七十三話 白玉楼の二人組〜ghost girls.
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永遠亭、再び来ようとは思っていたが……あの兎が居ないことをここまで願うとは思わなかった。
「蓮司」
「どうしたレミリア?」
「どうしたって言うのは私の方よ……なんで私の後ろに隠れているのよ」
「……会いたく無い人が」
「グチグチ言ってても仕方ないでしょうが、しっかりしなさい」
「分かってるけど……」
死因となった相手には流石に警戒するし、怯えもする。
ルーミアさんだって未だに怖いし……
「そう言えば……」
「どうしたのよ蓮司」
「レミリア達も来るんだなって驚いてる」
レミリアだけじゃ無くて、咲夜さんも来るとは思わなかった。
大丈夫とは言っていたが満月が近いが……
「二人一組で呼ばれちゃったんだから仕方ないでしょう?」
「何をする気なのか……」
「分からないわ、行って確かめるしか無いわよ」
「それもそうですが……別の不安も……」
レミリア・スカーレットと十六夜咲夜が紅魔館から数日間居なくなる分、仕事が滞る。
特にメイドが居ないのは致命傷であり、代わりの仕事要員として兎達が今紅魔館で働いている……
正直不安しかない。
「着きますよ」
永琳さんのその言葉に、俺は一層後ろに回る。
白い目で見られたが……つい反射的に……
「おっ蓮司達も来たか」
「魔理沙さん……来てたんですね」
「ああ、呼ばれたしな」
「霊夢さん達は?」
「ああ、紫が都合が悪かったらしくて来てないな。本人も乗り気じゃ無かったし」
「異変では無さそうですしね……」
余計な労力は使いたくないのだろう、会えないのは残念だが仕方ない。
「後は……アイツらだが気を付けろよ?」
「アイツら?」
魔理沙さんが言う方向を見る、そこにも二人組がいた。
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ピンク髪のミディアムヘアーで白と青の服。
年齢は見ただけでは分からないが、幼くも見えるし大人びているようにも見える。
「……」
そこまでなら、普通の女性なのだが。普通の人と違う場所は……周りで人魂が浮いている。
まさか彼女は……
「お前の予想通り死人だ、連れて行かれるなよ?」
「気を付けますが……何故ここに来たんでしょうか」
「まあ、アイツらも呼ばれたんだろうな」
「色々と姫様も逞しいんですね……」
しかし、ピンク髪の方は何処かで見たような……
「……夢の中?」
正直自信は無い……ただ夢の中で会った気がした。
「あら?貴方も参加者かしら?」
「すみません、参加者って何のことだか分からないのですが……」
「私も分からないわ。呼ばれただけだもの」
「あっ……そうですよねすみません」
「それでも、皆と楽しみたいと思ってるわ」
「それはそうですね……」
「蓮司、言ったろう!?」
「魔理沙さん……?」
「だからコイツら不味いって……」
「あら、魔理沙久し振りね」
「げっ……幽々子……」
幽々子……もしかして彼女は?
「なんでお前達も居るんだよ」
「だって私達も参加したでしょう?」
「……」
参加した、どう言う事だろうか?
「西行寺幽々子さんですか?」
「そうよ、よろしくね小野寺君」
「はい、よろしく……あれ?名乗りましたっけ?」
「さっき魔理沙が言ったでしょう?」
「ああ……聞いてましたもんね」
「改めて、白玉楼の主西行寺幽々子よ、よろしくね」
「よろしくお願いします」
その名前は聞いた事がある……
春雪異変、あの異変を起こした張本人だ。
あの異変が原因で俺も死んだしよく覚えている。
「どうかしたのかしら?」
「いえ、そうでは無いですが」
「それじゃあ小野寺君、私と……」
「幽々子さま」
「あら妖夢、どうしたの?」
銀色……よりは白よりのボブカット、普通の女の子のように見えるが……異質な物が二つ。
まずは刀、と言うか幻想郷に刀ってあったんだな……そしてもう一つは……
「なんですか……それ?」
「いきなりなんですか貴方は」
「ああすみません……気になったので」
「半霊に何か用ですか?」
「半霊……」
気になって触れてしまう。
少しヒヤッとしている。
「ひゃっ!?」
「え?」
「何をするんですか!?」
鞘で突かれる、思い切り刺さる。
「グフッ……ごめんなさい!!」
そのまま突き飛ばされた。
「蓮司!?」
「ダメよー、妖夢だって女の子よ」
「……えっと、ごめんなさい」
正直よく分かってないけど……
ただ反応的にやらかした……?
「半霊と妖夢の感覚は共有なのよ、ダメじゃない」
「……って事は?」
「妖夢を触ったって事と同じよ?反応的には胸だったりお尻だったかしら?」
「ちょっと幽々子さま!!」
「すみませんでした!!」
一瞬の隙もない土下座、最近こんなことばかりな気がする。
迂闊な俺が悪いんだけどさ……
「もう勝手に触ったり抱きしめないでくださいね」
「あら?じゃあ言えば抱きついていいのかしら?」
「っ……そんなわけ無いでしょうが!!」
え?ちょっと待って許されたの?
外の世界だとセクハラで勾留されるんだが……
ただもっと罰してくださいとかはやばい人物だし甘んじよう。
「魔理沙さん、悪い人達に見えないんですが」
「春雪異変だけは許せないが、悪人では無いからな……」
「だったらなんであんな事を?」
「逆だ、気に入られるとまずいんだよ」
「何故?」
「私や霊夢ならまだしも、お前が連れてかれると帰って来れないぞ?」
「え?」
「冥界暮らしを人間が出来るわけ無いだろうし、そう言った意味で危惧している」
「そんな事しないわよー」
「本気で気に入ったらするだろう?」
「まあ……本気で気に入ったらするかもしれないけど」
「だから気を付けろよ?」
「はい……気を付けます」
「幽々子さま、攫わないように」
「えー、でも結構気に入ってるのだけど」
「もう既に危機!?」
「……ふふふ」
嫌な予感がして、後ろへ引く。
っと永遠亭の方から誰かが出て来た。
「永琳さん」
「待たせたわね、姫様の準備が出来たから。今から案内するわ」
「分かりました」
後ろでニコニコしてる幽々子さんに若干怯えつつ永琳さんの後へと続く。
ただ、聞いたって話で俺もお付きの人も自己紹介し忘れてたな……そこだけはしないと。
「……あれ?」
「どうしたの?」
「……いえ、大丈夫です」
そう言えば彼女なんて言った?
魔理沙さんが俺の事を言っていたから分かったと……
「蓮司」
自分で自分の名前を呼ぶ。
魔理沙さんは下の名前で俺の事を呼んでいた。
ただし幽々子さんは苗字で呼んだ。
一体どう言う事なのだろうか?
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to be continued