幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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七十九話 吸血鬼と魔女〜vampire meet witch.

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話はそれからも続けられた。

殆ど自分がいかに凄いかを語られた気がするが……話してくれる状態なだけいい傾向なのだろう。

 

 

「と言うか一番驚いた事はレミリアが外の住人だって事だけど」

 

 

「あら、全ての生物が幻想郷生まれじゃないわよ」

 

 

「それは分かってるけど……幻想郷に来るまで妖怪って存在してないと思ったしなあ」

 

 

「実在はしてたわよ」

 

 

「してたって……?」

 

 

「条件が合って幻想入りした、とは言っても妖怪の山に元から住んでた種もいるけどね」

 

 

「条件って何かあったりするのか?」

 

 

「一番単純なのは忘れ去られる事。忘れ去られた者は幻想入りする」

 

 

「え……いや実在するって言い続けてる人達は居るはずじゃ?」

 

 

「ええそうね、だから住む環境が無くなったから幻想郷に移転したのだと思うわ」

 

 

妖怪達が住む環境が無い、確かにそれは理解出来る。

人間がよりよい住処にしようとしてるし。

 

 

「だから妖怪達は幻想入りしたと」

 

 

「妖怪だけじゃ無いわよ」

 

 

「……人間もそりゃいるだろうけど、例えば?」

 

 

「魔法使い……魔理沙は幻想郷生まれだし、アリスは特殊だけど幻想入りしたタイプも多いわ」

 

 

「その言い方だと……」

 

 

「ええパチェは元々外の世界の魔法使いよ」

 

 

「外の世界に魔法使いが……?」

 

 

「じゃなきゃ魔女狩りなんて起きないわよ」

 

 

「確かに……そう言われるとそうか。と言うか……もしかして2人は外の世界からの知り合い?」

 

 

「そうよ、私とパチェは外の世界で知り合いだった」

 

 

「その頃から仲良かったってことか」

 

 

「何言ってるの、当時は最悪だったわよ?」

 

 

「なんで……?」

 

 

「あのものぐさが誰かと仲良くなる気あるわけないでしょう」

 

 

「いや、最初から紅魔館の皆と仲良かったんで分からないっすが」

 

 

「そう言われるとそうね……」

 

 

「それで、パチュリーさんとどうやったら仲良く……」

 

 

「それを今から話すわ」

 

 

レミリアは嬉々として話し始めた。

 

 

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「500年近く前、世界はどうなってたか予想が出来るかしら?」

 

 

「先程の話から魔女狩りってわけであってる?」

 

 

「ええそうよ、そこに魔女パチュリー・ノーレッジと吸血鬼になって10年ほどの私が居た」

 

 

「……480年以上……結構付き合いは長いんですね」

 

 

「ええそうよ」

 

 

「もしかしてすぐに魔女狩りが起きたりして……?」

 

 

「全然」

 

 

「え?当時の魔女狩りは熾烈と聞いたけど……」

 

 

「だからこそよ、実際に力ある妖怪や魔法使いが目の前に居るのにそれを無視して告発を受けた一般女性を焼き尽くす。それが魔女狩りよ」

 

 

「マジか……?」

 

 

「ええ、空を飛んでいても何も言われない。むしろ幻想郷の方が奇異の目で見られてるしあの時代の方がマシと思ったことさえある」

 

 

「助けたりは?」

 

 

「私は吸血鬼、彼女は魔女。人間に手を貸す理由はないわ」

 

 

……やはり、この人達は憎悪こそ無いものの人間達はどうでもいいんだな。

 

 

「だからこそ私は人間と関われなかったし、パチェしか居なかったわ。当然パチェは関わる必要がなかったし鬱陶しそうだったけど……」

 

 

「フランは……?」

 

 

「あの当時は最悪だったわ。いつまでも衝動しか無かったから監禁して餌だけを渡していた」

 

 

「……」

 

 

フランは本当になんとかしてあげたいと思った。

俺じゃ出来ないかもだけど……永遠亭なら解決方法がって。

 

 

「恐れの対象、吸血鬼は特にね。仕方のない事だけど勝手にされたのに恐れられるのが気に入らなかった……たった十年じゃ割り切れなかった」

 

 

「レミリア……」

 

 

「だからこそ、嫌われては居たけど怖がられなかった彼女を気に入ったわ」

 

 

「唯一話が出来る相手と言うのは掛けがえのない存在か」

 

 

「そのまままた数年流れたわ。仲良くなれなかったけど」

 

 

「数年後……一体何が?」

 

 

「魔女狩りがあったわ」

 

 

「いやでも……魔女狩りって」

 

 

「その付近の女性は全て殺されて、それでも災害が起こってやっとパチェに目が行った。本当に滑稽よね」

 

 

「……」

 

 

当時は本当に酷かったんだな。

聞いた話な以上、想像するのも難しいけど……

 

 

「それで、捕まらない為に逃げたと」

 

 

「いえ、向かって来るもの全て串刺しにしたわ」

 

 

「え?」

 

 

「だって私の分かり合える相手を奪おうとしたのだもの」

 

 

「それで……串刺しに?」

 

 

「ええ、ヴラド公の子孫だもの」

 

 

もしかして……この人は、子孫になりたかったとかじゃなくて、吸血鬼なのをいい事に友人を守る為に子孫を名乗ったのか?

 

 

「その後は……?」

 

 

「幻想郷に迷い込んで今ここに至る」

 

 

「なるほど……」

 

 

「だったら良かったのだけどね」

 

 

「違うの?」

 

 

「当時のヴラド公も患ったのかもしれないけど死霊に祟られた」

 

 

「吸血鬼が?」

 

 

「ええ、肉体は特殊な措置をしなきゃゾンビになったりしないし。怨念が強く無ければ幽霊になったりもしないのだけどね」

 

 

「それで……大丈夫だったのか?」

 

 

「その時、パチェに助けられたのよ」

 

 

「え?面倒臭がられてたのに?」

 

 

「諸々の動向を気付かれていたみたいでね。助けたのとかもバレてたみたいなのよ」

 

 

「でもどうにかなるのか?」

 

 

「本の知識と、六曜で私達三人は忘れられた存在となった……亡霊からもね」

 

 

「忘れられたってことは……」

 

 

「ええ幻想入りしたのよ」

 

 

吸血鬼の姉妹と魔女は幻想郷にそこから流れ着いたのか。

 

 

「その後は美鈴や咲夜と会って今の紅魔館があると」

 

 

「そこら辺は今度か?」

 

 

「ええ日付が変わったしね」

 

 

「明日が……満月か」

 

 

「少なくともモヤモヤとかも愚痴も兼ねて話してマシにはなったからもう満月で暴走したりはしないわよ」

 

 

「気づいてた……?」

 

 

「ええ自覚すらもしてたわ」

 

 

「ただ……暴走しないなら良かった」

 

 

それなら話を聞いた価値があると言うわけだ。

明日まで仲良いままでいたいな。

 

 

「それじゃあ蓮司、血を戴くわ」

 

 

「なんで?」

 

 

「対価と怒りを収めるためよ、満月だと眷属化させてしまうし」

 

 

「分かった」

 

 

そうして吸いやすいように手を出した。

そのまま吸い付くが、その直前耳元で囁かれた。

 

 

「幽霊と言うものは、未練、特に憎悪が原因で残る物が多いわ。だから魔理沙にも言われたけど西行寺幽々子には気を付けなさいと」

 

 

にこやかだがその腹には憎悪が隠れているとでも言うのだろうか……

ただ幽霊なのに無警戒だったのも自分で不味かったかもしれない。

 

 

「魂取られたりしないように」

 

 

「ああ」

 

 

注意だけされて部屋を出た。

咲夜さんは安堵の表情を見せていた。

幽霊やら危機なる存在は多いが……もう満月が近い気合を入れないと。

 

そして肝試しが始まる。

 

 

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to be continued

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