幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

83 / 238
八十一話 肝試し〜fullmoon night.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

迷いの竹林の中を歩いて行く。

力を得た妖怪達が飛び出してこようとするが、輝夜さんに威圧されてすぐに引っ込む。

 

 

「上下関係出来てるんですね……」

 

 

「当然でしょ?竹林で私達に逆らう妖怪なんて居ないわ」

 

 

「……それじゃあ肝試しの意味ないんじゃあ?」

 

 

「でも楽しいでしょ?」

 

 

「……まあ」

 

 

楽しいのは事実だ。肝試しなんてやる機会無かったし……

実際にやると怖いが、彼女によって安全が保障されているからこそ楽しめる。

 

 

「兎だけかと思いきや、意外と色々な妖怪が居るんですね」

 

 

「ええ、兎だけが我が物顔で居るのも納得出来ないしね」

 

 

「……そんな理由なんですか?」

 

 

「わざわざ竹林に住まないかってスカウトしたのも居るほどよ」

 

 

「……マジですか」

 

 

色々と力を入れる所が間違っているなって思えてくる。

本人が満足してるならあまり言うべきじゃないんだろうけど……

 

 

「ああそうそう忘れてたわ」

 

 

「何かありました?」

 

 

「一人だけ気を付けないといけないのが居たの」

 

 

「何かこの竹林にいるんですか?」

 

 

「狼女には気を付けて」

 

 

「狼……女?」

 

 

「知らないかしら?」

 

 

「そう言う訳ではありませんが……」

 

 

狼男じゃ無くて女なのか……確かに妖怪も女性型が多い気もしたしそう言う事なのだろうか?

気を付けてと言われた存在をあまり警戒しても仕方無いは無いのだが……

 

 

「そう言えば輝夜さん」

 

 

「まだ何かあったかしら?」

 

 

「いえ……何処まで行けばいいとか聞いてなかったので」

 

 

「あー、そう言えばそうね。今回はとある家を目指してもらうわ」

 

 

「とある家って……?」

 

 

「目指せば分かるわ、着いてらっしゃい」

 

 

不安に思いながらも輝夜さんを追い掛け竹林を潜って行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「家ってまさかここですか……」

 

 

輝夜さんの後を追い掛けて着いた場所は……一度来たことある。

 

 

「妹紅さん……」

 

 

満月の夜、永夜異変が起きる時に一度泊めてもらったから印象に残っている……

枕投げとかもしたな……懐かしいや。

 

 

「誰!?」

 

 

「えあっ!?すみません」

 

 

唐突に声を掛けられて驚いてしまう。

声からは予想出来たが妹紅さんだ、家の前だしな……

 

 

「一体何を……?」

 

 

「友人と肝試しに来てまして……あれ?」

 

 

慌てて周囲を見渡すが輝夜さんの姿がない……何処へ行ったのだろう?

 

 

「誰も居ないのだけど」

 

 

「そうみたいですね……」

 

 

「第一、満月に肝試しとか巫山戯てるの?」

 

 

「俺も……そうは言ったんですけどね」

 

 

「巻き込まれたの……でも本当に危ないんだよ」

 

 

「確かにそうですね……」

 

 

正直な話俺じゃあ妖怪退治なんて出来ないのに輝夜さんが気付けばいない……

これじゃあただ喰われるだけだろうと思われるだろうし、俺自身も危険だった。

 

 

「……仕方ない、今日はウチに泊まって明日竹林の外に連れてくから」

 

 

「すみません……本当に」

 

 

流石に一人で永遠亭までは戻れない。

本当に申し訳ないが……彼女の好意に甘えるしかない。

 

 

「ただそうだな……そうなると友人も探さないといけないか」

 

 

「勝手にどうにか出来そうな人だと思ってますけど……」

 

 

「そんな強いのか……」

 

 

「弱くはないでしょうね……」

 

 

「なんだか歯切れが悪いな」

 

 

「戦ったところは見た事ないので……」

 

 

しかし霊夢さんとかレミリア達と戦えたと言うならそれなりの実力があるだろう。

何より竹林の妖怪に恐れられてる程だしな……

 

 

「それじゃあ……今日は探しに行かなくていいか……ただ特徴を教えてくれないか?」

 

 

「ん?ああその子は蓬莱山輝夜って言うのですが……」

 

 

「輝夜……?」

 

 

「え?どうされました?」

 

 

「おかしいと思ったよ、こんな満月の夜に肝試しをしてるって言うのもさ」

 

 

「妹紅さん……?」

 

 

「私の事も輝夜から聞いたか?」

 

 

あの時の妹紅さんと違う……目から憎悪を感じる。

一体彼女に何が……?

 

 

「いや、妹紅さんを知ったのはそう言うわけじゃ……」

 

 

「輝夜!!考えたじゃないか!!ああそうさ、ただの人間にしか見えなかったから騙され掛けたよ」

 

 

「いや……俺が妹紅さんに何か出来るほど力があるわけないじゃないですか……」

 

 

「どうせまた殺しに来たんだろう!!」

 

 

「え……?」

 

 

そう言えば……妹紅さんは不死だった。

ただ本に乗っていたのはそこまでだった……

輝夜さんがそんな事をしていただなんて……

 

 

「ごめんなさい……事情を知らずに」

 

 

「もういいよ」

 

 

「……」

 

 

許されたのか……?

 

 

「全て燃やし尽くして考えるから」

 

 

「ちょっ妹紅さん!?」

 

 

「燃え尽きろ」

 

 

周囲に炎が回る、服に付きかけて慌てて離れる。

幻覚含めていい加減炎がトラウマになりそうなくらい炎に囲まれてるな俺……

 

 

「いいのか輝夜、コイツ燃え尽きるぞ?」

 

 

「……」

 

 

彼女が何処に行ったか分からない、ただ来た所で間に合うとも思えない……

迂闊に事情を知らずに肝試しに乗った事が間違いだったか……次からはもっと勉強を。

 

 

「獄神剣!業風神閃斬!!」

 

 

「え?」

 

 

それと同時に風が吹く。

火は消えるが……なんでこの身も毛もよだつ様な風は……?

身体がそのまま崩れて膝をつく。

 

 

「妖夢ー、ダメでしょ人間が浴びてはいい風じゃないわ」

 

 

「しかし幽々子さま、こうでもしなければ彼を助けられませんでしたよ?」

 

 

「それはそうだけど……彼崩れちゃったじゃない」

 

 

「そうは言っても……仕方ないじゃないですか」

 

 

「なんだ、輝夜が来ると思ったら予想外のが来たな」

 

 

「あまり敵対する必要はないかもしれませんが、知り合いが炎に巻き込まれていたのを見て無視は出来ませんので」

 

 

「妖夢」

 

 

「どうされました?」

 

 

「そいつはダメ、ただの人間じゃない」

 

 

「……人間にしか見えませんが」

 

 

「呪われた存在、存在そのものが禁忌よ」

 

 

……禁忌ってなんだ?妹紅さんはそんな罪人には思えないけど。

 

 

「幽々子さん、妹紅さんに何が……?」

 

 

「眠りなさい、ここから先はただの生者が見るべきでは無いわ」

 

 

「それは一体……?」

 

 

そのまま聞こうとするが目の前には季節外れとも言える蝶がいた。

 

 

「なんで蝶が……?」

 

 

まだ、妹紅さんや幽々子さんに聞きたい事があったのに……

そのまま鱗粉を吸い込み、意識を失った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

to be continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。