時計の鐘が鳴った。

0時を示す鐘が……

 

 

「ほら蓮司、もう0時だから」

 

 

「0時か……フラン、悪いけどって……」

 

 

「ぐぅ……」

 

 

「フラン!?」

 

 

フランの様子がおかしい、何があった……?

 

 

「蓮司!!」

 

 

慌てて近寄ってしまったのをレミリアに叱られる。

 

 

「お兄さん逃げ……」

 

 

その途端、フランの目の色が無くなる。

引っ掻かれるが軽傷で済んだ。

 

 

「下がりなさい!!」

 

 

レミリアの言葉に下がり始める。

ただし、まだこちらの方へと飛んで来る。

 

 

「くっ……」

 

 

「ほらちゃんと来なさい」

 

 

「アリスさん!!」

 

 

アリスさんに引き摺られなんとか攻撃を避ける。

 

 

「……大丈夫よ。」

 

 

アリスさんも引っ掻かれたようだ、幸い怪我は大きく無いが……

 

 

「……貴女達には悪いけど、正直助かったわ」

 

 

「パチュリーさん?」

 

 

「先月の様に被害が出る前に済みそうで良かったわ」

 

 

「まだ終わってないんですが……」

 

 

「確かにまだだけど、大丈夫よ今回は全員いるもの」

 

 

「それならいいですが……」

 

 

「治療は悪いけど終わるまで待ってもらうけど」

 

 

「それは構いませんが……」

 

 

フランが捕らえられている、まだ反抗しているようだが時間の問題そうだ……

今回は大きな怪我無くて良さそうだ。

 

 

「しかし……今回はどうしてかしらね?」

 

 

「何がですか?」

 

 

「フランが狂気に囚われるのは確かにある事だけど……それでも満月の日が多くて、その数日前なんて無かったはずだけど」

 

 

「……理由はあくまで推測ですが」

 

 

「聞かせてちょうだい」

 

 

「先月、満月が無かったのがあるかもしれませんね」

 

 

あくまで推測ではあるが、満月がないせいで周期がズレた可能性はあるかなと思っている。

 

 

「そう言われるとそうね、盲点だったわ」

 

 

「あくまで推測ですけどね」

 

 

実際の所どうか分からない、満月で暴れられるよりはマシなのかもしれないが……

 

 

「実際、いつもの満月以上に力は出てないおかげで対処しやすくなっているわ」

 

 

「でも満月の日は……」

 

 

「問題ないわ、フランの衝動を減らすと同時に、今日のうちに疲れさせるから」

 

 

「疲れさせれば大丈夫なんですか?」

 

 

「今回は特に自発的じゃ無くて発作だしね、数日は動けない筈だわ」

 

 

「そうですか、それなら本当に……」

 

 

「ええ、無事に済むわけよ」

 

 

「良かった……フランも怪我が増えずにすみそうだ」

 

 

「そうね、貴方が来てくれてフランも破壊衝動が弱まって来たし……助かってるわ」

 

 

「……俺も色々してる自覚はありますけど、それでもなんでもかんでもいい傾向になるのは予想外ですけどね」

 

 

「私だって驚きよ、図書館で見た時は不安しか無かったんだし」

 

 

「……ははは、一般人ですしね」

 

 

そのままフランがバタンキューと倒れる。

外傷は少ないようでホッとひと息つく。

 

 

「終わりましたよ皆様!」

 

 

美鈴さんがご機嫌に伝えて来る。唐突に始まったけど無事に終わったようで良かった。

 

 

「パチェ、どうかしら?」

 

 

「はいはい、凄いわよ」

 

 

レミリアが自信満々に見てた見てたってやってるのを軽く流す。むすーってしてるけど正直今関わる気はない。

 

 

「ほら皆帰るわよ、アリスも起きなさい」

 

 

倒れているアリスさんをレミリアが起こす。

 

 

今まで、パチュリーさんやフランの方を見ていたせいでアリスさんの方を見ていなかった……

怪我しているのに、大丈夫だと思い込んで……

 

 

「アリス!?咲夜、ちょっと来なさい!!」

 

 

「アリスさん!?」

 

 

咲夜さんが向かう中、慌てて俺も駆け出す。

もっと気にするべきだったんだ、大丈夫だろうと思うべきでは無かった……

 

 

「どうして……」

 

 

怪我は大した事はなかったが、それでもグッタリとしたアリスさんの姿があった。

 

 

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to be continued

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