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魔法の森、前は何度もここで迷う事になった。
今ではアリスさんの家までは分かるが……無縁塚までは分からない。
「お願いします」
「そこまで緊張しなくてもいいんだがね……」
「それはそうですが……」
無縁塚に辿り着くために霖之助さんの後について魔法の森へと潜って行く。
いきなり道を逸れて驚く。
「気を付けないと迷うよ」
「そうですね……置いてかれたら迷いそうです」
「蓮司、迷いの竹林と違うから私に期待しないでね」
「すぐ終わりは無さそうですが……それでも危険な事には間違い無いですしね」
黙々と付いていく、アリスさんの家を過ぎ魔理沙さんの家へと辿り着く。
「魔理沙さんの家だ……って何してるんです?」
「ちょっと魔理沙が帰ってないのかと……少し部屋のチェックをね……」
「勝手にしていいんですか?」
「じゃないと汚部屋になる可能性があるからね……」
「そんななんです……?」
「アリスくんと僕がいないとね……」
「それで、見た所掃除は必要なんです……?」
「そもそも今はする気がないから問題ない。余程酷ければまた明日訪れるつもりだったけど」
「大丈夫そうだと」
「そもそもまだ帰って来てないみたいだしね」
「ああ、そう言われるとそうでした」
「早く帰ってくると良いんだがね」
「心配ですか?」
「どちらかと言うと、誰かに迷惑を掛けてないかって意味でね」
「あー……」
納得せざるを得なかった。
妹紅さんも理解出来たようで少し明日の方を見ていた。
「それじゃあ行こうか」
そのまま霖之助さんは外へと出て行く。
そして……その姿は消えた。
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「霖之助さん何処ですか!?」
妹紅さんと慌てて探すが見当たらない。
森に深く入り込んで迷ってしまっても仕方ないためあくまで魔理沙さんの家周辺だが……
「居たか?」
「居ません……何処に行ったんですかね」
「普通なら拐われたとかだけど……音すらしないのはおかしいね」
「そうですね……全く音がしなかったですし……消えたとかの方が正しそうですが」
「全く……これじゃあまるで神隠しだ」
「神隠し……」
まさか、俺と同じ事が起こったのか?
ただそれだと霖之助さんが何処に行ったってなる。
まさか幻想郷外への神隠しなんてあり得ないだろうし……
「決まったわけじゃないけどさ」
「そうですね……ただそうやってひっそりと消えてしまったならどうすればいいか?」
「……る。……ね」
「妹紅さん、何か言いました?」
「言ってないけど」
「じゃあ一体誰が?」
「何か聞こえたの?」
「誰かが囁いたような……?」
「……そう、どの辺で?」
「この辺ですが……」
探してみるが誰も居ない、動物が居た形跡すら無い。
「ごめんなさい、やっぱ気のせいのようで……」
「ちょっと試してみようか」
「え?」
そう言う妹紅さんの手に炎が灯る。
「ええええええええ」
「そうら燃えるぞ」
「ちょっと止めなさい!?」
慌てて何かが姿を現す。
見た目は子供とも一瞬見えたが……それ以上に小さいな……妖精だろうか?
「君は……」
オレンジの髪に赤いリボンでツインテールを作っているようだ。
服装は白がベースで赤いスカートの上にこれでもかと言うほどフリル状になっている。
「サニーミルクよ。この森に住んでいる妖精ね。」
「初めて見ましたね……」
「普段は姿を隠しているから」
「姿を隠している?」
「私の能力よ、光の反射を利用して他の人から色々な物を見えなくするの」
「え?つまり霖之助さんが今居ないのって?」
「……」
「あの……」
「2人共!戦闘準備よ!!」
そう言うと何も居なかった位置から二人がひょっこりと出てくる。
この子達も能力で隠れていたのか……
「何やっているのよサニー、バレちゃったじゃない」
「どうせ疑われてたわよ。問題ないわ」
「ああもう!人間達!懲らしめてやるんだから!!」
「纏めて燃やしてやるから安心しな」
「妹紅さんここは森いいいいいいいいい!?」
「安心しな、火加減はするさ」
そのまま三対一のスペカ勝負が始まり心配しか無かったが……少し経って焦げた妖精達が出来上がった……妹紅さん強い。
……と言うか森が燃え尽きないで良かった。
「……やられたー」
「呆気なかったな」
「強過ぎるでしょ……」
「弱くは無いしな」
「負けるなんて……」
「それで、あの眼鏡はどうした?」
「今出します……」
追い詰められた妖精達は、自分達のように見えなくなっていた霖之助さんの姿が見えるようになる。……良かった。神隠しなどでは無くて。
「……すまない助かった。彼女達の悪戯で迷惑していた所だ」
「無事なら良いんだよ。で、コイツらどうするよ?」
「え?いや……どうするってどうしたいんですか?」
「蓮司の用があったのにその妨害を散々されたし……そこのも言いたい事あるだろうし」
「そこのって……」
「妖精にいいようにされている人が何か……?」
「……個人的には彼女達に思う事はあるけど。なんだかんだ魔理沙達も世話になっているらしいしね」
「魔理沙さんの知り合いなの!?」
「……そもそも君達とは良く会う筈だが?」
「あっ香霖堂の店主じゃん」
「……むしろなんだと思っていたんだ君達は」
「泥棒」
「魔理沙さんの家を荒らす不届き者」
「とっ捕まえようとしたの」
「……」
「確かに……そう考えるとおかしく無いのかな?」
確かに側から見れば泥棒にも見えるし、そう考えると霖之助さんが悪いのか……?
ただそれで一方的に霖之助さんのせいって言うのも違う気がする。
どっちも悪かったが妥当なのだろうか?
「霖之助さんがお咎め無しと言うならそれでいいんじゃ無いでしょうか?」
「甘いけど、蓮司がそれでいいならいいか」
「妹紅さんが後は何かしたければですが……」
「もう十分に焼いたしなあ」
焼いたって……合ってるけど本当に色々と突っ込みたくはなる。森が無事だし文句は言わないけどさ。
「ああそうだ、霖之助さん」
「どうしたんだい?」
「魔理沙さん最近見ないんだけどどうしたんですか?」
「ああ、まだ帰って来て無いね」
「そんなー、魔理沙さんと遊ぶって約束だったのにー」
「何というか……本当に人気ですね魔理沙さん」
「え?貴方も魔理沙さんの事知っているの?」
「知っていますが流石にいつ帰ってくるかまでは分かりませんよ?」
「ふぅん、名前は?」
「え?小野寺蓮司ですが……」
「それじゃあ蓮司さん、これからの予定は?」
「無縁塚に行く筈なんですが……」
君達に邪魔されました……
「あー……ごめんなさい」
「それは良いって話になりましたから」
「それなら良いのだけど……今日とは言わないから、それが終わったらまた来てくれませんか?」
「うん?」
「魔理沙さんが居ないから暇なので……」
「余裕があればで良いならですが」
「それで問題ないわ。どうせ暇なら悪戯しに行くし」
「悪戯……」
「あっやばっ逃げろおおおお」
サニーと呼ばれていた妖精はさっさと姿を消す。
流石に消されては何処にいるか分からない。
「サニーが本当にごめんなさい……」
「……元気があるのは分かりましたが」
「それじゃあ考えておいてください。少し叱っておきますので!」
そう言って残り二人も帰って行った。
台風のようにやりたい放題やられた気がするが……まあ致命的な時間ロスじゃないし良しとしよう。
「僕が原因とは言え幾ばくか時間が経ってしまった。少し急ごうか」
「了解です!」
霖之助さんの後を追いながら更に森の奥へと潜って行った。
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to be continued