幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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八十六話 かぐや姫包囲網〜why is this.

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あれから一日経ったが、一向に輝夜さんが出てこない。

声を掛けて見ても反応が無いんだが……どうしろと?

 

 

「へそ曲げられたなあ……」

 

 

正直どうしろって言うんだよ……

言ったこと間違ってないしこれでダメならどうしようもないんだが……

 

 

「……はぁ」

 

 

「どうされました?」

 

 

「鈴仙さん……」

 

 

ずっと部屋の前に居た俺を心配したのか鈴仙さんが顔を覗かせる。

 

 

「姫様の話は聞きましたけど……」

 

 

「怒らせてしまったんですかね……?」

 

 

「いえ、姫様はいつもこうですよ」

 

 

「えぇ……」

 

 

「恐らくは気に留めてない所か、どうせやらないって気にして無いですよ」

 

 

「は?」

 

 

「そこは私達も困っているんです」

 

 

「……レミリア達は傲慢だけど約束は守るんだが」

 

 

あの人は本当に……

 

 

「すみません……」

 

 

「いえ鈴仙さんが悪いわけでは……」

 

 

少なくとも今回は鈴仙さんが何かやらかしたわけじゃ無いしなあ。

 

 

「……そう言えば」

 

 

「どうしました?」

 

 

流石に気になった事がある。

と言うか予想通りな気しかしないんだが……

 

 

「レミリアさん達の願いだけはお師匠様が」

 

 

「……他は?」

 

 

「幽々子さん達は食糧って言われてどうしようもない気はするんですが……」

 

 

「ああ……あのチームはそうですね……」

 

 

あの二人の要求する食糧は払い切れないと……言いたくなるのは分かる。

現代では例えるのならば給料とか軽く一食で弾け飛ぶし……

 

 

「アリスさん達の方は……?」

 

 

「それが、まだ願い事を言われてないんです……」

 

 

「え?」

 

 

アリスさんに言われた事だしてっきり既に言っているのかと思っていた……

特にアリスさんはまだしも魔理沙さんがいるし。

 

 

「姫様はどうせまだ出てこないでしょうから、二組に聞いてきて貰いたいです」

 

 

「分かりましたが……」

 

 

「こちらも流石に姫様を看過出来ないのでお師匠様達と話して来ます」

 

 

「分かりました」

 

 

少なくとも自分ではどうにもならないだろうと、永琳さん達に少なくともこの場は任せてアリスさん達、幽々子さん達の方へと向かう事に決めた。

 

 

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「……なんでこいつらが一緒なんだよ」

 

 

「まあまあ……魔理沙さん落ち着いて下さい」

 

 

魔理沙さんが文句を言うのを宥める。

流石にここで喧嘩されるわけにはいかないし……

 

 

「小野寺君、急に集めてどうしたの?」

 

 

「いや、鈴仙さんに願い事を聞いて来いと言われまして……」

 

 

「私達は言ったわよー」

 

 

「それは勘弁して下さいと言われましたが……」

 

 

「なんでぇ……」

 

 

「普通に食糧が尋常じゃないと言われまして」

 

 

「えぇ……」

 

 

「それは事実ですから、少しでも減らせればと思ったんですが……」

 

 

妖夢さんが悔しそうにしている。

やっぱり量が量なんだろうな……

 

 

「こんな時でも食糧なんてたまげたもんだな」

 

 

「むっ……量が分かってないからそんな事言えるのでしょう!!」

 

 

「妖夢ー、喧嘩はダメよー」

 

 

「幽々子さま……貴女のエンゲル係数がおかしいんですからね!?」

 

 

「むー」

 

 

「ところで魔理沙さん達は……?」

 

 

「私は本当は魔導書を願うつもりだったんだが……」

 

 

「私が反対したの」

 

 

「本当になんでだよ!!」

 

 

「貴女が持ってって終わりでしょうが」

 

 

「私が頑張ったんだからいいだろうよ」

 

 

「そしたら私が頑張った功績0じゃない」

 

 

「……」

 

 

魔理沙さんらしいと言えばらしいが……流石にそれはダメだろうと。

独り占めは色々と良くない。

 

 

「小野寺君」

 

 

「幽々子さん、どうしました?」

 

 

「小野寺君は何を願ったのかしら?」

 

 

「俺ですか?」

 

 

「さっきの話だと既に小野寺君は決めていたって事でしょうし」

 

 

「そうだそうだー、一方的なんてずるいぞー」

 

 

ずるいのだろうか?言う分には全然問題ないんだが。

 

 

「ただ、謝って欲しいって言っただけですよ?」

 

 

「……なんだそれ?傲慢か?」

 

 

「いえいえそうじゃなくて、今回の被害者の妹紅さんに」

 

 

「なんで……?」

 

 

「なんでって恩人が酷い目に遭わされましたし……」

 

 

「成る程……」

 

 

アリスさんだけは察する。むしろ幽々子さんは驚いた顔をする。

 

 

「あの子は呪われた禁忌の子よ」

 

 

「不死だからって話ですよね……?」

 

 

「聞いていたの?」

 

 

「気絶する前に少しだけですが」

 

 

「その通りよ、彼女は常軌を逸している」

 

 

「お前が言うのか……」

 

 

魔理沙さんが呆れている。

そう言えばそうか、幽々子さんも幽霊なら逸してるな……

 

 

「そうよ、蓬莱の薬を飲んだ人間は不老不死になる。その人間の生き肝を食した人間も不老不死になる。ただし……亡霊が喰らうと死ねない亡霊。成仏も転生も出来なくなるわ」

 

 

「……」

 

 

確かにそれは大変だ……生きる事も死ぬ事も矛盾する。

この世のイレギュラーになってしまうとどうなるか分からない……

ならばどうすれば……

 

 

「じゃあ食べるなー!」

 

 

「……そうですよね!?」

 

 

食べなきゃいい話じゃん!!うっかりしたわ。

と言うか恩人が喰われかけてるのなんで俺は止めなかった!?

 

 

「だって美味しそうじゃない」

 

 

「恩人なんですってば……」

 

 

「まあ……巻き込んでしまったのは事実だし、あの姫様が実行犯なのも分かるから道理ね」

 

 

「……ただそう言ったら逃げられました」

 

 

「えぇ……あの人聞くだけだったんです?」

 

 

妖夢さんが唖然とした。うん、俺も全く同じ反応だった。

 

 

「だったら願いは叶わないと考えた方がいいって?」

 

 

「いえ、レミリアは叶ったみたいですし、そう言うわけでは無さそうですが……」

 

 

既に薬を持って帰ったらしいが。また訪れてくるかは分からない。

 

 

「成る程ねえ……」

 

 

「幽々子さま?」

 

 

「妖夢、願い事使ってしまっていいかしら?」

 

 

「それは構いませんが……」

 

 

「小野寺君。確か私達は、願い事を変えて欲しいだったわよね?」

 

 

「それはそうですが……」

 

 

「それでも私達は食糧が欲しいので……そうですね、変えないのならば、必要分は足りなくても多少は貰えるのかもしれませんが……」

 

 

「いや、私達も小野寺君と同じにするわ」

 

 

「……え?」

 

 

「実際あの子には迷惑かけたしね、それに結局仲良しが一番だもの」

 

 

「いや……仇敵レベルなので仲良くなれるとは思わないですが……」

 

 

自分は妹紅さんと輝夜さんを天秤にかけて妹紅さんを選んだだけだし……

 

 

「それじゃあ私達もそうしましょうかしら」

 

 

「アリス!?ちょっと待てって考え直そうぜ?」

 

 

「別にいいでしょ?私も恩があるしね」

 

 

「そうなのか……?」

 

 

「一応貴女も関係してるわ」

 

 

「……ああそう言うことか、でもなあ」

 

 

「魔理沙」

 

 

「分かったよ、やりゃいいんだろ!!小野寺、私達もそれで!」

 

 

「え?全員で同じにしてどうするんですか……?」

 

 

「包囲網みたいになったわねえ」

 

 

「より一層まずいのでは?」

 

 

「試しましょう、ここまで追い詰められた姫様はどうするのかしらーってね」

 

 

「……」

 

 

何故か予想以上に壮大なケースになってしまった気がする。

ここまでやれば輝夜さんは後戻り出来なそうだが……やり過ぎな気も……

だが、こうなってしまった以上、せめて仲良くは無理だろうけど……少しでも一触即発状態が良くなればいいなとだけ思う事にした。

 

 

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to be continued

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