幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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七十八話 ツェペシュの末裔〜vampire by nature.

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紅魔館の主レミリア・スカーレット

今は、紅魔館内には居ないものの……与えられた部屋で自宅の様に振る舞っている。

 

 

「入るなと言ったはずだけど?」

 

 

「話がしたかったわけだし……」

 

 

「ふーん、口説きにでも来たのかしら?」

 

 

「何故そうなる……」

 

 

「なぁんだ、違うのね」

 

 

良かった……機嫌は良さそうだ。これなら話を聞いてもらえそ……

 

 

「さっさと部屋から出て行って貰えないかしら?」

 

 

「え?」

 

 

「何を勘違いしたのか知らないけど、部屋に入れないでって言った以上は私は機嫌が悪いの」

 

 

「……」

 

 

敵意剥き出しの彼女に思わず後ずさる。

ダメだ、退いちゃいけないのに……

 

 

「そもそも貴方、私に恐怖心があるって言う割には本当に好き勝手よね」

 

 

「それ……は」

 

 

「それに咲夜に入れるなって言ったのを無視して一人で入ってくる程迂闊だし、救いようないのじゃないかしら?」

 

 

確かに俺のどうにかしなきゃと、永琳さんのどうにかしてくださいの利害があって単独で来たが……迂闊過ぎたのかもしれない。

 

 

「もしかして自分だから大丈夫だと思ったのかしら?」

 

 

「……」

 

 

恐怖心が全く消えたわけじゃないが、大丈夫だと自信を持っていたのは事実だ……

 

 

「……」

 

 

「レミリア……」

 

 

「何かしら?」

 

 

「事故なんだ、悪いとは思ってるけど」

 

 

「全部全部が事故だとでもいう気かしら?」

 

 

「実際そうだから」

 

 

「咲夜も一応はそう言ってたわ」

 

 

「それが事実だし」

 

 

「納得するかは別だけど」

 

 

「……まあ」

 

 

そもそも最後の永琳さんはただ話してただけな気がするんだが……

 

 

「……すっごいムカつくのよ」

 

 

「そう言われてもなあ……」

 

 

嫉妬……ではないだろうな。

どちらかと言うとお気に入りの玩具を取られたとかそう言った類のが近いと思う。

 

 

「私に構う暇があったらあのお姫様の所でも行ったらどうなの?」

 

 

「そう言うわけにはいかないだろうよ……」

 

 

「ほんと、他人の都合を気にしなくて良いわね」

 

 

「話聞いて貰えないとどうしようもないしな……」

 

 

「……」

 

 

本当に重い空気は嫌だって……

最初とかの間違えたら死ぬって様な場面よりも、正直今の方が俺にとっては嫌だ。

 

 

「……だったら何を話す、いつもの謝罪かしら?それとも機嫌を良くさせようと称えでもする?」

 

 

正直、いつもの様なお話で済むなら一番なんだが……当然それじゃダメな事が分かっている。

レミリアにするつもりが結局鈴仙さんと話してこうなったわけだし。

 

 

「レミリアの事について聞きたい」

 

 

「は?」

 

 

「ダメかな?」

 

 

「ダメも何も、唐突に何よ」

 

 

「正直に言うんだけど」

 

 

「……」

 

 

「約束すっぽかして他の人と話してたり、尚且つそこで手とか握り合ってたらイラってくるのは分かる」

 

 

「分かるから何?」

 

 

「そう言う場合は好きな物とか買って来ながら謝罪するんだけど……人形とかはそうだなあって思っても結局何が好きとか分かりきってないし」

 

 

「ご機嫌とりってわけかしら?」

 

 

「って言うより……どうせ今何か言った所で聞き流されるだけなので」

 

 

「当然でしょ、宥めるの下手なのだし」

 

 

いや……レミリアを宥められたら正直大した物だろ……

 

 

「だからレミリアの話を逆に聞くって事で……」

 

 

「正直追い出したいのだけど……」

 

 

「そこをなんとか……」

 

 

「やっぱり自分なら大丈夫って思ってるじゃないの……」

 

 

「これもダメなら実質詰みなので」

 

 

「浅くない?」

 

 

正直、もっと話題の広げ方を勉強しておくべきだったと後悔はある。

 

 

「とっとにかく、お願いして良い?」

 

 

うん、我ながら色々と酷い。

 

 

「はぁ……少しだけよ、色んな意味で疲れさせられたし」

 

 

「ありがとう」

 

 

「……誇りなさい、図太さだけは妖怪にも引けを取らないわ」

 

 

そうしてレミリアは話し始めた。

 

 

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「ヴラド・ツェペシュ、その方が私達の偉大なる祖先で私はその末裔よ」

 

 

「……」

 

 

「何、どうしたのよ蓮司」

 

 

「いや……好きな物とか聞こうとしたら何故か壮大なものが始まりそうだなと」

 

 

「当然でしょう、ちゃんと聞いてくれると言ったしね」

 

 

「……聞くけどさ」

 

 

かつて存在したと言われる外の世界でも有名なドラキュラの由来になった人。

そう考えると本当ならそうなんだと思うべきだが……

資料とか読む限り、あの人は本物の吸血鬼じゃないし、末裔なのかは謎に思える……ただ本人が言ってる以上信じなきゃダメだな。

 

 

「つまり串刺し公が先祖ってことはレミリアは生まれながらの吸血鬼?」

 

 

「いいえ、私は違うわ」

 

 

「私はってことは……?」

 

 

と言うか、生まれながらの吸血鬼じゃないって事は、やっぱりヴラド公の末裔では無いのでは?

 

 

「フランは生まれながらの吸血鬼よ」

 

 

「……色々とおかしく無いか?」

 

 

「どうして?」

 

 

「なぜ姉妹で違うのかと」

 

 

「母がフランを身籠っているとき、私と母は吸血鬼になったわ」

 

 

「え……?」

 

 

「お腹の中の子さえも吸血鬼になり、フランは生まれながらの吸血鬼だったのよ」

 

 

「それは……」

 

 

生まれながらの吸血鬼も最悪だが……レミリアも五歳で人生が滅茶苦茶に……何故そんな目に遭わなきゃならないんだ。

 

 

「だからこそ、私にとってフランは大事なの。たった一人の妹だから」

 

 

「母親は……どうなった?」

 

 

「……その胎児は吸血鬼となってしまったせいで最初から能力があったわ」

 

 

「ああ……それは殺せる訳がない」

 

 

小さい頃から監禁される事が決まってしまって……人間すらも見た事が無かっただろう。

ただそれでも、妹なのだ……誰だって手を掛けたくない。

 

 

「だからこそフランが少しずつ良い傾向になって助かっているわ」

 

 

「暴走しなければ、普通の女の子だからなあ」

 

 

「だから、その暴走が少しでも減るといいわね」

 

 

「そう……それが一番……」

 

 

「そのまま、私は吸血鬼となったの」

 

 

「聞かせてくれて有難う」

 

 

「まだ続くわよ?」

 

 

「今から衝動抑えられる薬ないか聞きに行きたかったんだが……」

 

 

「後にしなさい、ここからだし」

 

 

「え?」

 

 

「次の話行くわよ」

 

 

極端過ぎる気がするなあ……

ただまだまだ聞きたい事だらけだな。

正座をしながら再び聞く体勢へと入った。

 

 

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to be continued

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