ボーイ8メンタルアウトアウト~学園都市編~ 作:真夜中のミネルヴァ
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その夜は、床についてからも操祈のことばかりが頭に浮かんできて、なかなか寝つけなかった。ブリーフの中はカチカチで、股間から棍棒でも生えているようなことになってしまっている。
さっさとトイレに行って抜いてしまおうかとも思ったのだが、少年はそうするかわりにまた寝返りをうってうつ伏せになると、布団に圧しつけてはしばしの慰めを得る方を選んだのだった。
冷たいトイレの便座に腰掛けて殺風景なドアを見ながらするよりも、枕に顔を埋めて操祈のにおいを思い出している方が魅力的に思えたからだ。
そうやって、ぐずぐずと踏ん切りがつかないままに時だけが過ぎていく。
深夜二時すぎ――。
つい一週間あまり前までは、すぐ手を伸ばせば届くところに、誰よりも可愛い
“ごちそう”を前に、ずっとおあずけを食らっているような気分でいるところに、“食欲”をそそる良い香りが漂ってくれば、お腹も鳴るし涎も溢れてくる。生理的な反応を意思の力でねじ伏せ続けるのは、やはり消耗するのだ。
操祈らしい清潔な体臭が香ると、どうしても彼女のもっと魅力的なにおいを思い出さずにはいられなくなってしまう。
だから自然、彼女とは距離を置き、授業中でもコンタクトを努めて避けるようになっていったのだが、そのあげくが今の揺り戻しとなっているとしたら、もっと“小まめ”に欲望を処理するなど別の策を講じなければならないのかもしれなかった。
いったん盛った若い体は、きっと一度や二度の放出では収まらないのだろう、弾倉がカラカラになるまでありったけを打ち尽くさないことにはスッキリ眠れそうにもない。
操祈とのベッドでは、そうしていたように――。
なによりも、におい――が、恋しかった。操祈のにおいの沁みついたものがあれば、それを“オカズ”に自家発電の永久機関にだってなれそうなくらい。だが生憎、彼女から“あずかった――”生肌着の上下は、今回は、万が一の手荷物検査をされる場合を危惧して実家に置いてきてしまったので、手許にはなかったのだった。それが今となっては心残りとなっている。
脱いだばかりの新鮮な肌着のにおい――。
カップサイズのみごとに大きなブラの、ほっこら暖かく、汗がほのかに甘く香る操祈らしい和やかなにおいも大好きだったが、やっぱりいま欲しいのはショーツの方だ。ずっと鋭角的で濃厚、豊かで複雑な胸ときめくにおいが何より恋しかった。
あんなに美しくて愛くるしい姿をしている生きものの、もうひとつの
操祈にしかつくりえないにおい……。
先生のカラダが欲しい――。
ギシギシ音を立てないように、布団の中で静かに自分を慰める。だからといってゴムを装着していないので暴発させないようにしなければならない綱渡りだった。ただ、我慢すること自体は操祈を愛撫する際にはいつものことなので、もう慣れっこになってはいたのだが。
レイの場合は、可愛いっ――! という気持ちを優先させれば良かったからだ。
愛おしい生きものを可愛がることのできる歓びに較べると、男の体の刹那の衝動などとてもつまらないものに思える。
それでもぬるみを感じるのは仕方がないので、ティッシュペーパーを何枚か取ると、厚めに畳んでブリーフの中に忍ばせておいた。
目を閉じて、操祈の肉体を思い描いた。
背後から包むと、両手の中でゆっさりと柔らかくも弾むように息づく豊かな乳房があった。指先でやさしくくすぐると、感度の良い体はたちまち目覚めてくる。大きめの乳暈の真ん中で小さく固くなって自己主張を始める乳先の愛おしさは、賛美のキスをせずにはいられないほど。そして、うっすら汗ばんだ腋の下の瑞々しい果実のように甘酸っぱい芳醇な香り。
「先生……かわいい……」
下段ベッドのヒサオに聞こえないように、声をひそめてつぶやいた。
ディープキスの際には、怯えて縮こまっている彼女の舌を潜って、舌が届く範囲を舐め回すようにして、美味しい唾液のジュースをたっぷりとごちそうになるのだ。お口に起きたことは次には体にも起きること。唇へのディープキスは、その前のささやかなプレリュードに過ぎない。女体にはもっと時間をかけて、充実したやり方でしっかりと思いを届けるべき場所がいくつもあって、それこそが少年がこの数ヶ月の間に女教師の充実した肉体から勝ち得た特権なのだった。
初めての頃は、内腿の間に手を入れて脚を開かせることだけでも一苦労だったものが、今では望めばどんな姿にでもなってくれるほど従順になっている。どんなに淫らなことをしても、けっして怒ったりしないし、嫌われたりもしない。
愛撫のあと、強い羞恥のためなのだろう、瞳に涙を滲ませて無言で抗議していた操祈が、今はアイコンタクトからも逃れなくなっていた。恥じらいながらも心を寄せて、信頼を示そうとしてくれる健気さがいじらしかった。
だからいつでも全力で愛したい。
美しい魂が、それにふさわしい姿を得てこの世に降りてきてくれたのだから。
逢いたい……先生に……。
今度はいつ逢えるだろう? できることなら今すぐにでも彼女のアパートに行って、またたっぷり時間をかけて、彼女の体のいろいろな場所を探っては、唇を押し当てて肌のにおいと味を確かめたかった、溢れる蜜に包まれていたかった。密やかな湿原の鹹い味を思いだすと、また口中に豊かに唾液が溢れてくる。それはどんなに甘い蜜よりも甘美な秘密のご褒美だ。
普段はとても優雅で端然としている操祈が、びっくりするくらい量が多いというのも素敵な奇跡なのだった。可愛い声で赦しを請い、甘え啼きをしながら体をトロトロにして崩れていくのを目の当たりにしていると、愛おしさに胸が張り裂けそうになる、心が壊れておかしくなってしまいそうになってくる。
だから、彼女の体が産み出してくれたものは、何もかもが尊く思えて、全てを自分の中に取り込んでしまいたくなるのだった。
それはきっと、とても変態じみた衝動なのだろう、実際、もう則を越えてしまっているのかもしれない。
けれども――。
操祈以外の女の子にそんなことを、したい――と思ったことは一度もなかった。そうだとすれば、やっぱり責があるのは彼女の方であるのに違いない。自分にとってそれだけ特別な存在、ということだからだ。
食べちゃいたいくらいカワイイ先生がいけないんだ――。
と、少年は思う。
だからボクは、これからも先生をいっぱい食べるし、いろんなことをしていっぱい可愛がる――。
体位にしても、試したこのないものがまだまだたくさんあるのだった。それにまた“らぶらぶクン”だって使ってみたい。
京都では時間に限りがあって、ほんのちょっとの間しか楽しめなかったけれど、あれを時間の縛りなく使えたらどんなに素敵だろう……。
その時のことを思い出すと、また腰がせわしなくなってくる。
美しい部分の全てをくまなく晒した操祈の肉体の見事さと、彼女の全ての場所に自在にアプローチできる什器の巧妙な仕掛けに。
もしもまたその機会があったら、今度はもっと徹底的に使いこもう。ペッティングのバリエーションも増えて、以前ならできなかったことも今ならできるのだから。
それに筆を使ってくすぐったり、生クリームを塗りたくってヌルヌルにしたものをほおばったりもして……。
そんな小技を混えるのもきっと楽しいに違いなかった。
「……先生のカラダは……」
低く呻きながら腰を悩ましげに蠢かせた。
「……みんなボクのものだ……誰にも渡したり……するもんか……」
そしていよいよ堪えきれずに引き金を絞ろうか、という寸前に、動きを止めてやり過ごした。ちょっとでも油断するものなら一気に堰を切って放出してしまうところだったが、そのあたりの加減は慣れたものだった。
滾った情熱を冷まそうと熱っぽい息を長く吐く。
乱れた吐息を整えながら、
本当に参ったな――。
少年にしては、めずらしく当惑のため息をついた。
冗談を抜きにして、このままではもう朝まで眠れそうになかったのだ。覚悟を決めて、しばらくトイレに籠ろうかと身を起こしかけた時、ベッドの下から声がした。
「密森先輩……起きてますか……?」
後輩がまだ寝ていないことが判ってギョッとなるが、心と体の乱れを相手に気取られないように気をつけて
「うん……今日はちょっと寝つきが悪いみたい……」
様子を伺いながら慎重に応じるのだった。
予定では
恋バナ、男の子編
のつもりだったのですが
前フリが例によって無駄に長くなってしまって・・・