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朝起きるたびに自分が死に戻って無いか確認する。
今回もなんとか生き延びたようだ。
ただ……昨日の夜の出来事を覚えている。
「起きたかしら?」
「アリスさん……」
「大丈夫かしら?魂取られたりしてない?」
「それは……大丈夫ですけど」
と言うか魂取られるとか何故かいきなり物騒な事起きかけてないですか?
「冥界組が貴方を運んで来たから心配してたのよ」
「あの二人が……本当に助かりましたね」
「ちゃんと礼を言っておきなさい。ただ今は休んだ方がいいだろうけど」
「そうですね……」
身体に多少の異常が見られる、永琳さんが見てくれただろうから爆弾を抱えている事は無いだろうけど。
「何があったか聞いていいですか?」
「……恩人を怒らせてしまいました」
「恩人を?」
「はい、藤原妹紅さん……永夜異変の時にお世話になったのに」
「ああ……竹林で会ったあの人ね」
「そうです……」
「だったらそっち方面でもなんとかしないとね」
「そうですね」
困ってる人を助けるいい人なんだ……
輝夜さんに憎悪を持っている事を知らなかったけど……
謝っても許されるどころかそもそも警戒されてそうだ……
それでも話せるなら話したい。
「そう言えば一つ言い忘れてたわ」
「ん?なんでしょうか?」
「永遠亭からの褒美と言うか……最初から優勝決めるのは無理だったと思うけど」
「それは……そうですね」
正直優勝なんざわけ分からんになっていたし……
「だから、各チーム願い事が一つだけ叶うって方針に変わったわ」
「……良いんですかそれ?」
「実際そう言われたしね、私のチームはまだ決めてないけど」
「でもまあ俺の願いは……」
フランの衝動を抑える薬を用意して貰う。最初からそうすると決めていた。
「それなんだけど、レミリアがその願いをするから小野寺君は別の願いにしてちょうだいって」
「え……?」
「流石に妹の事は姉にさせて、だそうよ」
「そう言われるとそうですが……」
ただ土壇場で言われて何を願えば良いと言うのだろうか?
考えておくか……
「それじゃあ起きたって伝えてくるしまた後でね」
「アリスさん有難うございました」
その後レミリアがやって来て騒いで言ったがいつもと変わらない日常に死なずに戻ってこれたのだと思った。
それと同時に問題も解決していかないとなと……まだまだ多いな。
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「何かご用です?」
「幽々子さんに昨日のお礼が言いたくて」
部屋へ向かおうとしたら、従者が部屋の前で警備していた。
永遠亭内は安全だと思うし、真面目な人なのだなと思う。
「では伝えておきますので、帰ってください」
「何か不都合ありました?」
「いえ、ただ単純に幽々子さまは今食事中なので、邪魔されると不機嫌になります」
「ああ……」
確かに大食いで大変だって言ってたな、あの兎も食べようとしてたし邪魔すると不味いかもしれない……
「それじゃあ帰りま……」
「入って来て良いわよ」
「幽々子さま!?」
部屋の中から声がする。それも彼女が言ってたように怒ってる様子ではなくて、普段の朗らかな感じだ。
「そっそれではどうぞ……」
若干驚かれつつ部屋を通される。
中には予想はしていたが……空の食器が積まれていた。
「まずは助けていただき有難うございました」
「どういたしまして」
そう言いながら彼女は箸を置く。
「食べ切らなくて良いんですか?」
「小野寺君が来たしねえ」
「俺を優先してくれるのは有難いですが」
「どうせ昨日の事が気になったんでしょう?」
「お礼を言いたかったのもありますが」
「律儀ねえ……」
「それで……妹紅さんは?」
「なんでアレに肩を持つか分からないけど、倒したわよお」
「え?それじゃあ妹紅さんは!?」
「死んで無いわ」
「良かった……」
「だって死ねないもの。四肢をもいでも、業火で炙っても」
「え……?」
「だから彼女は危険な存在なのよ」
「不死とは聞いてましたが……」
「食べたら輪廻がおかしくなるから食べれないのよ?」
「なんでも食べようとしないでください!!」
やっぱこの方、人も喰おうとするじゃんか!?
「えー、とにかく不死だったわ」
「何故か分かりますか?」
「輝夜に飲まされた薬のせいで不死になったと」
「……やはりか」
本では蓬莱山輝夜も藤原妹紅も不老不死としか書いてなかった。
ただ……訳させられた竹取物語に似た何かには不死の薬を焼かさずに飲ませていた描写があった。
やっぱりアレはあの二人の……
って事は俺がすべきは……
「どうしたのかしら?」
「いえ……なんでも」
「心ここにあらずって感じね」
「そんなわけでは……」
「いいわ、行ってらっしゃい」
「でも俺、幽々子さんに聞きたいこともありまして……」
「何かしら?」
「俺の苗字どうして知ってたんですか?」
「魔理沙が呼んだでしょう?」
「名前であって苗字は言ってないはずですが」
「……それもそうねえ」
「理由を言えないなら無理にとは言いませんが」
特別な事情があるかもしれないし、幽霊の固有スキルかもしれない。
だから無理して聞き出す気はないが。
「西行妖が満開になれば、私も蘇る」
「え?」
聞いた事があるような無いような……正直聞いた自信はない。
「聞いた事ないかしら?」
「……無いです。すみません」
「構わないわよ。それで理由だけどまた今度話すわ」
「分かりました。」
「だから用があるのでしょう?行ってらっしゃい」
この人は本当になんでも見透かしているとでも言うのか?
「では失礼します。本当に有難うございました」
もう一度礼を言って部屋を出て行く。
それと同時に妖夢さんが部屋へと入っていったようだ。
「とりあえず輝夜さんの所行かないと……」
そう考えながら、部屋へと向かって行った。
…
「幽々子さま」
「どうしたの妖夢?」
「異変解決にも関わって無い彼が西行妖なんて知るわけないじゃ無いですか」
「それはどうして?」
「縁が無さ過ぎでしょうよ」
「本当かしら?」
「……何が言いたいんですか?」
「自分の記憶にある事だけが全て真実だとは限らないわ」
「……変な幽々子さま」
幽々子の言葉を理解し切れず、いつも通りふわふわし始めたのかと、従者は落胆するのであった。
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to be continued