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また霧の中を潜り、妹紅さん達の方へ辿り着く……が何をしているんだ二人は?
「あの……」
「蓮司、戻ったか」
「助かった……」
「真面目に何があったんです???」
「いや、私の能力は話しただろう?」
「探し物を探す程度の能力ですよね?」
もしかしてそれで妹紅さんが好き勝手やったと言うか……何か探索をお願いしたりしてやになったとか?
「……ああそうだ、ただ全く話を聞く気がないんだ」
「……どう言う事です?」
「だって、今までもずっと能力を使って探してただろう?それで見当たらないって事は掘らなきゃ始まらないだろうって」
「それは否定はしないが……」
周囲を見渡すとあちらこちらが穴ぼこだらけになっている。手当たり次第にやった感じか。
「ダメなんです……?」
「見れば分かるだろう?」
「いえ……教えていただけると……」
「失せ物ではないし、確かに能力では見つけられない事には気付いていた……だが、それでも何日も何日もかけて目印を付けながら少しずつ進めていたんだよ」
「……あー」
周囲を見て察する。確かにこれでは何処だか分からないか……
「ならいっそ全部掘っちまえばいいだろう?」
「土を置ける場所が無いに限るね……ちゃんと埋め直しておいてくれ」
「……すまなかった、これが一番だと思ったんだけどな」
「悪気が無いせいで逆に怒れずに困っているよ」
良かれと思っては流石に違うが、彼女なりに考えた結果が空回ったのだろうな……
確かに全部掘っちゃえばいいじゃんは考えはする。
「そういや蓮司。どうだった?」
「別の人はいましたが……探し人はいませんでした」
「むしろ他の人居たんだ。私が行った時は居なかったと思うけど」
閻魔様だし不死である彼女にはもしかしたら見えないのかもしれないが……そこは分からない。
「その人が言うには去ってしまったと聞きましたが」
「あちゃー遅かったか……何処か行ったかは?」
「分からないと」
実際は知っていたのだと思う。
しかし明かされなかった……だから自力や他の人を頼って探すしか無い。
「さっきははぐらかされたけど……ナズーリン、能力は人に使える?」
「物と人は違うとさっきも言ったはずだが」
「でもさっきの反応的には人とかにも多少は反応しそうだと思ったけど」
「本来の用途から離れているんだが?」
確かに妹紅さんは行けそうというが、ナズーリンさんの言う通りダウジングで人を探すなんざ前代未聞だしなあ……
金属探知機みたいな方法だとしても反応しないし、どう見つけるんだって話になる。
「物は試しにって事もありじゃ無いかなって」
「何故手伝わなければってさっきも言ったが……」
確かに無理だろうな……手伝うメリットも無いしなあ……
そう思ってるとナズーリンさんはこちらの方をチラッと見る。
「ただ……いつまでもここに居られるのはいい迷惑か」
「え?良いんですか?」
「もう一度言うが、いい加減一人で探したいからだよ」
「いえ……それでも有難い限りです」
「それで、その子の名前は?」
「……分からないです」
「は?」
ナズーリンさんに凄い形相で睨まれた。
ただし仕方ない……分からないんだから。
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「名前が分からずに探して無縁塚まで来たのか?」
「はい、ここにいると思っていたので……」
実際は去ってしまった後だったわけだが。
「見た目は?」
「説明出来るほどくっきりとした記憶が……角があるくらいですかね」
「……」
改めて考えると、見た目も名前も分からない相手を探してって凄まじい事を言ってるなと。
ただし……彼女は何か知っていそう。そう思い続けているが。
「何処であったの?無縁塚?」
「いや……実際に会った事は無いです」
「……誰かから聞いた?」
「夢で出会いました」
「……」
今、彼女には呆れられてる気がする……
「それは元々君の妄想の産物の可能性すらあるの分かってる?」
「……あり得るんです?」
「君は実に馬鹿だなあ」
「なっ……」
「見たこともないなら自分が会いたいような想像の人物を作り上げてるようにしか思えないよ」
普通ならそうなのかもしれない……
ただ、考えている彼女は本当に想像の中の生き物なのだろうか?
何より頭で浮かべていた無縁塚が実際にこうあったわけだし。
「蓮司。一先ず思い浮かぶ事を言ってみたら」
「思い浮かぶ事……」
「まあ、そう言うのがあった方がいいしね」
「背は……低めだったと思います」
「ふむふむ」
「それで……さっき言った通り角が生えていて、話した感じ嘘が嫌いそうでした」
「そもそも嘘吐かれて喜ぶ人なんて限られるよ」
「まあ……それはそうですね」
実際俺も喜ぶ人間はやばいと思うし。
「それで……それで……」
髪の色や服装が思い出せない……ぼんやりしている。
「これだけだと厳しそうなんだが……」
「まだ何か無いの?」
「思い出せ」
頭を捻る……何かを忘れ……
「思い出した」
「髪型?服装?」
「いえ、彼女は確か鬼だったはず……」
「……そういうのは先に言いたまえ地上の鬼は限られているんだ」
「すみません……焦りまして」
「まあいい、鬼だな」
能力を使って失せた鬼を探す、見つかるかは祈るしか無いが……決まってくれるといいな。
「見つけた」
「え?早く無いですか?」
「元から少ないし、ダウンジングが優秀ってわけだ」
「なるほど……」
「それで、何処にだ?」
「今は博麗神社にいる」
「博麗神社に鬼が居ていいんですか……?」
「分からないがあそこは寛容だしな、あり得るかもしれないな」
霊夢さんはガメついイメージとかあるが、やっぱ優しい所は優しいんだなって思わされた。
「ナズーリンさん、お陰様で助かりました。有難うございます」
「礼には及ばないよ、むしろ帰って欲しいとまで言ったしね」
確かにそうか、それなら早く出るべきなのだろうか?
とりあえず今日は帰った方がいいかもしれないな。
「それじゃあ霖之助さんを探しましょう」
「ん?協力要請かな?」
「いえ、純粋に一度戻るので。考える事も多いですし」
「成る程な、世話になったし後で改めてお礼しないとな」
「そうですね」
俺が出来る事はそこまでないかもしれないが、何かあったら全力で手伝おうか。
「博麗神社……」
寄るのは久々だが、そこに鬼がいるなら行くしかない。
彼女は果たしてどう言った鬼なのか、何か知っているのか……様々な疑問を持ちながら一度無縁塚から帰る事を決めたのだった。
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to be continued