幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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九十話 さよならよりも〜Let's meet again.

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「貴方を含めて皆にはお世話になったわ。姫様達はまだ溝が深いけど、それでもね」

 

 

「いえ、元はと言えば俺やアリスさんが永琳さんに助けられたことから始まりましたから」

 

 

「そう言えばそうだったわね、でも正直呼んだ時はこうなるなんて思いもしなかったわ」

 

 

「それはまあ……共通認識でしょうね」

 

 

「まっ姫様以外は結果良しで万歳って事で」

 

 

「その姫様は?」

 

 

突如混ざって来たてゐに質問をぶつける。

輝夜さんが本当にどうなったか分からないし……

 

 

「あーそうね……不貞ゲーしてるんじゃない?」

 

 

不貞ゲーって……相変わらず逞しいな……

彼女らしいと言えば彼女らしいけどさ……

 

 

「まさかこんな面白い事になるとは思わなかったしね。改善したかは微妙だけど新たな一歩って事で感謝するよ」

 

 

「……結局てゐが何をしたかったんだか分からないんだが」

 

 

「私?私は自由気ままにやりたいようにってね」

 

 

「……」

 

 

間違いなくタチが悪い奴だ……

 

 

「それでは皆様お元気で」

 

 

最後に鈴仙さんが別れを告げ永遠亭を出て行く。

次来る時にはもう少し輝夜さんがどうにかならないかな……と思いながら。

 

 

「それじゃあ小野寺君、絶対に気を付ける事」

 

 

「アリス、大袈裟すぎやしないか?」

 

 

「これだけ言っても前にやらかしたしね」

 

 

「うへぇ……マジか気を付けろよ!またアリスが説教臭くなるのは嫌だから……痛!?」

 

 

人形の針に突かれている……実際に刺さると痛そうだ。

 

 

「また用が終わればすぐにでも会いに行くから、死なないように」

 

 

「大丈夫ですって」

 

 

そのまま、アリスさん達とも分かれた。

幽々子さん達は気付けば居なくなっており、残念ながら別れの挨拶は出来なかった。

ただまたいつか何処かで会うだろう。そう思った。

 

 

 

「なんか少し引っかかるな」

 

 

「妹紅さん?」

 

 

「いやなんでもない」

 

 

妹紅さんは何か疑問に思っているようだが、それが何か分からない。

とりあえずはそれは後回しにしよう。

 

 

「紅魔館で良かったんだよな?」

 

 

「ええ寄り道お願いします」

 

 

そのまま紅魔館に向かおうとしたところ……

 

 

「レミリア?」

 

 

帰ったと思っていたが、レミリアが永遠亭の付近で待っていたのであった。

 

 

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「うまく行ったの?」

 

 

「あれ?レミリア紅魔館に戻ったんじゃ?」

 

 

「フランに薬を渡しに行って一度戻って来たのよ」

 

 

「なるほど、確かにそれが最優先事項だったろうけど」

 

 

フランの薬が無事に届いたようで良かった。

 

 

「それで効果はどうだった?」

 

 

「少なくとも良い傾向になっているわ。フランが落ち着くって……やばい薬じゃないかって意味で心配になって来たけど」

 

 

「まあ……確かにそれだけの効果が出るとそちらの面でも心配になるか」

 

 

よく考えたら衝動を抑えるって、違法な物も混ざってる気がして来たし……

薬学知識はないので、永琳さんだし多分大丈夫と思っておこう。

 

 

「まあ、直接見てみれば分かるわよ」

 

 

「え?」

 

 

「えって……肝試しも終わったしそろそろ帰るでしょう?」

 

 

「ああ……それはそうか」

 

 

本来ならば、その筈だよなと。

 

 

「だから蓮司も紅魔館に帰るし、私が来ないとねってわけでわざわざ来てあげたのよ?」

 

 

「ああその事なんだけどレミリア」

 

 

「うん?」

 

 

話し合いで決めた事をレミリアに伝える。

 

 

「俺は紅魔館から一度離れることになるって伝えないとって」

 

 

「……理由は?」

 

 

「また幻想郷中を回ろうかなと」

 

 

「そんな死に急ぎたいなら殺してあげるわよ?」

 

 

「そうではないけど……」

 

 

「まあ当然でしょうけどね」

 

 

流石に自殺願望では無い、と言うかむしろしぶとく生き延びないとまた何か言われる……

 

 

「それで、本当の理由は?」

 

 

「本当の理由って……?」

 

 

「本当は吸血鬼とか怖かった……」

 

 

「それはない」

 

 

力強く否定する。

 

 

「え、でも蓮司は言ってたじゃない」

 

 

「確かに怖いのとかはあったし、今だって舐めた態度取れば死ぬくらいには警戒してるよ……でもレミリア達が原因で紅魔館から出るわけじゃない」

 

 

「……そう」

 

 

「前にレミリアが言ってた、昔俺と会ったって話覚えてる?」

 

 

「それは……覚えているけど」

 

 

「俺も最初は無いと思ってたけど、もしかしたら何かあったのかもしれないって」

 

 

「……理解が出来ないわ」

 

 

「もしかしたら俺自身でも忘れている事があるかもしれないって」

 

 

「そんな……無茶苦茶じゃ無いの」

 

 

「無ければそれでいいんだけど、あった場合探しに行かないとって」

 

 

「蓮司はあると思っているの?」

 

 

「……思ってる」

 

 

幽々子さんにも言われたし、何か思い出せないものは存在していると思っている。

その話をすればレミリアは幽霊を信じるなって言いそうだけど……真面目に何かありそうだなと考えている。

 

 

「そこまで言うなら止めはしないわ」

 

 

「有難う」

 

 

「なんで感謝してるのよ……」

 

 

「いや……レミリアが俺の事信じてくれたんだなってこと……かな?」

 

 

「なんで疑問形なのよ」

 

 

そう言いつつもレミリアは笑う。

散々に言われるかと思ったし、なんなら都合の良い玩具として監禁されるかと思ったけどそんな事は無くてよかった。

むしろ笑ってくれるなら安堵出来るかもしれない。

 

 

「何処へ行くのかしら?」

 

 

「無縁塚へ行こうかと」

 

 

「……何も無い気がするのだけど」

 

 

当然と言えば当然の反応ではあるが……何かありそうだと思っている。

誰かが呼んでいる、そう思いながら。

 

 

「それならまあ良いんじゃない……」

 

 

「いやいや、絶対になんかあるって示して見せるから!!」

 

 

「そう言われても困るのだけどね」

 

 

確かに……ここでの力説はレミリアを困惑させるだけの気もするな……

 

 

「紅魔館には戻らずそのまま行くの?」

 

 

「悪いけどそうする……紅魔館に戻ると決意が鈍りそうで」

 

 

「成る程ね、それじゃあ蓮司さよなら」

 

 

「いや違う」

 

 

「何が違うのよ……」

 

 

「例えまた死に戻っても紅魔館にはまた訪れるからさよならじゃなくてまたねだ」

 

 

「……変な事拘ってるんじゃないわよ」

 

 

「いいや大事な事だ」

 

 

確実にまた帰ると決める事は、レミリアにとっては違っても俺にとっては大事な事だと思っている。

 

 

「分かったわよ」

 

 

「……本当に申し訳ない」

 

 

「蓮司の無茶振りは今更でしょうよ」

 

 

「それもそうか」

 

 

「いや反省しなさいよ」

 

 

最後までこんなノリだ。ただ湿っぽいよりは何倍もいいか。

 

 

「またね、傲慢だけど可憐で優しい吸血鬼」

「またね、弱く大胆不敵な癖して面白い夢を見る人間」

 

 

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