幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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九十五話 無縁塚〜mouse girl.

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無縁塚へと続く再思の道。

枯れかけ始めているとは言え、彼岸花が咲き誇っている。

 

 

「凄いですね……」

 

 

「もう少し前ならもっと咲いていたんだがね」

 

 

「誰が育てたんでしょうねこれ……」

 

 

「知らないね、元よりこの道に興味すら無かったから」

 

 

「いつもこの道を使われているのでは?」

 

 

「それはそうだが……一々気にする物でも無いだろう?」

 

 

「そう言われると……そうですね」

 

 

特定の場所なら覚えるが通り道だって全場所を気にはしないな……

 

 

「それで……この先を抜けると、無縁塚だ」

 

 

「そう言えば霖之助さんってどうして無縁塚に来たんですか?」

 

 

「どうしてって?」

 

 

「いえ……身寄りのない人達に関わりが合ったのかなと」

 

 

「そうでは無いよ、無縁塚には物拾いに来ているんだ」

 

 

「物拾い?」

 

 

「そもそも無縁塚にはどう言った人が眠っていると思う?」

 

 

「……身寄りのない人ですよね?」

 

 

「外の人間達だよ」

 

 

「……」

 

 

「流石に死体から剥いだり、墓荒らしをしたりはしないが……この場所は人もそうだが物が流れて来るんだ」

 

 

「……もしかして、香霖堂の商品って?」

 

 

「予想通りここで拾って来た物だよ」

 

 

「だからですか……」

 

 

あの時大量に商品を持ち歩いていたり、香霖堂の商品が壊れていたりしたのか。

 

 

「……だからって言葉で締められても困るが、合っているとは思うね」

 

 

「すみません」

 

 

「まあ、そうやってなんだかんだしているうちに目的地だ」

 

 

目的地へと辿り着いたが……思った以上にここには何も無いな……

墓と言える物すらそこには無く、大小様々な石がそこら中に転がっている。

ただし……夢の中で見た場所はここだ。

 

 

「本当に無縁と言うか何というか……」

 

 

「それで……君の用件は済ませそうかな?」

 

 

「探してみますね」

 

 

そのまま無縁塚を歩き続ける。

夢で出会ったあの少女はいるのかと……

 

 

「……うん?」

 

 

正直誰も居ないかなと考えていた。

しかし奥の方を見てみると誰か居るようだ。

 

 

「あの……君は……」

 

 

「誰だい?無縁塚に誰か居るとは珍しい」

 

 

夢で見た少女は確か角が生えている鬼に見えた少女のはずだった。

ただしこの子は……丸い耳。その姿は鼠の様に見えた。

 

 

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「君は一体?」

 

 

「まあいいか……煮詰まっていた所だしな。私はナズーリン。妖怪鼠でもある」

 

 

銀髪の少女はそう答える。

妖怪鼠……確かに普通の鼠は喋ったりしないが、それでも強調するものなんだ……

 

 

「いきなりですみませんね。と言うより、何か煮詰まってたんですか……?」

 

 

「おいおい、私には話させて自分の事は話さないつもりかい?」

 

 

「ああそうですね、こちらも名乗るべきでした。小野寺蓮司、人間です」

 

 

「人間が無縁塚に?本当に理解が出来ないが……」

 

 

「探している存在がいまして」

 

 

「ふぅん……ソイツが無縁塚にいると?」

 

 

「記憶の中ではここだったので」

 

 

「残念ながら君の手伝いは出来ないが」

 

 

「うん?元よりその気はなかったですが」

 

 

「てっきり私の能力を頼りに来たと思ったけど」

 

 

「能力?」

 

 

「気にする必要はないよ」

 

 

「逆にそこまで言われると気になるんですが……」

 

 

「そこまで人間に優しくする気はない」

 

 

「……」

 

 

元々人間への好感度が高い妖怪は少ないが、話せると思った相手がこうなってしまうと悲しいなと思う事はある。

 

 

「なんなら、君を小鼠達の餌にする事だって出来るんだけど?」

 

 

そう言うナズーリンさんの肩に小さな鼠が座る。

 

 

「それは困りますね……」

 

 

「そうは言ってもこの子達はお腹が空いたと言っているが?」

 

 

「ちょっと、いきなり同行者を食べようとされるのは困るのだけど」

 

 

そう言いながら妹紅さんが後ろの方から歩いて来た。

ナズーリンさんに敵対する気はあったのか……と言うか脅すだけで本気だったのかは分からないけど……間違いなく安全になった事には変わりないだろう。

 

 

「おやまた人間……では無いな」

 

 

「失礼な、私だって人間だよ」

 

 

「人間と言うには……大分特異すぎると思うが……しかし私では勝てない存在だな」

 

 

「特異って……確かに事実だけど」

 

 

認めるんだ……まあ不死は普通の人間じゃ無いし、仕方ないか。

 

 

「それで、こんな場所で何してるのさ」

 

 

「それはこっちの台詞だって言いたいけど」

 

 

「どうせ蓮司が話したでしょう?」

 

 

「……そうだね、彼から聞いている」

 

 

あっやっぱり察されるんですね。

まあスムーズに進むのは良いことか。

 

 

「探し物だ」

 

 

「なんだ大体似たような……」

 

 

「いや、物と一緒にされたらソイツも怒ると思うぞ」

 

 

「それじゃそうですね……」

 

 

「正確にはここでも探し物があるとはいえ、それ以上にお宝探しをしているんだが」

 

 

「お宝探し???」

 

 

え?無縁塚で?流石に色々と違うような?

 

 

「だって埋まってそうだろう?」

 

 

「いやぁ……厳しそうだと思いますが」

 

 

「そこは私の能力でどうにかして」

 

 

「能力……?」

 

 

「いや……なんでもない」

 

 

「ちょーっと気になるなあ、それをお姉さんに教えてくれないかな?」

 

 

「うぐ……探し物を探し当てる程度の能力だよ」

 

 

「探し物……ですか?」

 

 

「でも人に使えるとは限らないぞ?」

 

 

「それでも可能性はあるんだな?」

 

 

「妹紅さん?」

 

 

「余裕があればでいいが手伝ってくれないかってな」

 

 

「忙しそうなのでは?」

 

 

「お宝探し以外もやらないかって話って事で」

 

 

「手伝う義理も無いんだが……」

 

 

「いいだろう?どうせこれも縁だ」

 

 

「勝手な縁の押し付けじゃ無いか」

 

 

「ほら、なんとかなりそうだって」

 

 

「あの妹紅さん……?」

 

 

「蓮司、お前からも……」

 

 

「そもそもまだここら辺を一切探索していないので……少なくともそっちが先かなと」

 

 

「……まあそうか、確かに順序を間違えていたかもしれないな」

 

 

「……もしも見当たらない場合はお願い出来ませんか?」

 

 

「……考えておく。私はここら辺か小屋にいるから」

 

 

「え?小屋があるんですか……?」

 

 

「ああ近くに建ててある」

 

 

それなら霖之助さんは知り合いなのだろうか?

後で聞いてみようかな。

 

 

「それじゃあ周囲を探索してきますね」

 

 

「一応言ってはおく。奥の方までは見ていなかったが誰も居なかったぞ」

 

 

「それは危険な生物もですか?」

 

 

「ああ、一通り見て回ったが何も無かったぞ?」

 

 

「早いですね……」

 

 

「必要そうだったしな」

 

 

「有難うございます」

 

 

「嘘かどうかは気にしないの?」

 

 

「妹紅さんが嘘吐くメリット無さそうですしね」

 

 

「それもそうか」

 

 

「ああ。じゃあ危険な事が有れば大声で呼びなよ」

 

 

「あれ?妹紅さんは?」

 

 

「一応彼女の手伝いをしようかなと。手伝っておけば後で手伝ってくれそうだしな」

 

 

「は?」

 

 

「一人で宝物を探すより何かあるかもしれないよ」

 

 

「それはそうだが……」

 

 

「妹紅さんが探すなら俺も……」

 

 

「蓮司はまず見なきゃダメだろ……?」

 

 

「何も無かったのでは?」

 

 

「それは私視点であって、ここに用があった蓮司には何かあるかもしれないだろ?」

 

 

「確かに……そう言われるとそうですか」

 

 

「いいか、遅くなるようなら探しに行くが何かあったらすぐに叫べよ」

 

 

「間に合うんですかね……?」

 

 

「私だってそこそこ速いんだよ。それに何も見つけられなかった私が側で待機していても何かあったらそれこそ私が居たところで……だろうし」

 

 

「それじゃあ叫んでもダメなのでは?」

 

 

「一応だ一応」

 

 

「分かりました」

 

 

俺の目でも見て回りたかったし、無縁塚を歩いて回る。

一部が霧が濃いせいか……妹紅さん達の方が見えなくなるがそれでも進んでいく。

 

 

妹紅さんは誰も居ないと言っていたが……目の前に人影がある。

ああもしかしたら霖之助さんかもしれないな。と言うか他で見てないしそうだろうな

 

 

「霖之助さ……?」

 

 

「……残念ですが貴方の待ち人はここから去ったわ」

 

 

「え?」

 

 

しかし霧の先から聞こえる声は女性の声だ。

その姿は霧で見えない……誰だ?

 

 

「どう言う事ですか?」

 

 

「言ったままの通りだけど?ここまで言っても分からないの?」

 

 

「……それなら何処へ行ったのでしょうか?」

 

 

「そこにまで答える義理はないわね」

 

 

またか……ただ知っているならそれを答えてくれないのはあんまりだろう。

 

 

「すみませんが教えてください」

 

 

「その前に貴方についてですが……」

 

 

霧が徐々に晴れてくる。

その姿が段々と見えるようになってきた。

 

 

「ああすみません、俺の名前は……」

 

 

「いいえそれは大丈夫。問題なのはそこではないわ」

 

 

「どういう事ですか?」

 

 

何を言いたいのか分からなくて戸惑う。

霧が晴れてその姿がくっきりと映った。

そして目に映る少女は口を開いた。

 

 

「貴方は些か業が深過ぎる」

 

 

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to be continued

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